がんばれ!水島藤一郎理事長  江南魂「自主自律と自他敬愛」でピンチをチャンスに  

第一幕  神奈川県立平塚江南高校 「自主自律」の碑

正門から入って桜並木を抜けると、玄関前に昭和61年に建てられた「自主自律」の碑がある。
この碑に刻まれた言葉は、現在に至るまで江南生の伝統を育む大事な礎として、一人ひとりの心に深く刻まれている。

 人としての感性を磨き、豊かな人間性と自他敬愛の心を持ち、心身の健康を維持して進んで 社会に寄与できる人材たらん。
勉学だけではなく、部活動や学校行事にも常に全力で打ち込む「より高いレベルの文武両道」の実践、それが江南生の誇りである。

水島藤一郎は昭和41年 同校を卒業  高17回生  野球部に所属していた。


江南高校卒の先輩から学ぶ…
江南キャリア講座では、平成26年度が、NEC代表取締役社長遠藤信博氏、エーザイ副社長清水初氏、平成25年度が、横浜ゴム代表取締役社長野地彦旬氏、JT代表取締役社長小泉光臣氏が講演。
平成27年度は、丸山珈琲代表取締役丸山健太郎氏、リクルートエージェント松木努氏を予定している。


第二幕   平成25年1月19日  読売新聞 日本年金機構理事長に水島氏 元三井住友銀副頭取

 田村憲久厚生労働相は18日、日本年金機構理事長に水島藤一郎・元三井住友銀行副頭取(65)を充てる人事を発令した。
元経団連専務理事で初代理事長の紀陸孝氏は、消えた年金記録の解明やサービス向上に一定のメドがついたと判断し、任期を1年残して退任した。

 日本年金機構は、ずさんな年金記録の管理や職員の不祥事が問題となった旧社会保険庁の後継組織として2010年1月に発足した。
紀陸氏は当時の自公政権が組織の立て直しのため、09年2月に理事長として起用することを決めた。

水島氏は公的な年金や医療保険の保険料で整備した福祉施設を廃止・売却するための独立行政法人の理事長を務めた手腕を買われた。

 水島 藤一郎氏(みずしま・とういちろう)69年(昭44年)一橋大法卒、三井銀行(現三井住友銀行)へ。04年副頭取。05年年金・健康保険福祉施設整理機構理事長。神奈川県出身。

同年10月8日 読売新聞

不祥事の続出で解体された旧社会保険庁の年金業務を引き継いで、日本年金機構が2010年1月に発足してから4年近くたつ。
年金記録問題の対応はどこまで進んだか。
事務処理ミスがなぜ多発するのか。民間金融機関出身で、今年1月から機構の第2代理事長を務める水島藤一郎氏に聞いた。(聞き手 石崎浩)

三つの課題

 ――日本年金機構にとって、当面の課題は何か。

 「年金記録問題への対応、国民年金保険料の納付率を上げること、事務処理の誤りをなくし正確にすることの三つだ。信頼される組織となるように、不断の努力が必要だ」

 ――理事長に就任して感じたことは。

 「旧社保庁で非常に強い批判を受け、職員が自信と誇りを失っている。年金制度は複雑で専門性が高く、一朝一夕には人が育たない。今いる職員を再生させ、年金のプロとして誇りを持って仕事をするように変えていかなければ」

持ち主不明

 ――年金記録問題では、旧社保庁がコンピューターで管理していた厚生年金と国民年金(基礎年金)の保険料納付記録の中に、持ち主不明となった記録が5095万件もあったことが明るみに出た。解明はどこまで進んだか。

 「そのうち2961万件は解明できたが、あとの2134万件は、まだ持ち主がわかっていない」

 ――記録問題が発覚して6年余り、旧社保庁と機構は、どんな対応をしてきたか。

 「受給者と加入者の全員に『ねんきん特別便』を送るなどして記録の確認を求めた。機構が保管している古い紙台帳を、コンピューター上の記録と人海戦術で照合する作業も2010年から始めており、今年度末で終わらせる」

 「お客様がインターネットで自分の記録を探せる『ねんきんネット』も導入し、1月からは『気になる年金記録、再確認キャンペーン』で記録の確認を呼びかけている」

 「対策の結果、既に受給している人の年金が総額で年875億円増えた。今年度は機構発足時に策定した中期計画の最終年度に当たる。年度末を節目とし、対応にめどをつけないといけない」

