大事故は30年間隔で起こると予測されている…失敗学を学ぶ

うまくいくより失敗:失敗を直視し積極的に学べ…それこそ創造につなげられる
主婦が救った超重大事故…JR西日本福知山線事故死者107人は奇跡でしかない

小学館発行  畑中洋太郎著  「失敗学事件簿」
講談社発行  畑中洋太郎著  「失敗学実践講義」
を読んで


多くの事故は親方日の丸的性格の会社で発生
コンプライアンスとは工学的には柔らかさ:柔軟性である。
巨大組織はしなやかさを失っている


大失敗

JR西日本福知山線事故の本質=たまたま通りかかった主婦が踏み切りの非常ボタンを押して特殊信号発光機を作動させた。それで特急近畿3号は止った。その後にも列車、そして対向の快速も。まさに数珠繋ぎだったのである。死者107人は奇跡としか言いようがない現場状況であった。第二の事故を防ぐ機械:安全運行システムは作動せず、車掌も連絡に夢中。主婦の機転に救われただけである。幸運な偶然により超重大災害が防げたのだ


大成功

中越地震の際の上越新幹線脱線事故の本質=起こるべき事故を予想した対策が発揮された成功例
JR東日本では、阪神淡路地震を経て見直しに取り掛かり、活断層に近接する高架の補修を行った。地盤が悪いところから優先した。長岡市内でとき325号は地震に遭遇脱線した。

役所の狂牛病問題調査検討委員会報告と民間みずほ銀行システム障害事故報告書の違い

役所の関わる事故報告書と民間機関の報告書であるが、大違いがある。前者が政策判断ミスなど徹底的に責任者の行動を切って捨てているが、みずほの方は準備不足と情報の滞留としか表現せず、事故原因の背景=3行統合の勢力争いが何も記載されたいなかった。
これでは従来通り変わりませんと又事故を起こしかねませんと宣言しているようなもの。
みずほの原因は目利きの人、経験豊富な人事を惜しげなくリストラ。結果大損害を受けた

新しいネット社会が隠蔽を暴く

三菱自動車連続不祥事の本質=30年に渡りリコール隠しが行われてきたが、内部告発で暴かれた。なぜ告発したか。むら意識の希薄化もあろう、しかしインターネットによる大量情報伝達手段が誘引させたのである。
内部告発の3%が反社会行為の告発とのことである。2000年にこの告発があったが2004年公益通報者保護制度を成立させた。

北の国から

2000年 雪印乳業による食中毒事件=毒素入り牛乳で13、420人罹患
2001年 雪印食品による牛肉偽装事件=輸入肉を国産と偽装、補助金搾取
雪印食品はこの事件により会社は消滅した。

他山の石:北の国の食品会社は、いったいどれほどこれらの失敗から何を学んだのだろう。

2007年  ミートホープ社による牛肉ミント偽装事件  会社は解散:全員解雇
 同年    白い恋人賞味期限改ざん事件   札幌商工会議所副会頭の石水社長辞任

失敗の法則

1、予測可能=個人原因、経営不良、社会との断絶=分析死要因を理解すれば予測可能
2、隠れる=30年間隠した例、上にも隣にも伝わらない、だからトップダウンで
3、変わりやすい=
4、330分の1=ハインリッヒの法則   致命傷を防げ

六本木ヒルズ回転ドア事故のその後
①、開業1年で10回以上回転ドアで事故が発生していた。大事故になると叫んでいたのだ。しかし省みられず6歳児童が死亡する大事故に。森ビルの安全管理不備。
②、三和シヤッター子会社田島製作所がこのドアを製作。
③、事故後森ビル、田島製作所が協力し、回転ドアを畑中氏指導により動態保存する。
④、社員の安全教育の教材、再発防止の生きた見本になる。
⑤、業務上過失致死罪が適用され有罪判決。

10数段の階段が124人の命を奪った

1956年元旦、新潟県弥彦神社初詣事故は参拝客が押し合いへし合いし、そこへ豆まきを行った結果124人が将棋倒しの犠牲になった。わずか2メートルだった。
人ごみがもたらす恐ろしさを経験則として、兵庫県明石市花火大会の事故では全く生かされてなかった。

畑中氏はエスカレーターの恐怖にも言及している。
危険感知領域の減少傾向に。
万一事故により人の流れが止まっても、下から上から容赦なく後続が来る。
最上段から最下段まで波及する恐れがある。なるべく15メートルで踊り場を設置すべきと提唱している。
果たせるかな直近に川崎駅でエスカレーターに左足親指切断事故が発生した。素足でスリッパを履いた女性が遭遇してしまった。穴に気がつかなかったものだが、一般に皆さんエスカレーターを危ないものという感覚をお持ちでないのではないか。

同じ事故が30年間隔で起きる

現代人は見かけの安全に慣らされ、危険感知領域が狭くなってしまっている。電車への駆け込み乗車、不注意なベビーカー乗車等々。このベビーカーは間違った使用に原因がありましたが、それを想定した改良により電車乗車の際有効に安全確保され出したそうです。
六本木ヒルズ回転ドア事故もその30年前、新宿住友ビルで同じような事故が発生児童が大怪我を負っていました。この教訓も30年経て風化してしまったいました。
災害は忘れた頃にやって来る。いつもこの言葉の凄さを残念だが身にしみて思い出す。


「事件簿」の方最後に小売のカリスマ鈴木敏文氏との対談があり、これがめっぽう面白い。
○買いに来た客のデータより来ない客のデータが宝の山。これから何が売れるのヒント
○今や接客の時代  セルフからお客に働きかけることで新しいニーズが見つかる
○ゼロからのスタートこそ重要、人の心理を見ること、白紙から、米国猿真似の愚
○週ごと2000人のOFCを集合させ社長が直接話す機会を持つ
○ベルトからセル方式へ=個人の遣り甲斐引き出す企業文化  人をあてにするべき


「実践講義」ラストでは、現地、現物、現人を踏まえた「共鳴力」が事故再発を防ぐ原動力となることが力説される。そして、事故という失敗からいかに学び、より安全なシステムを整備することこそ遺族の思いを昇華させる唯一の道であると結んでいる。企業の社会的責任の果たし方はここにあるのである。

告発は善――畑村洋太郎・東大名誉教授の主張

「企業や組織の中には「悪いとされていることを平然とする人種*」が3%。
逆に「不正は絶対にしない」という良識人が3%。
そして残りの94%**は「おおかたは善意で動くが時と場合によっては、ほどほどの悪いことをする」という人種に分かれると言います。

……ある組織が社会に対して失敗を隠蔽しようとウソをつき始めた場合、それは加速度的に「成長」し、最終的には司法の裁きを受け、社会的信用をなくすという大打撃を受けることになります。
ところが、組織全体(94%+3%)でウソをついている場合は、表ざたになりにくいもの。
大打撃になる前に、早めにそのウソの輪を切るためには、社内にいる一部の良識人(3%)による内部告発しかないのです」

制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄



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