厚生年金基金を早く脱退した方が良いのではと従業員が心配してきているが、どうでしょうか?

社会保障相談室101

質問

厚生年金基金を早く脱退した方が良いのではと従業員が心配してきているが、どうでしょうか?

回答

Ⅰ、回答の前に厚生年金基金誕生の何故?

①厚生省官僚の天下り先確保

②公的年金の給付改善を図るため、保険料を引き上げる必要があり、この負担増に経済界が猛反発。
それをなだめるための飴として、公的年金の一部を代行する厚生年金基金制度を発足させた。

当時利回りは年7~8%と公的年金の想定利回りを大幅に上回り、代行運用で、労使負担なくても企業年金独自の上乗せが可能だった。
大企業は業種を問わず競って基金を設立し、莫大な運用益を享受した。

③信託銀行が、地方の業界団体に「総合型の基金」設立を強く働きかけ、中小企業も代行部分のおこぼれに預かるべく、業界単位で総合型の基金を設立した。

④代行部分は公的年金としての性格を持ち続けるため、基金が解散した場合でも、代行部分の給付は最終的には厚生年金本体により保障される。その為解散基金は、代行部分の資産を厚生年金本体に返還する必要がある。このように公的年金と企業年金の財政責任が渾然一体となっ仕組みは、国際的にも全く例を見ない。
我が国独自の制度である

Ⅱ、基金脱退について  解散との比較

①基金の危機回避策には以下がある

☆掛け金の引き上げ

◎給付減額

▼任意脱退

■代行返上

●解散

…しかし既に各基金は掛け金引き上げし、給付額減額も行っている。もう限界だろう。
代行返上も大手は済んでいる。中小企業の総合型では非常に困難、従って任意脱退か解散しかない実情
もちろん存続もしっかり基金では問題ない。

脱退か解散か?

どちらを選択するか、一概に損得は言えない。
解散は基金全体の問題でもあるので、貴事業所単位では任意脱退の道しかない。

参考までの実例を挙げる

☆脱退、解散時の一括一時金比較
=脱退では1億3、160万円   
=解散では代行部分4200万円+運用利差損分3570万円

▼過去分代替給付必要額
=脱退では不要
=解散では1800万円

■長期化による負担の増加
=脱退では不要
=解散では4260万円

●受給者選択一時金
=脱退では不要
=解散では2040万円

合計事業所支払額
=脱退では13、160万円
=解散では15、880万円~11,910万円

※OBへの給付は脱退では継続されますが、解散では加算給付は消滅します。

◎脱退では、長期に亘って解手続きに巻き込まれず、事務の効率化が図れます。しかし解散では不払い企業の連帯債務が発生しいつ非常事態が降りかかるかの心配も大きい。この部分は法改正で連帯債務廃止の方向性が出ています。※脱退には加入員の2分の1以上の同意と代議員の3分の2以上の同意が必要です。
更に基金事務局の協力も必要です。
加入員の将来分代替え措置等考え事務局の賛意を確保してください。

法改正、一括拠出金の増減検討もあり、政策の変化もありますので、もし脱退する方向性があるなら、速やかに動いてください。善は急がれます。

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