 ――だが、持ち主不明の記録が相当数残るのでは。

 「残らざるをえない。ただ、記録確認の呼びかけは続け、お客様からの申し出には積極的に対応していく」

 ――有識者などの間に、特別な対応はそろそろやめてよいという意見がある。

 「記録問題では、人件費やシステムの構築などにこれまで約4000億円もの国費が投入された。機構ができることは全てやり、厚生労働省の年金記録問題に関する特別委員会などに報告する。『徐々に対応を収束させるべきだ』と言っていただけるかどうかだ。評価については、機構が判断すべきことではない」

◇         ◇        ◇

事務ミス多発 意識に問題

納付率

 ――自営業者などの国民年金保険料は、昨年度の納付率が59・0%だった。

 「過去最低だった前年度を0・3ポイント上回って7年ぶりに上昇し、ようやく長期低下傾向に歯止めをかけることができた。だが、当面の目標とした60%に達していない」

 ――微増に転じた要因は。

 「新たな取り組みとして、未納者に特別催告状を送った。督促を委託している民間業者との連携も良くなった」

 ――とはいえ、納付率は1990年代半ばまで、80%を超えていた。あまりにお粗末では。

 「納付率は年金制度と機構に対する信頼度のバロメーターだ。何としても結果を出さなければならない」

 「国民年金は給付の半分が国庫負担でまかなわれ、障害を負えば障害年金、一定の要件を満たす遺族には遺族年金も出る。民間ではこんな良い保険はないことを丁寧に説明したい」

 ――不祥事で年金不信を生んだ旧社保庁の後継組織に納付を促されても、釈然としない人もいるのでは。

 「きちんとした仕事を積み重ねることで、一歩ずつ信頼を取り戻すしかない」

請求書放置

 ――事務処理のミスが依然として多い。
年金支給や保険料徴収などの誤りは昨年度だけで2670件が明らかになり、大半は10年に機構ができた後に起きたミスだった。

 「お客様に直接ご迷惑をかけるような誤りが多発している。民間でいえば、欠陥商品を売っているようなものと言われかねない。信頼を得るために、事務処理の正確さは絶対に必要だ」

 ――兵庫事務センター(神戸市)では今年、職員が年金請求書を紛失したり、処理せず放置したりして計4400万円が未払いになったことが明るみに出た。
しかも、機構本部が現場から報告を受けてから発表まで約半年かかった。その後も各地で、同様の紛失や遅延が次々に発覚している。

 「国民の年金権や財産権を侵しているということだ。大変な危機感を持っている。問題を何としても根絶するという強い意識が機構の中にあったのか、我々は反省すべきだ。書類の放置を許さない文化、相互にチェックするシステムを、組織の中にきちんと組み込んでいくことが大切だ」
「問題が解決してから公表する、という考え方ではいけない。今後は早く公表するようにしたい」

◇         ◇        ◇

国民の信頼 まだ遠い

 水島氏はメガバンクでの経験に加え、「年金保険料の無駄遣い」と批判を浴びた厚生年金会館などの福祉施設の廃止・売却を担当する独立行政法人で、理事長を務めた手腕も評価されている。

 だが、機構の正規・准職員約1万2000人の大半は、規律の緩んだ旧社保庁からの移籍組。経団連の事務方出身だった前任の理事長は、十分には態勢を立て直せなかった。国民から信頼される組織には、まだほど遠いのが実態といえる。

 水島氏を孤軍奮闘させないために、政権がきちんと側面支援することも必要だ。(石崎)

 日本年金機構理事長 水島藤一郎(みずしまとういちろう)氏  三井住友銀行の副頭取、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」の理事長を経て、今年1月に就任。66歳。


第三幕 平成27年5月8日 福岡県福岡市 日本年金機構九州ブロック本部

① 5月8日 福岡  パソコン端末(インターネット接続)
入札参加希望業者を受け付けるメールアドレスに件名「『厚生年金基金制度の見直しについて(試案)』に関する意見」が届いていた。
担当職員は添付ファイルを開封し、パソコンはウイルス感染した。

異変はすぐに察知される。
開封で不審な通信が出始めたのを行政機関へのサイバー攻撃対策を担う「内閣サイバーセキュリティセンター」が発見。
連絡を受けた機構は、すぐに職員のパソコンを外部のネットワークと遮断した。
 情報セキュリティー会社に解析も依頼し、機構内の全パソコンに、このウイルスを駆除するソフトを入れたが、 機構全体で外部通信を遮断する措置が取られることはなかった。
サイバー犯罪に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「この時点で外部との通信を完全に遮断していれば これほどの被害は出なかっただろう」とみている。

②数日後  東京
東京の機構本部の入札関連部署に最初とは別のウイルスが仕組まれた不審なメールが届く
。1人が開封し、18日に新たなウイルス感染が発覚した。
③19日  日本年金機構本部
機構は19日、警視庁に被害を相談し、九州ブロック本部と機構本部で順次外部通信を遮断した。

④28日、同本部
警視庁からの連絡で大量の情報流出が明らかになる。
機構がようやく全拠点での外部通信遮断に踏み切ったのは翌29日になってからで、最初の攻撃から3週間が経過していた。
 園田教授は「情報管理への意識の低さや内部の判断ミスなどが複合的に重なり今回の大量情報流出を招いた。
技術的な安全システムを有していても人的要因で簡単に流出に発展する恐れがあることを改めて思い知らされた」と話している。


※、年金の受給額を含めた個人情報は「社会保険オンラインシステム」と呼ばれる基幹システムで管理。
基礎年金番号や住所、氏名、生年月日は個人を特定できないようバラバラに保管されている。
だが、年金加入者に通知などを送る際、昭和39年から稼働するシステムのプログラム上、作業が難しく、一度情報を外に出す必要があるという。

このため、機構では業務に必要な場合に限り、パソコン端末を使ってシステムに接続。対象者の個人情報を引き出し、
職員がパソコンで作業できる仕組みをとっていた。
情報セキュリティー大手「トレンドマイクロ」によると 「一般的に個人情報を扱う場合、基幹システム内で作業をするが、情報を移すこと自体は悪いとはいえない」という。
 ただ、機構では情報を移したパソコンでインターネット接続し、パスワードを設定すれば情報をパソコンに保管することも可能だった
今回のケースでは、引き出した個人情報がパソコン内にある状態でウイルスメールを受信し、職員が添付ファイルを開いたことで 情報が流出。
部署ごとに結ばれた「情報系システム」と呼ばれるサーバーを介し、数十台のパソコンに感染が拡大した。
 大手セキュリティー「シマンテック」の担当者は「ウイルスが進入するための入り口をわざわざ用意していたようなもの。
特に機密の高い情報を扱う際は細心の注意が必要で、管理が甘かった」と話している。


第四幕  平成27年6月3日  第189回国会 衆院厚生労働委員会

衆院厚生労働委員会は3日、集中審議を開き、野党側は「最初に不正アクセスを確認した5月8に抜本的な対策をとっていれば、空前絶後の情報流出はなかった」などと、監督官庁の厚生労働省の責任を追及した。

最初に不正アクセスがあった5月8日から今月1日に公表されるまで三週間以上要したことについて「もっと早く公表し、注意喚起できたのではないか」とただした。
 塩崎厚労相は「(個人情報の流出が確認された)5月28日に報告を受けたが、流出件数などが分からず公表できなかった」と述べた。

また塩崎厚労相は「『消えた年金問題』の信頼回復のために機構をつくったのに、(サイバー)攻撃を防げなかったのは残念。厚労省内に情報管理の強化に関する第三者委員会をつくりたい」と述べた。
 
年金機構の水島藤一郎理事長は「心から深くおわび申し上げる」と陳謝した。

日本年金機構は3日、個人情報が流出した加入者に対し、おわびの文書の発送を始めたと発表した。
文書には流出した情報の種類や基礎年金番号の変更なども通知している。
同日だけで約9千人に郵送した。


水島藤一郎  

1969年一橋大学法学部を卒業し、三井銀行(現三井住友銀行)入行。1997年さくら銀行取締役法人部長、2000年さくら銀行常務執行役員、2001年三井住友銀行常務取締役兼常務執行役、2004年三井住友銀行副頭取。

三井住友銀行顧問を経て、2005年、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の初代理事長に就任、厚生年金会館、厚生年金休暇センター、厚生年金老人ホームなどの売却にあたった

社会保険京都健康づくりセンターを、東京建物に管理運営を委託。東京建物はこれをレジーナ京都として運営。

2012年には廃止を予定していた健康保険鳴門病院と健康保険鳴門看護専門学校を、13億円あまりで徳島県に売却、飯泉嘉門徳島県知事と契約書に調印した
2011年6月に成立した独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部改正により、病院の設置運営を行う独立行政法人地域医療機能推進機構に改組されることが決まったことを受け、2012年退任。

2013年1月、日本年金機構理事長に就任。
事務処理のミスが多発する組織体制の改革にあたる。
2014年4月には厚生労働省の社会保障審議会年金事業管理部会で、年金未納問題に関し、2013年度の国民年金保険料納付率につき「60.07%を超える見込みとなってきた。」とし、4年ぶりに納付率60%台に達する見込みとなったことを明らかにした。

制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄

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