金の卵に 金のプレゼント  厚生年金の44年長期加入特例制度 社会保険ミニミニ情報⑤

第5回  金の卵に 金のプレゼント  厚生年金の44年長期加入特例制度

昭和30年青森県で初めての集団就職列車が中学校を卒業したばかりの若者たちを乗せ上野駅に向け出発した。
9年後同県弘前出身の歌手井沢八郎の「あゝ上野駅」が大ヒットした。その後の日本経済を底辺で支え続けた日本各地から集団就職で上京し金の卵と言われた若者達が苦労をひと時でも忘れ、故郷や両親、弟妹を思い出す心の歌ともなった。

さて私が少し前シルバー人材センター生きがい事業団に勤務している時、あるシルバーさんと話をしている際のことです。「何か特技とか自慢出来ることはありませんか」と私が訪ねたところ「そうですね、年金が60歳になったから全額自分は出てることかな」と言う。
こういう場合資格とか得意な技能等をおっしゃる方が多いのですが、丁度世間は年金未納問題で連日大騒ぎの頃でしたので年金満額の話を出されたのでしょう。
60歳で満額、これは例の44年特例だと私はびっくりしました。

ご存知のとおり年金制度が変わり厚生年金は段階的に60歳から65歳支給に引上げられつつあります。
報酬部分が60歳からしばらくの期間は支給されるが定額部分と加給部分は自分の(昭和18年生まれ)場合62歳からだった。その報酬部分支給も引き上げられ昭和36年4月2日(女性は昭和41年4月2日)以降生まれの方は完全に65歳からの支給となる。
だがこの制度には特例があり、段階的引き上げにかかわらず報酬比例部分相当の老齢厚生年金の受給権者が、その権利を所得した当時、被保険者でなく、かつそのものの被保険者期間が44年以上であるときは、60歳から特別支給の老齢厚生年金が支給される。

中学卒業後就職し厚生年金に加入していた方々ばかりでなく最近では高校卒業就職組もこの制度の対象になって来る頃でもあるので、ご自分の厚生年金加入期間には十分注意をしておくべきです。
この特例に該当するには退職し厚生年金に加入してないことが条件ですので慎重にご判断を。

一口に44年と言っても働き続けた間には色々な事があったこととでしょうが、くじけず長期加入の御苦労に報いるこんな良い制度があったとは年金制度をあらためて見直しました。なお障害等級1、2、3級の障害厚生年金にも同様な特例がありますのでご注意を。
 

             ‥継続は力なり‥
           お問い合わせ先 090-1250-8471
金丸社会保険労務士事務所

本稿は湘南ホームジャーナル誌に平成19年2月23日号に掲載されたものです。

質問…今回は本稿に対しての質問ではなく、本ブログへの質問がA放送局社会部記者さんから届きましたので回答というか所見を述べさせていただきました。

「消えた年金記録が大きな社会問題にもなっているが、貴事務所(ブログ)にも問い合わせがありますか」

回答
消えた年金問題が政治問題化してから特にその件での問い合わせはブログ、メール、電話等で入っていません。年金記録はいわばその人の人生記録で、個々に相談ある際は、必ず忘れていた勤務実績を思い出していただきそれを年金に結びつける作業をビジネスにする。
基礎年金番号をふってこの記録を統一総括させたことは正解であった。
担当行政側のミスは許されないが、当の本人もこのような騒動になって心配するのではなく、普段から自分の年金は自分で管理する位の自律性が必要と思う。
お上任せの付和雷同型の国民制も問題である。
突然でしたので、このようなお話をその記者さんにはお話しました。

