息子が夜11時まで毎晩残業している。疲労困憊の様子で心配で…社会保障相談室⑪

湘南ホームジャ-ナル誌5月25日号に掲載した「超長時間労働の衝撃  心の健康にも労働生産性にも良いことなし」をお読みになったある父親から相談があった。…社会保障相談室⑪


  質問(相談)

一流大学を出た息子は一流といわれている大企業に就職した。やれやれと思い、また将来が楽しみであったが、今は心配で心配でならない。毎晩11時までの残業、2時間ほど掛けて帰宅。少し寝てまた2時間かけ出勤、そして11時まで6時間程残業の毎日。体も精神も参りかけている様子で、体を注意しても「会社の同僚は皆やっている、自分だけ帰れない」と言って聞かない。どう対応すべきか。

回答

一流大学を出て、一流の企業でお仕事をされているのに、肝心の人生は、無念でしょうが期待していたような余裕ある暮らしぶりとは言えないようですね。経済上ではなく精神的にです。
人は24時間を8時間×3で過ごすよう体が神様から贈られています。やりがい・就労の8時間、就寝・健康の8時間、生きがい・人生楽しみのの8時間です。
息子さんはこの大事な人生生きがいの8時間を犠牲にして会社の為の労働道具になっているのではないでしょうか。もちろん8時間の理想通りには行くはずもありません。しかしこれを意識して少しでも週に1度でも趣味仲間や恋人と人生を語らう時間を確保しないで明日への活力も生まれるはずがありません。友との語らい:それが人生の一番良い場面ですから。

会社は従業員の月の残業が80時間、100時間を超えるような場合、過重労働で本人が健康状態等不安になり申し出がされたら、産業医の面接指導を受けさせなければなりません。

事業主には健康管理始め労働環境、条件全般について安全配慮義務が労働安全衛生法上課されており、万一従業員が健康を損ね体を壊したような際は、民法に基づく損害賠償責任も生じてきます。

超長時間労働は決して労働生産性を高めることはなくむしろ健康不安が発生すれば逆に戦力の損失になります。本人にも会社にもこのような11時まで毎晩残業を続けることは悪いことばかりです。

父親の取るべき対策

故郷を遠く離れた若い従業員が過重労働で倒れた例は多い。これは疲れた体で帰宅しても食事も入浴も自分でまた作業しなければなりません。だから碌なケアーもなしで不健康な状態が続き体が参ってしまうのです。しかし相談者の場合は自宅にご両親がいらっしゃいます。
まず食事で栄養を切らさないような工夫対策をしてあげてください。そして入浴、睡眠を取りやすい環境に整えてください。
毎晩11時まで従業員を年間を通して働かせている会社は、非人間性の人事の極地であり、このような会社に自己犠牲を続けて意味はあるのでしょうか。親として体を張っても息子さんへの説得が必要です。このままでは必ず体を壊すでしょう、体は治りますが、人生を壊してはもう戻れない重大事にもなってしまいます。

本人の取るべき道筋

仕事に生きがいを感じて張り切っている頃は良い時代です。
楽しく働くと創造性も高まり良き成果をあげれるものです。楽しい仕事は時間も早く過ぎてしまいます。そして健康にも良いのです。しかし労働も長すぎると楽しいどころか苦しみになります。毎日2時間位までにしないと集中力も途切れ良い仕事にはなりません。
今貴方は体の一番弱い部分に無理をして来たひずみが発生しているでしょう。人により内臓とか脳にこのひずみは来てしまいます。
今貴方は客観的にご自分を見ることが出来なくなって来ています。脳に栄養が行き渡らない状況なのです。休養を与え栄養を補給してください。
以前のように仕事自体が報酬と感じるように、お金を貰っても、地位を貰っても、それより貴方を生かすのは仕事自体が楽しく感じることでしょう。

会社のとるべき対応

相談者のような状況が現場にあるのに放置されていては、労働基準法、労働安全衛生法等法令に違反しています。コンプライアンスを無視して大きな損失を発生、企業の危機存亡に陥った例も多い。即刻現場の労働状況の見直しを提言します。
内部告発により監督署への通報も多くなってきています。
目先の利益優先したばかりに、大きな損害を発生させてしまい、大切な従業員を裏切り、株主を裏切り、顧客を裏切ってしまう例が枚挙にいとまがありません。残念なことです。

六本木ヒルズ族に納まって得意の絶頂にいたある業界の雄とも称された取締役社長は、想定外の大騒動に遭遇、奈落の底に突き落とされ、対策の戦略を誤り事業拡大に走り、ついに市場から撤退:会社は空中分解。従業員を大切にしなかった高価なつけを今払わされています。
一方社長自ら午後6時にもなると照明を消してしまい、従業員もアフター5を充実させる社長もいる。同じ人間でこうも違いが出てしまう。器の問題でしょうか。
企業は人なり、人材は人財なり。


制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄

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