神奈川新聞社説に異議あり…65歳定年制と65歳まで継続雇用、65歳まで働くとは全く違う

平成25年3月6日神奈川新聞2面  社説 65歳定年制
働き方を見直す時代に


希望する全ての社員を65歳まで雇用することを会社側に義務づける高年齢者雇用安定法が、4月に施行される。
老齢厚生年金保険の支給開始年齢が、同月から段階的に65歳まで延長される。
定年後に無収入となる間の穴埋めを企業が負担する形となり、年金制度の失策のしわよせとの批判もある。

だが長寿社会を迎え、還暦を過ぎても働く意欲と健康を失わない社員が増えていることを考えれば「65歳定年」は時代の流れと言える。
長年蓄積したノウハウを会社に還元するメリットもあるだろう。

シニアの能力をどう生かし、現役世代との調整を図るか、多くの企業で試行が始まっている。
経団連の試算では、65歳まで継続雇用する比率が9割に達すると、企業が負担する総人件費は今後5年間で2%押し上げられると言う。
現役世代も含めた賃金体系の見直しを検討している企業もあり、内部反発もありえる。
ほとんどの企業が対応策に悩み、模索の段階にある。

会社とともにシニア世代も意識変革を求められる。
意欲と能力のあるシニア世代は今後増えてくる。
若年世代はもちろんシニア世代の再チャレンジを可能とする器を企業だけでなく、国や地域が模索することが、社会に活力をもたらすことにつながるといえよう。


…社説文中、肝心の65歳定年について何の分析:論述もない。
一言「65歳定年は時代の流れ」の部分だけである。
65歳まで継続雇用させることと、65歳定年は全く違う。
65歳定年ではほとんどの企業は破綻する。

60歳で定年退職させる。
それ以降は、嘱託とかマネージャー等色々な名称もあるようだが、純粋の無期限の正規社員でなく、社会保険や雇用保険は加入させるけれど、有期社員とし、給与はおおむね65歳時点の半額とかの待遇とし、責任も軽くする。
そして能力は現役時代と変らず発揮させる業務分担の工夫をする。
これが継続雇用のメリットであり多くの企業が採用している。
60歳定年だから可能になる。
これが65歳定年だと、前述の待遇、業務分担は全く異なってくる。

高年齢者雇用安定法は企業に全く65歳定年制を強制しているものではない。
時代の流れでも全くない。


時代の流れは60歳を超えても働く必要があるということ。
これは社説にもある通り、厚生年金保険が60歳支給から報酬比例部分も61歳~64歳、そして満65歳への段階的引き上げが始まった。2013年問題である。


引き上げも影響大であるが、もっと核心的なことは、厚生年金保険、国民年金基礎年金の受給額が低く、働かざるを得ないことが最大理由である。
社説のような働き方を見直すなど働き好き、健康志向、社会貢献とか良いこと表現がされるが、真相はお金である。生活上の要請から60歳を超えても皆働かざるを得ないのである。


文中年金制度政策の失策失敗云々もあるが、これも異なる。
支給開始年齢引き上げはむしろ遅すぎたのである。
年金制度の健全維持より票欲しさに遅らしていた福祉より政治という事情:事実があった。

昭和48年、国連人口部は「日本の高齢化」を警告した。
しかし美濃部都政、田中内閣は競って老人医療費を無料化した。
警告をジャーナリズム筆頭に、政治、行政、社会全般で無視してきた結果が現在の年金制度、介護保険、健康保険等々の維持困難を生んでしまったのだ。
むしろ保険料を引き上げなくてはいけない時期、給付額を引き下げる時期を失って何十年経ってしまった。
そういう意味では失策と逆に言えよう。


厚生年金保険は昭和61年改正で満65歳支給に変った。
それからが行政、政治、企業、従業員、家庭社会全体で準備する期間が20年以上あったのである。
規定の事実であり失策でもなんでもない。
厚生労働省記者クラブご用達記事でなく年金保険と生活の真実とあるべき姿をジャーナリズムとして発揮して欲しいものだ。



