テーマ:山本一力

「引っ込んでろ ばか息子」朋乃が初めて怒鳴った…江戸の町に生きる娘のたまゆらの物語

「引っ込んでろ ばか息子」朋乃が初めて怒鳴った。 座敷の全員が意気を詰めて朋乃を見た。 「どうせこの50両は、あんたと拓二郎とがつるんでお店からくすねようとしたカネだろうが、お天道さんは見逃すことはしないよ」 文句があるならお奉行所にでもどこにでも訴えでればいい、朋乃に啖呵をきられ正悟は、青ざめた顔で座布団に腰を落とし…
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勝てる道はたった一つ身内が固まることだ、壊れるのは必ず内から崩れる、中が脆ければひとたまりもない

江戸深川蛤町、大横川沿いの長屋 京から下ってきた永吉 仁王のように日焼けしたいかつい大男 しかしおふみには父親に似た律儀な気配が漂う感じをこの男に感じていた。 「この井戸から水をのませてもうてもよろしおますか」 「いいとも、すきなだけのむがいいさ、自慢じゃないがうちの井戸は深川一だよ」 「ほんまにうまい水ですわ」 …
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「初めていただく味です」「驚きました」湯呑みを手にしたままで感じ入った声を発した…深川最中誕生秘話

玉枝が場に出した「永代橋の夕暮れ」は、餅を薄く焼いた皮に、上質のあんが包まれただけの単純な菓子だった。 仲居頭の市弥が、まだ吟味に入るときでないのに思わず口に出した「初めいただく味です」 板長の謙蔵は2個を食べ終え、湯呑みを手にしたまま「驚きました」と感じ入った声を発した。 お女将の秀弥は「なぜお前は、永代橋の夕暮れと名づけた…
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