賞与の特別保険料は年金額に反映しなかったの?  賞与と残業代どっちが大事?

社会保障相談室83

質問

賞与の社会保険料とは?
厚生年金保険料が毎月給料から控除されています。
同じように賞与からも控除されていますが、以前は控除されてなかった、それから1%が控除されるようななったと先輩に聞きました。
給料が標準報酬として区分けされ保険料が決まり、年金額にも反映されているのは分かりますが、賞与はどう反映されるのでしょうか。
特に以前1%控除されていた期間はどう年金額に反映されるのでしょうか。全く反映されないのでしょうか?


回答

賞与の社会保険料徴収歴

平成7年前=賞与から社会保険料は全く徴収していなかった、だから年金にも反映するわけなかった

平成7年から平成15年3月まで=賞与から特別保険料として1,000分の10が徴収された。
でもこれも年金額に反映させなかった。

平成15年4月から=総報酬制度が導入され賞与からも標準賞与額に一般保険料率と同率の保険料を乗じて徴収することとなった。
ここからは年金額に反映するようになった


特別保険料については年金への反映はされません。
従って年金定期便の標準報酬と保険料欄には特別保険料の記載は全くありません。
個々の保険料記録がないからです。


賞与時の特別保険料については、H15.4の「総報酬制」導入まで、「保険料率が通常より低い代わり、年金受給額に反映されない保険料」として取り扱われてきました。

事業所で賞与額を届出する時も、事業所として支払った総額と支給した人数を届け出る形でしたので、個々の賞与がいくら支払われたかはわからない状態のため、カウントしようにもできないわけです。
そのため、ねんきん定期便でも、総報酬制導入前に支払われた賞与は記入されないのです。

厚生労働省ホームページから…

問30-1
厚生年金保険の標準報酬月額の月別状況に、平成15年4月より前の賞与の記録が漏れているのはなぜですか。

A30-1

 平成15年4月より「総報酬制」が導入され、賞与等も年金額計算の基礎とすることとなったため、平成15年4月以降の賞与等については「標準報酬月額の月別状況」に「標準賞与額」として記載しております。

 なお、平成7年4月から平成15年3月までの間も、賞与等から「特別保険料 ※」をご負担いただいておりましたが、特別保険料は年金額計算の基礎とはならない(標準賞与にはならない)ため、「標準報酬月額の月別状況」には記載しておりません。
特別保険料…賞与等の額(100円未満切り捨て)に対し、10/1000(原則、 事業主と被保険者の折半)の保険料をご負担いただいて おりました。



特別保険料から総報酬制度への変更は何故?

総報酬制度(賞与からも社会保険料を給与と同じように控除するようになった)が出来た理由は、月額給与を抑え賞与額を多くして年収入額は同じとししますが、月額の保険料負担を抑える企業があるためにその防止策のためでもあったのです。

鈴木花子さん賞与なし月給50万円年収600万円
佐藤梅子さん賞与年2回計108万円月給41万円年収600万円

年金への反映
特別保険料の時代まで鈴木さんは月給合計600万円は全て反映
佐藤さんは賞与100万円は全く反映せず、月給41万円の計492万円が反映
二人の差は108万円、「賞与時の特別保険料は年金額に反映されない」効果はこうです。
賞与を年金への反映させる総報酬制度にあなたは賛成ですか反対ですか。


現在

賞与を支払う時、毎月の給与から控除するのと同じように控除します。

会社が年3回以下の賞与を支払った場合の届出

社会保険事務所に「賞与支払届総括表」「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」を、賞与の支払日から5日以内に提出。
手続きに必要な用紙は、賞与支払月をあらかじめ登録しておくと、支払月の前月までに、被保険者の氏名等のデータが印字された届出用紙が送付されます。
 予定していた賞与支払月に、賞与の支払がなかった場合でも、総括表に不支給の旨を
記入し届け出る必要があります。

「賞与を支給しなかったかんだから、届け出もしなくていいだろう。」と安心していると、
賞与支払予定月の翌々月には催告状が送付されてしまいます。

標準賞与額とは
 対象となる賞与の1,000円未満を切り捨てた額
 【上限⇒健 康 保 険 :1年度累計で540万円、
      厚生年金保険 :1ヶ月につき150万円(同じ月に2回以上支給された時は合算額)】
のことをいいます。

 対象となる賞与は、賞与、期末手当、決算手当など、その名称を問わず、社員が労働の
対償として3ヶ月を超える期間ごとに(年3回以下)支給されるものをいい



残業代と賞与どっちが大事?

残業代は支払っていないが、毎年賞与は出している…
こんな会社は、今すぐ定期賞与の支払いを止めて(又は減額して)、その賃金原資を残業代として支払うべきです。

社員に賃金を支払う事業主側から見ると、賃金を“残業代”として支払っても“賞与”として支払っても、「名目が違うだけで同じじゃないか」と思われるかも知れませんが→
→残業代は労働基準法で会社に支払いが義務付けられた賃金ですが、賞与はそうではありません。

賞与は法的にはなんら支給すべき拘束はありません。
社内的に就業規則や給与規程に支給が明示されていた場合にのみ支給しなければならないものです。
また、賞与は社会保険料の徴収対象ですが、残業代などの変動給の増加は社会保険料の月変対象にはなりません。固定給だけが変動対象です。

毎年2回賞与を支給している会社が、労働基準監督署から残業代不払いの是正勧告を受ける。
これでは経営者失格です。

制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄


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