労働災害は何故昭和47年から激減したのか?  労働安全衛生法の威力を見直そう 

セミナー講義録=労働基準監督官、査察・是正勧告等の実態と対応実務セミナー

 講師 会田朋哉 元労働基準監督官 於エッサムホール

事故が起きて行政は動く…会田朋哉氏の著作「労働基準行政と労働基準監督官」については平成19年7月30日本ブログで発信したところであるが、今回は講演を聴く機会を持てた。


1、労働災害は本当に激減したか。


統計上の事実:労働災害死亡者数
昭和30年=5、050人
   36年=6、712人
   40年=6、046人
   47年 労働安全衛生法施行 
   50年=3,725人
   60年=2,572人
平成10年=1、844人
   18年=1,472人

激減の要因
①法体系の整備…昭和47年 労働安全衛生法施行
 法律上の義務主体が使用者から事業者へ
 総括安全衛生管理者制度創設による企業経営主体の責任明確化
 各種規制の強化等
②医学の進歩…特に脳挫傷への治療向上
③統計の真贋…4事故隠しもあるのでは
④製造過程の輸出…東南アジア等への生産拠点移動=これらの諸国で安全への配慮不足
⑤企業努力…労働力保全:社会的使命(社会災害の防止)

企業の安全への取り組み姿勢
上記労働力保全:社会的使命(社会災害の防止)にもとづく安全対応
①本質安全対策=お金がかかる、しかし配慮によりむしろ事故なくお金の面にも貢献
 例 南北線のホーム扉、電車ドアが開き、ホーム扉が開かなければ乗降できない安全度
②KY活動=個人の安全への努力に期待、危険予知活動、働く者同士自分を守る努力

安全への3つの観点=ものの安全、管理の安全、人の安全

労働組合は驚くほど安全衛生への取り組み、理解が不足していた。

労災事故の企業規模別
大企業は7%、ほとんどが中小零細、特に10人未満

新しい傾向
過重労働、メンタルヘルス、サービス残業

基準行政の傾向
①労働基準法根拠の刑事法→個別相談への流れ:健康管理等
②建築業を制する→第三次産業対策へ

過重労働
低賃金
労災隠し
第三次産業で50%労災
高齢社会

基準監督官の顔=行政官の顔:司法官の顔

査察

1、どの様な場合①年間業務計画による
②行政方針に基づく
③ブラックリスト
④年度更新説明会の署長あいさつにヒントあり

2、重さの違い
勧告書=軽重混合している。
使用停止命令=処分重いものだけ 重要→2重の処分がある=改善命令と同命令にそむく処分
建築業と製造業に多い   最近は商業

3、呼び出しと文書
監督官による。特に呼び出しが悪いとはではない。役所バックの作戦とか。
原則は現場で注意

法令講習
基準協会もの:監督署もの

死傷病報告は必ず:医者の診断は3分の1(3倍は通院かかる)

労働安全法100条 規則97条

司法処分=これをやって一人前→やらずに退職の監督官も
官自身も怖い処分=人生に関わる…前科がつく
告訴となればその前に検察で当人呼び支払いを履行させる

是正勧告の統計から=資料は「労働基準監督年報」
1位=労働時間に関するもの…中小零細企業に多い
    36協定、サービス残業、休憩時間の労働、割り増しとのドッキング、管理監督者
   対応=監督署は45時間をめどにチェック
2位=割り増し賃金に関するもの…時間とスライド  給料表と37条
3位=就業規則に関するもの…労働者代表の選出
4位=契約…誠に日本的

臨検の一日
まず事業所には100%違反は存在
次に全部は見れない前提
実際67%違反率
官により中身優先と数優先がある
従ってポイントを抑えて来るので、傾向と対策でポイントの把握が大切
企業として①食料品、②接客、③弱電が多い。生産性が結局は低いところに問題あり。

以上安田元監督官は官僚らしくないタイプで、小説書き、そば打ち、陶器作りの話なども幅広い趣味活動も織り交ぜながら労働基準監督行政の内幕を時に企業に厳しく詳細に、時に労働者に思いやりある温かい言葉で、午後の1時から5時過ぎまでの講義を終えた。
最後に残念だが事故が起きて行政は動くと質問に答えていられましたが、自分としては事故の起きる前に立法が動く。そう願いたいと感想を強く持った。以上講義の報告まで



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制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄


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