城繁幸を読む…企業は人なり何故富士通の人事は崩壊したか真相を読む…

城繁幸を読む第1部

光文社発行城繁幸著「内側から見た富士通、成果主義の崩壊」235ページ


1993年バブル崩壊の後遺症が日本経済全体を覆っていた。
富士通も単年度赤字に転落。
関澤義社長ら経営陣は藁尾もすがる気持ちで飛びついた。

シリコンバレー直参の成果主義に・米国の主流でもなくただ単に一地方シリコンバレーに流行る特殊な成果主義なのに。
業績悪化を救う魔法の手と大きな誤解から富士通の崩壊は始まった。
年功序列、終身雇用制度から大転換する成果主義を礼賛した。

シリコンバレーでは30年、40年間も同じ企業に働き続ける者はいなかった。
労働環境は全く異なっていたのに。
強かった日本的システムを捨て、実力主義、成果主義に大転換したのだ。


入社の際にはこう宣伝された
富士通では働けば働くほど報われます。
富士通はあなたの実力を生かせる会社す


米国でも主流ではない人事評価形態の一形態にすぎない普遍性のない目標管理評価制度を富士通が採用することで日本における代表的なスタイルとして定着してしまたのだ。


10年後…富士通は2003年に3825億円もの巨大赤字を計上、株価は10分の1に下落。
人件費だけは2割以上アップ。離職率は増加し、大卒応募者は半減。
経営陣は先見の明があったのだ

国産コンピュータ第1号を開発した技術力と職人気質はどこに消えたのか。

大量生産した不満分子

通常勤務型対裁量労働制(自由時間性だから当然時間外手当はない)
賞与評価は滅私奉公型の裁量チームを優先させた。通常チームは無用な残業代で取り返す。
これが人件費2割アップのマジックだった。

世界的大企業富士通なら管理職が率先して意識改革を実践すべきだった。
各々の主観に基づき部下の評価を行った。
自分たちの評価は全員が同じ評価だった。オールAに。
部下の目標未達が半数以上なのに。本人はA.管理職の9割がAの会社が連続赤字に。
まして経営陣はE評価だったのに、自分はよくやったのに部下がわるいと秋草直之社長。


富士通システム破綻のオンパレード

2000年4月、郵貯ATM故障により郵政省、富士通に賠償請求
2002年11月、島根銀行、富士通の基幹システムの外部委託解約
2003年5月、佐賀銀行、18銀行、筑邦銀行基幹システム共同化富士通との開発契約解約

衝撃の事実
採用時評価高かった新人はほとんどが5年で退職した。
明日を担わせると期待した新人は皆いなくなり数合わせ人材しか残らなかった。

公正評価委員会の設置しかない
以下に少ない人数で公平性を確保するか
更に第三者でこの公正評価委員会を評価するのだ。
評価は全従業員に公開する。
大量生産された超多数の管理職が多くて5人の部下を評価した。
人の評価など出来る素材でないのに。
米国の評価
シラバス=大学の教師と学生の契約書、ABCの採点の根拠など明確化し契約
更に、スチューデントエバルエーション=学生が教授を評価する制度


城繁幸を読む第2部


ちくま新書 城繁幸著「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」

昭和的価値観がある=やけに平面的日本、良い大学から良い企業にへの行動規範
正に資本主義下の奴隷
では平成的価値観は→それがこの本のテーマ

5段階のモチベーション→下位欲望が満たされると上位を目指す
成功はより高い目標に向う=マズロー理論

●大手流通業から損保に職替え、
邦銀でなく外資系ファンドに就職
雇用リスクはある、昼食後は入れなかった 解雇されていたなんて
25歳で1つの産業を任された…自分の市場価値を高め勝負する
全く滅私奉公型と無縁、他人に人生を任せれない、それのほうが高リスクでないか

●日に300冊の本が並ぶ、そのうちほとんどが1週間で消える
これは世に出すべきと考えた本の書評を書く新聞社文化部記者
IT産業はゼネコンそのもの3kそのもの  大手下請け孫請け 作業の効率化しかない
ITで世界に通用するものはない、派遣でなく独自技術を持て
さおだけやは何故あんなに儲かるかがベストセラー

