まず強行法規で違反有無、次に個別の話し合い、妥協点打診を…個別労働紛争解決最前線から

平成20年2月6日 SR経営労務センター研修会
テーマ「労働紛争の事例とトラブル防止について」
講師、神奈川労働基準局 総務部企画室 労働紛争調整官 太田真人氏
場所 藤沢産業センター7階


個別労働紛争解決制度

神奈川労働基準局で労働紛争調整官は2名である。
平成13年10月施行「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」(個紛法)にもとづき運用しているが50%は社労士で残りは会社総務関係である。

特徴…
公平性
任意性
柔軟性
迅速簡易性(無料)
非公開性

3本の柱◎総合労働相談(県内14箇所、12監督署は全箇所、横浜stビル11階)
◎労働局長の助言・指導(口頭)
◎労働紛争調整委員会によるあっせん(9人で弁護士6、コンサル2、先生1)

具体的相談対応
1、解雇予告手当不払いと不当解雇を訴える事例=解雇予告手当ては行政指導で対応。解雇は個別労働紛争解決制度に導く
2、解雇されて予告手当ても不払いだが不当解雇のみ訴える=個別労働紛争解決制度へ
3、割り増し賃金不払い訴え=特定は行政指導、行政指導困難は個別労働紛争解決制度へ

違反がある場合まず強制法規の違反を取り上げる。その後個別労働紛争解決制度へ導く
1カ月で仕上げる。非公開。裁判は公開。そこが有利。

口頭による助言・指導
論調…聞く限りにおいてしかじか…法例遵守を念頭にしかじか…話し合ってどうか…
その旨の説示を一方の当事者に行うもの。公的機関から一言口添えを…

具体的口頭助言指導対応
1、12月退職申出たら、11月という賞与支給日前に退職させられる撤回訴え=解決金
2、懲戒解雇撤回訴え=解雇撤回
3、会社都合退職なのに自己都合で処理訴え=会社都合の計算に変更
4、配置転換撤回訴え=元通り勤務確保

あっせん
申請書提出

紛争事案概要文書作成
事実調査⇒事実確認⇒解決条件確認⇒譲歩打診⇒あっせん案提示⇒合意文書作成

具体的あっせん対応
1、禁止されていた自家用車での事故について不当解雇訴え=会社都合退職へ、労災助力
2、業務委託話で独立も仕事切れた訴え=解決金
3、言葉の嫌がらせ訴えるも逆に不当解雇訴え=貢献度、定年まで考慮した解決金
4、介護職の労働時間、賃金改善訴え=金額で合意

県内で18年度あっせんは93件
53件合意。1カ月が54%、50人以下規模が最も多い。パート18%、契約17%、派遣7%であり他は正規。

以上から極めて使いやすい制度になっていることが分かる。もっとも事業主が出てこないなら法違反でなくそれまでである。ただし申告されると別な動きがあるだろうからやはり事業主はこれに答えるべきであろう。


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あっせん委員は3名で1回
第3章  法人

第34条「公益法人の成立」

学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。

解説
公益法人全てが許可を要するとは限らない。
宗教法人は知事又は文部科学大臣の認証、社会福祉法人は厚生労働大臣の認可、医療法人は知事認可、学校法人は知事または文部科学大臣認可を経て設立される。
許可と認可の主務官庁の裁量の範囲は格段に許可が多い。認可、認証は基準どおりで裁量余地は狭い。


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第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇

第32条の5 「1週間単位の非定型型変形労働時間制」

使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生じることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であって、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第32条2項の規定にかかわらず、1日において10時間まで労働させることができる。

2 使用者は、前項に規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる1週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。

3 第32条第2項の規定は、第1項の協定について準用する。
解説
1週間単位の変形労働時間制について規定したものであり、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業であって規模30人未満のものについて、労使協定で、1週間の所定労働時間を40時間以内で定めることを要件に採用できるものとした。

1日10時間限度に前の週末までに翌週の各日の労働時間を書面で通知。協定は監督署に提出。


本条第2項及び第3項に違反した場合には、30万円以下の罰金に処せられる。

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