残された障碍者の子供の将来が心配…そんな杞憂に対応する心身障害者扶養保険の活用を

質問

障害のある子を持ってます。自分の身に万一があったらと心配です。年金の上乗せのような制度はありませんか?

回答   社会保障相談室23

将来について色々ご心配でしょう。親の死亡後、残された障害ある子に終身年金を支給する「心身障害者扶養保険」という制度があります。ぜひこの制度をご利用ください。

独立行政法人福祉医療機構と都道府県、政令指定都市などが連携してこの制度が運営されています。

制度の概要


道府県・指定都市が実施している心身障害者扶養共済制度によって、その地方公共団体が加入者に対して負う共済責任を独立行政法人福祉医療機構が保険する事業です。

心身障害者扶養共済制度とは、障害のあるかたの保護者が掛金を納付することにより、保護者が万一死亡したときに障害のあるかたに終身一定の年金を支給するものです。この制度は、障害のあるかたの将来に対する保護者の不安を軽減し、障害のあるかたが安定した生活をおくり、福祉の増進が図られることを目的としたもので、親たちの自らの連帯と相互扶助の精神を基調として生まれたものです。

障害者を扶養している人を加入者とし、毎月一定の掛金を県に納入することで、加入者に万一のことがあった場合、残された障害者に年金を支給するものです。
 生活に困っている方には掛金の減免制度があります。
心身障害者扶養共済(保険)制度は、昭和45年に制度が発足して以来30年余が経過しました。

心身障害者扶養共済制度


①制度の目的

心身障害者扶養共済制度は、各道府県・指定都市が心身障害者扶養共済条例を定め、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づき、保護者死亡後の障害者に終身一定額の年金を支給することにより障害者の生活の安定と福祉の増進に資することを目的とします。

②実施主体

各道府県・指定都市(東京都は、独自の制度として実施しています。)
神奈川県では 障害福祉課運営指導班(電話 045-210-4705) が窓口
根拠 神奈川県心身障害者扶養共済制度条例

③申し込み方法:新規(初めて加入するとき)

保護者がお住まいの地域にある福祉事務所、市区町村役場の窓口に次の書類を添えてお申し込みください。

(1) 加入等申込書
(2) 住民票 (保護者及び障害のあるかたそれぞれに必要です)
(3) 申込者(被保険者)告知書 (保護者の健康状態を告知する書類です)
(4) 障害の種類及び程度を証明する書類 (身体障害者手帳、療育手帳等)
(5) 年金管理者指定届書 (障害のあるかたが年金を管理することが困難なとき)

【注】 加入承諾日は毎月1日とし、加入申し込みから1~2ヵ月程度を要します。

④加入者の要件

道府県・指定都市に住所を有する障害者を扶養している保護者であって、かつ、65歳未満で特別の疾病または障害を有しない者。


⑤掛金


加入者の加入時の年齢により、7段階の掛金(3,500円~13,300円)となっており、2口まで加入できます。

⑥給付内容
・年金の支給
加入者が死亡し、または、重度障害と認められた場合は、残された障害者に1口当たり月額2万円(2口の場合、月額4万円)の年金が支給されます。

・弔慰金等の支給
加入者より先に障害者が死亡したときは、一時金として加入期間に応じて弔慰金(2万円~10万円)が支給されます。また、5年以上加入した後この制度から脱退したときは、加入期間に応じて脱退一時金(3万円~10万円)が支給されます。

この制度について厚生労働省の今後の方針が決まった

来年度から保険料引き上げ 障害者扶養保険、存続へ

2007/9/23 神奈川新聞



 親の死亡後、障害者に終身年金を支給する「心身障害者扶養保険」について、財源不足から存廃を検討していた厚生労働省は22日までに、来年4月から保険料(掛け金)を引き上げたうえで制度を存続する方針を固めた。月2万円の年金額は据え置く。

 25日に開く有識者の検討委員会で正式決定する見通し。
 この保険は、道府県(東京都は既に制度廃止)と政令指定都市が条例に基づき運営している任意加入の共済制度。保護者が生存中に保険料を支払うと、死亡した場合などに加入1口当たり月2万円の年金が障害者に支給される。加入は2口まで可能。
 
福祉の観点から安い保険料で年金を給付していることに加え、障害者の平均寿命の延びや運用利回りの低下で財源不足が深刻化。厚労省は廃止も検討したが、障害者の生活の安定に依然必要と判断した。

この制度の加入保護者は約68,000人、年金を受給している障害者は36,000人。
保険料がおよそ年間180万円に対し年金給付額は平均330万円であり、手厚い給付が特徴でもある。
せっかく加入していた親が死亡しても、障害者が加入の事実を知らず、申請しなかったため、400件以上もの障害者扶養年金が支払われていなかった問題も昨年明らかになった。

ぜひこの制度を利用することを親子で話し合って下さい。年金や保険、貯金は本証書とコピーとで2通作成しフアイルしておくことをお勧めします。コピーは本証書が万一の際の備えです。
また入力しておく方法も有効です。慎重な取り扱いを要しますが情報の把握は親子間で必要です。



制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄


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