労働環境劣化満載し発車オーライ  長距離バスの規制緩和発の行き先は…

制緩和貸切観光バスは事故や違反に労働環境劣化を満載して発車オーライ:こんな会社をどう立て直す…

本グログでは2008年3月25日このテーマで発信した。
あえて再掲する。
またもや大型バスによる大型事故が発生した。
同じ原因である。居眠り。
そして真の原因はこの業界の構造的問題にある。規制緩和による過当競争。


以下再掲 2008年3月25日

平成20年3月25日 A会東京支部研修会に参加
テーマ「貸切観光バス会社の体制つくりのために」
講師 特定社会保険労務士 B先生

1、貸切観光バス事業の現状

①規制緩和
2000年に免許制から許可制に
運賃・料金は認可制から事前届出制に

②規制緩和の趣旨
競争により良質・安価なサービス提供

③結果:実態
  競争激化により経営悪化→少ない人員による長時間労働→過労からの事故多発

④行政の指導
多数の乗客が乗車することから安全確保の指導が重要
平成14年 貸切バス監査要員=108人
平成18年         =166人
    2000年違反=20社→2007年違反=85社(4倍に)

⑤事業者数
この6年間で68%増加、10両以下事業者は82%増加

⑥輸送人員
6年間で20%増加 2005年度 3億200万人

⑦労働時間
平成16年度全労働者=年間所定外124時間
  〃   貸切バス運転手=〃 341時間
客待ち時間や渋滞時間など含まれるので他の産業と比較しても法定労働時間遵守が難しい
年間労働時間は2300時間台で推移(全産業平均=1816時間)

2、貸切観光バス会社の適正化

①社会保険・労働保険の加入

②36協定・変形労働時間制の導入

③安全配慮、健康診断の実施
  安全運転教育の徹底により事故損費を減らす
  間接損費も加えると直接損費の3倍になる。目先の利で大きな損発生
  運転者過失を賠償させる範囲は信義則上損害額の4分の1まで。
  ヒヤリハットメモが重要

④賃金規定、就業規則の見直し

⑤バス運転手の労働時間等の改善基準のポイントが厚生労働省から告示された。
    平成19年4月 12ページ建ての冊子「改善基準告示」

◎4週間を平均した1週間当たり拘束時間は原則65時間以内
  労使協定により71.5時間まで延長可

◎1日の拘束時間は13時間以内(延長は16時間限度)

◎休日は休息期間+24時間の連続した時間であること。30時間下回らない

◎1日の運転時間は2日平均9時間以内

◎4週間平均して1週間当たり40時間、連続運転時間は4時間

◎休日労働は2週間に1回

◎同時に2人乗務する場合1日の拘束時間は20時間延長可、休息は4時間可

3、運行形態

貸切バス事業の運行形態=自社扱いは22%で旅行業者扱いが78%

並行する高速バスは大阪東京間片道8000円であるがツアーバスでは3000円

安価な移動手段は利便性の向上、この値段なら出かけようという新たな需要は開拓したが、利益確保が非常に困難、運転手確保も難しい現状、結果過労が常態化

観光バス事業者への行政指導は強まったが、旅行代理店への指導がまだ弱いことも問題点。代理店への指導強化が望まれている。
貸切バス業者と代理店間は商取引の範疇で自由経済の世界。現状は法的拘束力のない通達にとどまっている。

ツアーバスは道路上での乗客乗り降りであり、安全性、利便性の上で大型駐車場の確保が要請されている。高速バスは停留所1本に厳格な許認可ある。
区域外輸送の現実=区域外規制の撤廃も必要。

…2006年、労働基準監督署から長時間労働改善指導を受けている最中の会社あづみ野観光バスは2007年大阪で27人死傷事故を起した。
長時間労働からの居眠り運転が原因だった。


4、労働時間効率化のヒント

労働時間の正味3分の1原則論=真摯の労働時間が33%、付随した時間が33%、その他の時間(労働外)が実に34%で100%となる。
このうち付随の33から3を実労働に回す、そしてその他の34から4を実労働に回す=すると実労働は40%になる。先の33からは2割増しとなる。この2割がものすごい効果を発揮する。
中日は日本一になったが、巨人ほどお金をかけた補強は行っていない。落合監督は10%各選手がアップさえすれば勝てるとの信念で選手を鍛え、選手もこれに応えた。

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