●公認会計士事務所から独立、21世紀は多様なニーズに対応する時代、顧客を魅了するニーズは決して机にかじりついてなんか生まれない=公私混合こそ
アウトサイダー=働き貯めた成果の報酬を出世してから受け取る帳尻を合わせる
大衆とメデア→①情報を選択判断層、②既存メデアのおまかせ層、③主体ないネット難民層  情報はメデアから大衆に移る→新聞宅配はなくなる時代へ
新聞1誌しか我が家で読んでいた我々より多様化したメデア世代の20台30代ははるかに物知り

☆1982年オランダワセナー合意=労働界、経営界、政府が合意、
政府=規制緩和、労働法改正
経営界=多様な労働を認める、
労働界=待遇向上凍結、賃下げ容認
結果正規非正規間の格差解消  労働者は自己の希望でワークスタイル選択
若者はわがままを主張せよ 若者は少なく力はあるから

城繁幸を読む第3部
東洋経済新報社発行 城繁幸著「たった1%の賃上げが99%を幸せにする」


☆改革実例は福井にあり
共働き率、世帯収入日本一が福井県、出生率も上昇=非正規雇用受け入れ、女性と中高年に職を与え、他県で切り捨てられた層が働けるので世帯辺りの収入が高い。

☆日本の有給取得率は先進国最下位。
欧州から有給そのものも3割減。これだけで年間160時間は余計働く。つまり平均400時間総労働時間多い。
3カ月も多い。
戦後日本経済に強さの秘密だった。

☆力士が親方になり部屋を運営する日本型から20代からコーチとして勉強し、キャリア積み、試験も突破した人材が監督になる欧米サッカー型へ企業も大変換を。

☆旭化成は育児休業最初の5日間は有給とした。2005年。500人もの男性がイクメンに。柔軟な制度運営が奮起を生む実例。

雇用政策には世界に3つの流れあり

1、日本、ドイツ、フランス等→規制により正社員保護…若い年齢層失業率高止まり

2、米国、英国→雇用規制少なく流動性あり→失業率低いが自己責任徹底的

3、デンマーク、オランダ→フレキシユキリテーと呼ばれ流動性高く手厚い再就職支援セフテイイーネット完備新陳代謝


日本がこれからとる道

労働ビックバンは、既存の秩序をゼロにして、別の雇用、賃金体系に構築替えする
正社員の既得権を手術、労働市場の流動性を高める
時限立法で正社員の処遇見直す
45歳以上の総賃金額は50兆円、その5%を公費で補填、2兆円から3兆円、国単位でワークシェアする

巨大な壁=年功賃金、終身雇用制度=昭和的価値観
現在は、入社3年以内退社大卒は36%を超える
45歳以上の正社員賃金は総額5兆円を超える
そのうち1%4500億円を非正規雇用職員に分配することで10万人の雇用を維持出来る

年齢、序列に縛られない多様な雇用スタイルこそ諸問題を解決させるのだ、
雇用大改革理想の図式
時限立法で雇用金銭解決を含む正社員賃下げ法案を可決
賃下げは最大3割、賃下げ分の5割は国庫補填する案を50歳代も受け入れた
セフテーネットも整備された

3カ月以上の要件で失業給付、再就職カウンセリング拡充
正規雇用者の柔軟な処遇見直しがなされた 規制緩和で派遣入れる意義もなくなった
派遣から直接雇用に大手は切り替え、派遣は収入が3割増
5年後時限立法は恒久化
職務給潮流に  正規非正規の身分制度はなくなる明治維新だった
全ての労働者に希望が生まれた



次回は城繁幸を聞くを発信します…

制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄






この記事へのコメント

島根スサノオマジックファン
2018年02月28日 03:43
 人事は生きている事業モデルよりもメディア称賛型モデルを、採用するようになった。最近見つけた例でいうと、日立金属の特殊鋼事業の中で起こった出来事である。無機コーティング最強と言わんばかりの勢いで、メディアは宣伝したがしょぼい結果に陥っている、優秀な技術者は有機コーティングの世界へ転職した。これなどは最たる悲劇にとどまらず多くの後遺症を日立金属の特殊鋼事業に残したのではないかと危惧する。

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