朝日新聞の昭和報道検証事業始まる…検証するならこういう地域報道の歴史的検証も

平成20年1月5日 朝日新聞14面 朝日新聞の昭和報道検証  歴史の新発掘めざす

60年余のわたる昭和時代の朝日新聞の報道や紙面を自ら検証する事業を08年作業開始し、09年に報告する。
歴史の新発掘を目指し、何が真実で、いまなお残る謎は何か、ジャ-ナリズムの果たすべき役割と責任を考えていく。

2009年は昭和が終わって20年の節目であること、朝日新聞が創刊130周年記念であることからこの事業を行うとのこと。



戦争中新聞各社の姿勢は、軍権力に協力一色だったが、中央ばかりでなく残念なことに地方でも翼賛体制の中、報国報道中心となっていった。昭和18年前後の地域報道の一端を垣間見てみよう。


「地方記者の原稿録」シリーズは、一朝日新聞地方記者が、送稿続けた戦前:戦中:戦後の地方発ニュ-ス原稿を今あらためて読み直し、平和を願い平和を壊され、しかし確実に生きていく地方の市民生活の一コマを少しでも窺うことが出来ればと発信するものです。

2、昭和16年3月~19年5月 埼玉県秩父通信部時代 


第16話 秩父森林地帯を開発
昭和17年朝日新聞 木材資源確保に県の計画


記事
千古斧鍬を加えぬ大原始林を囲む秩父森林地帯が時局の要請に応じて、木材資源確保に重大な役割を果たすことになった。
大滝村では今春、農林省との間で交渉が成立し、この協定によって近く国有林伐採に着手し、県では木材搬出の便を図るため林道整備に膨大な構想を練っている。

国有林伐採

2万町歩に上る国有原始林の所有権に関し、大滝村は国との間で行政訴訟も起こしているが、今春農林省との間で中間協定を結び、年々150町歩づつ伐採することとなった。
奥秩父の千古の眠りを続ける巨木をお国の為に役立てようというわけだ。

第17話昭和18年  応召木材は語る  逞しい斧鍬の音  決戦下に飛躍する秩父林業

宝庫開発に白木社の直営事業
宝庫開発に斧鍬を入れた白木社直営の事業大滝村中津川大滑原生林の伐材と国県の協力で中津川奥地原生林1万町歩の画期的大開発計画は秩父の林業を雄渾ならしめる刺激剤である。
大原生林は空の決戦の要請に応え、航空機材の増産確保を期してはじめた特記すべき決戦事業で、峻瞼な山峡の未開発地に眠る天然森林が今こそ太平洋空の決戦場に応召するのだ。
大滑の大岩盤地を切り拓く搬出木馬の建設は着々と進捗、今秋早くも伐材の戦果が奔流のごとく里に下るのだ。


第18話  山は戦力増強の決戦場  出材に、製炭に、採掘に火花散る秩父山峡

秩父山峡の決戦歳末は休みなし。いま戦力増強の戦場は山だ。
中津峡大滑原生林を開発した白木社直営の航空機材伐採は完了し、2千メートルの大木馬道の建設も竣工、この年末から正月にかけ集材に敢闘、新春にはどっと出材するぞー
必勝の意気を燃やし高々と上る墨煙にも休みはない。
火入れしたからには桜の花が咲くまでこの煙は絶やさない。炭焼き戦士の心意気は強し。
国土防衛のトーチカを築く秩父セメント採石場の山も決戦場だ。ここ武甲山の現場は凍りつく大岩盤に挑み無休で増産にまい進している。
ここの大石灰の岩石こそ大東亜磐石の礎を築く建設資材だ。
セメント増産陣の決死隊うちてし止まむの気迫に満ちた面々がやるぞ!の合図を交わせば飛電一閃ハッパの爆音が響き礫の雨が擂鉢の底にはね落ちる。


第19話 来春までに送出 三峰の御神木も応召へ


特殊航空機材として応召する三峰神社御神木の檜は専門家の調査により樹齢300年から500年までの巨木1667本、1万2千石と判明。県の了解を得たので社司や氏子総代が陸軍航空本部に出向き献納の手続きをとることとなった。
伐採は急ぎ準備を始め11月初旬には行えそうで、来春3月には送り出せる。
大滝村長談
由緒ある御親睦が英米撃滅の為応召することは感激に堪えない。三峰大神の御神徳を乗せて思う存分敵を粉砕せんことを祈ってやまない。伐採から搬出は大事業となるが、地元民の協力奉仕によって困難を乗り切り、急速に応召させるよう準備を進めたい。


…戦時中の森林伐採は無計画で後先を全く考えない無謀の伐採であった。本ブログ12月31日で発信したが戦後すぐ自然から猛烈なしっぺ返しを食う。
戦争犯罪当事者が罰を与えられたなら当然だが、罪のない戦争の犠牲者が又も多数台風カスリーンの犠牲になってしまったのだ。
地方記者としては国家政策である報国報道は仕方ない面があろう。
しかしどこか(中央とか本社で、)で権力の監視機能が発揮され、このような無謀な森林、貴重な自然への破壊を諌めていただきたかった。
それがジャーナリズムというものである。検証するなら材料はいくらでもある。
戦争に加担した一面が地方の小さな記事にも満ち満ちていたことが分かる。


今日の民法…自由国民社発行 高梨公之著「口語民法」に学ぶ
第1章 通則  
第2条「解釈の基準」


この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

解説
日本国憲法を再言した条文である。
① 憲法前文=国の政治や憲法が権威を持つのは国民の総意にもつづくからである。
② だから国家と公務員は(憲法14条)人格、性別、身分など関わりなく、(憲法13条)個人として尊重し、その趣旨に従って法律を作り(憲法24条)、責任を果たさなければならない(憲法99条)
旧民法の家制度と男性優位の諸規定を廃止し、個人を基礎とする男女平等の新民法となったことを宣言する規定がこの第2条である。

今日の労働基準法…労務行政発行 厚生労働省 労働法コンメンタール3

第1章 総則 
第2条「労働条件の決定」


労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。


解説
現実的には労使には力の差がある。この力関係の不平等を解決するのが労働法の理念である。
その理念を明らかにしたのがこの条文である。
対等な人格間の自由な契約秩序に本法が介入して強行法的基準を設定しようとしているのは、概念的な対等者間における現実の力の差と労働力の提供をその契約内容とする労働契約の特質のゆえである。
本条も罰則の定めはない。訓示規定である。従って労働基準監督機関がその職権を本条に関して行使することはありえない。
当事者間の義務に関する一般的宣言する規定にとどまり、労働協約、就業規則等に関する争いについては、当事者間の交渉により、またはあっせん、調停等紛争処理機関、民事裁判所等において処理されるべきと通達されている。

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