※支給開始年齢引き上げの世界的潮流


69歳=デンマーク、イタリア
68歳=英国、アイルランド、
67歳=米国、ドイツ、スペインなど8カ国
65歳=日本、韓国、カナダなど11カ国


経済協力開発機構(OECD)は11日、年金に関する報告書を公表した。
各国政府は年金システムを持続可能な制度にするため、平均寿命の延びに合わせ、年金支給年齢を遅らせる必要があると主張。
実際にこうした動きが加速しており、支給開始年齢を67歳以上に引き上げたり、引き上げを計画したりする国がOECD加盟国の約4割に当たる13カ国あるとの分析を示した。

 報告書によると、先進国では今後50年間で平均寿命は7年以上延びる。
欧州債務危機で世界経済の先行きが見通せないなか、安定した財政運営や労働力を確保するためにも、退職年齢を引き上げ、年金支給を遅らせる改革は不可欠だと訴えた。

 年金支給年齢を67歳以上に既に引き上げたり、引き上げを計画したりする13カ国に日本は入っていない。
アイスランドやノルウェーはすでに導入済みで、イタリアやデンマークは支給開始年齢を平均余命に連動させ、長期的に69歳にすることを検討している。
支給年齢を65歳に引き上げたり、引き上げようとしたりする国は17で、日本も含む。


 報告書は加盟国が過去10年に取り組んだ年金改革の結果、将来の政府の年金支払いの支出を20~25%減らせたと試算。
今から働き始める人は、公的年金だけで働いていたときのおよそ半分の額を受け取れるという。特に13カ国では公的年金に加え、私的な個人年金の加入も義務付けているため、受給額は退職前の6割になるという。

 一方、日本や米国、韓国など公的年金の額が相対的に低く、個人年金が義務化されていない国では、退職後に大きな収入の落ち込みが予想されると警告した。

 OECDのグリア事務総長は「子供や孫が適切な年金制度を享受するには、大胆な行動が求められる」と主張。「この種の改革は不人気で痛みを伴うが、高齢化時代に経済が成長するには必要不可欠だ」と訴えた。

高齢者就労意欲2008年内閣府調査} 65歳以上まで働きたい=で90%を占める

◎60歳まで=10%

◎65歳まで=19%

◎70歳まで=23%

◎75歳まで=9%

◎いつまでも=37%

※何故=意欲、社会貢献、健康もあるが、生きていくためが実相であり真相

社会保障相談室102」

質問

希望する者全員を継続雇用させなくてはいけないのか?

回答

確かに今までは基準該当はずれる者は採用させなくても良かったですが、今後は希望者全員を継続雇用させるのが原則です。
しかし、今までの基準にはずれるような、職場にいて欲しくない者は、解雇事由または退職事由に該当する者として、採用しないことが出来ますが、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意も必要です。

就業規則にそのよう者が解雇になる項目を入れておくこと。
その場合も職域開発等できる限り本人が継続就労できるような慎重の上にも慎重な且つ丁寧な事業主努力は必要です

もちろん退職後の再雇用拒否でなく解雇する場合は、更に解雇事由、注意指導記録、本人のまずい行いの経過
等詳細記録を作成しておくことが肝要です。

簡単ではありません。

では新しい全員継続雇用用就業規則案は…

就業規則改正案 第00条(定年、継続雇用)


従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した日の属する月末をもって退職とする。
ただし、本人が希望し、解雇事由または退職事由に該当しない者については、65歳まで継続雇用する。


※既に労使協定により1年後との継続雇用更新制を採用している場合(多くの企業ではその状況)は、基準のいずれかを満たさない者について、基準適用年齢まで継続雇用の経過措置が認められる。平成25年4月1日から平成28年3月31日まで61歳~平成34年4月1日から平成37年3月31日まで64歳

質問
定年で終わらせてしまった場合、つまり継続雇用させなかった時の罰則はあるのか?


回答

定年は就業規則にあればそれは問題はありません。
60歳で定年で契約が終了したものです。
しかし、高年齢者雇用安定法には違反したこととなります。

罰則として、公共職業安定所を通じて実態を調査し、必要に応じて、助言、指導、勧告、企業名の公表を行うこととなります。 更にハローワークでの求人の不受理・紹介保留、助成金の不支給等の措置を講じることにしています

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