社会保険未加入企業への法違反処罰が強烈に展開し出した…それでも加入させませんか?

社会保障相談室124

法人です。
従業員は5人
色々経営上の苦しさもあり5人の従業員に社会保険は加入させていません。
このほど「最終届出指導」という文書が送られてきました。

「厚生年金保険・健康保険は、労働者の医療保障及び所得保障のために極めて重要な役割を担うものであり、法人事業所は法律により加入が義務づけられております。
貴事業所におかれましては、社会保険の加入手続きをされるようにお願いをしてきたところですが、未だもって加入の手続きがなされておりません。

このまま加入手続きがなされない場合には、自主的な届出の意思が無いものと判断し立入検査により、職権にて未適用の状況を解消せざるを得ないこととなります。
(健康保険法第百九十八条・厚生年金法第百条「立入検査権」)

また立入検査に応じない場合には、罰則が適用される可能性がございますので、予めご承知おきください。
(健康保険法第二百八条・厚生年金法第百二条第一項第5号「事業主への罰則」)

立入検査後は、確認できる範囲で最大2年間遡って加入となるため、保険料も2年分遡及発生します。
自主的に届出を頂ければ加入年月日より保険料が発生いたします
。以上

今まで加入しなかったのが違法なのは承知してましたが、従業員も控除されるより現金収入の多いのを望む傾向もありそれに甘えて未加入でした。
今後どのような方針で行くべきなのでしょうか。
なお経営コンサルタントさんに相談し助言いただき社保加入を勘弁してもらったました。



回答

Ⅰ、事業主が被保険者資格の届出を怠り、保険料を納付しなかったために将来受け取る年金額が減少した場合、事業主に対して損害賠償を請求することができます


まず以下の判例をお読みください。
社保未加入という法違反がいかに恐ろしいことになるか…

>★豊國工業事件・奈良地判平18.9.5 労判925-53


被告会社が厚生年金等社会保険の加入手続を怠たったため国民年金等保険料の支払を余儀なくされ、また厚生年金保険の給付額も少なくされたとした元従業員による損害賠償請求が一部認容された判例

本件損害として、被告が原告の被保険者資格を取得について届出ていれば、支払を免れ得たはずの国民年金保険料合計308 万余円、給付を受けたはずの厚生年金保険合計333 万余円を認定し、被告が厚生年金保険加入手続をしていた場合、原告が支払を要した自己負担分保険料合計254 万余を控除した386 万余円が認められた。

法が上記のとおり事業主に対して被保険者の資格取得について各保険者に対する届出を義務づけたのは(中略)当該事業所で使用される特定の労働者に対して保険給付を受ける権利を具体的に保障する目的をも有するものと解すべきであり、また、使用者たる事業主が被保険者資格を取得した個別の労働者に関してその届出をすることは、雇用契約を締結する労働者においても期待するのが通常であり、その期待は合理的なものというべきである。
これらの事情からすれば、事業主が法の要求する前記の届けを怠ることは、被保険者資格を取得した当該労働者の法益をも直接に侵害する違法なものであり、労働契約上の債務不履行をも構成するものと解すべきである。

2014年7月4日 政府発表

〝2015年から厚生年金未加入企業への調査を徹底強化する方針固めた〝

対象は株式会社などを含めた法人及び常時5人以上の従業員を使用する個人事業所(ただし一部業種で例外あり)で社会保険未加入企業

ここ数年は厚生年金に未加入の事業所数が10万前後で推移しており、厚労省は3年以内に半減を目指すとのこと
日本年金機構は年内に国税庁からデータの提供を受け、今年度内をめどにデータ照合を実施、照合が終わりしだい来年度にも未加入事業所を特定して文書や電話で加入を求めるとしています。
応じない場合は訪問指導や年金事務所への来所要請、立ち入り検査などをおこない、来年度から数年で全事業所の加入を目指すとしています。

画像



手法…

国税庁の企業の納税情報を使用する
それを年金機構が使用し、社会保険の違法未加入企業をリストアップする
国税庁と年金機構が情報共有
所得税は納めているのに年金・保険料を支払っていない事業所は約80万社、本来厚生年金に加入すべきなのに加入できていない会社員は数百万人いるとみられています。



違法未加入のペナルティーは?


年金機構が加入を指導する
指導に応じない場合には法的措置で強制加入させる

社保未加入の会社への罰則は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。さらに、行政の調査で未加入だということが判明すれば、2年間に遡って該当者全員分の保険料を支払わなくてはなりません



Ⅱ、従業員が社保加入を事業主に要望しても事業主が加入させないケース対応

被保険者資格の確認請求
被保険者自身=従業員=が直接、保険者等に対して資格取得の確認を、文書又は口頭で請求することが出来ます
行動です、年金事務所に行き「被保険者資格の確認請求」を行ってください
会社が脱法的に社会保険から抜けていても関係ありません

根拠
健康保険法51条1項、
厚生年金保険法31条1項

この手続をすると、年金事務所があなたの言い分や証拠、会社の言い分などを聞いたうえで、厚生年金の加入資格があると判断すれば、たとえ会社が認めなくても厚生年金に入ることが可能です。
厚生年金加入は、2年前まで遡ることができるので、加入が認められると、年金事務所は会社にこれまでの保険料を支払うよう請求します。

会社が年金事務所に請求されても支払わなかった場合も、年金事務所が会社財産の差押え等で対応する。




適用企業であるが加入させるべき従業員が加入してないケース

行政庁が監督等によって未届けの被保険者を発見したときには、職権で資格の確認を行うこともあります。

第五十一条 被保険者又は被保険者であった者は、いつでも、第三十九条第一項の規定による確認を請求することができる。


制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄

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