落ち着いたところで年金記録について〓加入期間〓にかかる所見を以下記載します。

平成12年3月21日 第147国会 国民福祉委員会 議事録から

●西川きよし君    神奈川県平塚市で昨年5月28日年金殺人事件が発生した。年金上どういう問題があったと考えているか。
○政府参考人     必要な加入期間を満たしてないので年金に結びつかない。高齢任意加入をそこで勧めた。加害者は納得せず、支払った保険料を返して欲しいと主張、それも出来ないと説明したところ逆上し事件に至ったと承知している。
●西川きよし君     25年300月は長いのではないか。期間不足で保険料支払いながら年金受給出来ない方は約4万にいられると聞く。どういうふうに受け止めているか。
○政府参考人     非常にお気の毒に思う。任意、第3号遡り認定など助ける工夫はしている。障害、遺族は受給に結びつく。今後広報などこの問題に取り組かなければと認識している。
●西川きよし君    長年一生懸命夜遅くまで働き納めた年金保険料、この努力が報われるよう制度は応えて欲しい、厚生大臣にお答えいただきたい。
○丹羽厚生大臣    最低25年間保険料支払っていただく、必ずしもこれは長すぎるのではないかとこう考えております。しかし年金制度というものは長い年月保険料を納め、それで老後は給付を受けるこういう仕組みをご理解いただきたい。それがなければ成り立たない、ご指摘は心優しい委員ですからよく分かりますが、ご理解をいただきたい。
●西川きよし君    この問題は何回も何十回も質問させていただいている、より良い方向に向けていただきたい。

平成11年5月28日午後2時半ごろ平塚市役所保険年金課窓口で発生した事件について、翌年の参議院でこのような質疑が交わされた。年収により免除される期間を含め49月不足から起こった事件です。
政府が回答したように年金の広報、つまり理解が根本的に見直されなければいけないことが示唆される事案と思った。
この事件を契機に私も触発されあらためて年金の専門家社会保険労務士の役割を考えることになりました。
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遅すぎる情報開示、理解と信頼を得る姿勢 諸外国に比し50年の遅

平成20年4月施行 国民年金法第14条の2 厚生年金保険法第31条の2改正に思う

被保険者に対する情報の提供
第14条の2   
社会保険庁長官は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に対する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする


この改正は,国民に年金制度を理解いただき,信頼いただかないと賦課方式であること、40年の超長期納付が必要であり、また給付も約20年にわたることなどから制度がなりたたない必要絶対条件であることを確認する改正です。
重要な改正に間違いない。
しかし、ここに来て、国民に分かりやすい形を提供しようとは驚くばかりである。
昭和36年制度のスタートから分かりやすく、理解と信頼を得ながら制度運営に努めてきたのではなかったのか。以後国家機能の最大命題社会保障の年金制度について、たゆまぬ「理解と信頼」を得る努力に努め、年金給付の商品価値を高めることにまい進してくれば、納付率減少など起こりようがなかったのではないのでしょうか。
この改正は正に遅きに失っているが(故に社会保険庁は解体の道をたどったのでしょう)今後国の関係者は国家機能最大の命題、国民の生命を守る年金制度の構築に向かい、年金の商品価値の増大と、納付の徹底を図れるよう:国民の連帯による意義ある社会保険の理念を高め、真摯に制度の理解と信頼を得るよう、情報開示に努めなければならない。

以下諸外国の年金情報提供例のほんの一端を紹介します。

スエーデン18歳からオレンジの手紙で年金見込み額通知
       個人年金含めネットでも。
ドイツ27歳以上に年1回、将来の65歳からの見込み額通知
米国25歳以上に62歳からの見込み額通知 随時も受付


先進諸外国では、年金テーマに国民投票も行われ、政権交代も起こってます。
審議会も国民参加、立候補制選挙が行われ審議委員が決められる国もあります。



それに比し、我国の国民はいかに知らされていなかったか。またお上まかせでいたか。自律性も不足した羊のようにおとなしい、付和雷同型の良き国民性でもありました?。
しかしそれは長く政府から大切な情報を知らされていない、国民に知らせない統治スタイルからの犠牲でもあるのではないでしょうか。
国民も目覚め、お上任せではなく、自律の中で立法府に対し行政府に対し国民視点での遂行姿勢に方向転換させるよう目を強めていかなければ、今回のような消えた年金記録問題はまた発生するのではないでしょうか。

世界最良の誇るべき我国の宝、健康保険制度も、某国巨大資本の影が忍び寄りつつあり、危機に直面していると言われる。
これを守るのも、守れないのも正に国民の自覚にあるのではないでしょうか。
健康保険制度と年金制度は、国民一丸となって、戦後の周りは皆貧困の中、昭和36年の輝かしい皆保険皆年金制度開始時の国家再生の気概を思い出し、絶対守り通して行きたいものである。


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