お金がないから…でなく、まず始めてみた終戦直後に立ち返れ  「社会保障の失意と希望」を読んで  

創世記
皆年金:皆保険制度は、戦後極貧の中、始めてしまって、その後必要なお金をどう捻出するか考えた。1000万人が飢え死にするかもしれない。まずやってみた。死に物狂いでやりくりすれば何とかなる。燎原の火のごとき社会保障制度を創出する動きがあった。

終戦後としばらくの間、日本にも本物の民主主義、福祉国家をつくるエネルギーの片鱗があった。民主主義に目覚め、皆保険皆年金、福祉国家を目標にしてとにかく前進が続いた。


成文社発刊  庭田範秋著 「社会保障の失意と希望」を読んで

現代
しかし国力がつくにつれ、世の中が良くなるにつれ、社会保障、皆年金皆保険は国力向上に相応しての向上とはいかなくなった。
日本の民主主義も前半は沸騰、後半は怠惰と化している。
小泉政権下、国家財政再建のための財政措置、それは構造改革という美名がつけられた措置により強力に社会保障破壊活動が行われた。
良くも悪くも改革と変革、改善と破壊を蒙った我国社会保障制度…その行為への失意と変わって新しい政権が誕生しての再建への希望、今後の社会趨勢は良い方向に行くと言う著者の思いが本書の題名となったものである。


公的年金の最重要課題、激動の医療問題と国民健保、資本主義経済と民営化、金融自由化時代等々本書は日本社会の組織と構造、現代社会の重点と課題を知識として与えてくれる。

著者の愛する社会保障制度:社会保障は人類の希望そのものである
この達成こそ国家機能最大の役割である。社会安定の保障は、公的保障、私的保障、社会保障と個人保障の並存、これを我々は組み合わせ生活を維持していくものである。


まとめると私は3点にこの著書の面白さは整理されると思う。
1点目は社会保障の全貌,2点目は年金、保険資金運用、3点目は社会現象WとBである。

著者が述べているように確かにこの本を読んで、社会保障を巡る日本社会の構造図がくっきりと見えてくるのである。
また年金数理、財政投融資の流れ、資金自主運用の仕組み図も豊富に明示され、1点目の思想論に比し2点目は科学的である。
そして3点目は、著者一流の鋭い観察眼を持って、あふれる社会現象をユーモアたっぷりに一刀両断している。
なぜいじめがおこなわれるか
なぜ世界一低級なテレビか
なぜ加害者に甘いのか、
なぜ携帯なのか…


月刊社会保険労務士誌6月号本棚欄に同じ著者による「社会保障の破壊と再築」が紹介されていた。
社会保障の理論と実際の正道が求められているとの書評、読みたいものである。


同誌視点欄では「福祉国家の変容と社会保険」と題し、土田武史早稲田大学教授の論文が掲載されている。
批判もある福祉国家であるが多くの国で福祉国家体制は維持されてきている。
しかしグローバル化拡大とともに環境は非常に苦しくなっている。
福祉国家の中核社会保険が、その機能も著しく弱体化し、抜本改革が求められている。
そのような状況下税方式など考えられるが、それより社会の連帯、社会的公平を生み出し福祉国家を支えていく仕組みは、やはり社会保険の再構築である。
健康保険の後期高齢者医療保険改革はその一つの示唆である。社会保険の方式で支援金という世代間連帯も構築し、広域連合という組織再編成を取り入れている。
新たな試みを注目したい。


http://jobranking.net/44/ranklink.cgi?id=1346

"お金がないから…でなく、まず始めてみた終戦直後に立ち返れ  「社会保障の失意と希望」を読んで  " へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント