社会保険庁最後の奮闘…クリスマスプレゼントになるか年金受給資格不足者への確認通知発送さる

クリスマスプレゼントになるか年金受給資格不足者への確認通知発送さる

1、クリスマス文書

社会保険庁運営サービス部サービス推進課と年金保険課から各地方社会保険事務局長あて以下の文書が発信された。

年金の加入期間に関するお知らせの送付について

年金保険料の納付と免除期間を合算し25年300月に満たない者に係る実態調査の実施について平成21年5月20日庁文発第0520023号に基づき、25年に満たない者に「年金の加入期間に関するお知らせ」を送付し、自身の加入期間を確認していただき、合算対象期間有無確認と任意加入制度の周知を図りたく各社会保険事務所での年金相談への対応をよろしくお願いいたします。

送付対象

25年300月の受給資格期間を満たさない満63歳以上の方

発送時期

平成21年12月18日から分割発送

親展 000様  
「あなた様の年金の加入期間に関するおしらせ…ぜひお読みください」
差出人  社会保険業務センター


平成21年00月00日現在の年金加入期間
①厚生年金保険加入期間                00月
②船員保険加入期間
③国民年金納付済み期間                00月
④~⑧免除期間:全額、半額、学生納付特例期間等
⑨共済組合等加入期間
年金加入期間合計                   000月

裏面に合算対象期間の説明が細かく2ページ続く。
「300月」という年金受給資格必要期間に不足する部分を、この合算対象期間でカバー出来ますよとの周知である。ほとんどの人はこの合算対象期間が記録欄から抜けているので大慌てでこんなはずでない。前にカラ期間があるので年金は受けられると聞いていた。
それなのにこの記録では250月となってこれでは受けられないと真っ青で来られる。

2、現場対応

…この通知を受けた方々が大勢社会保険事務所に来られる。12月25日金曜日の現場。社会保険事務所はあと数日で廃止される。最後の奮闘である。

①75歳を優に超えた女性

 通知には「10月程の厚生年金記録だけで国民年金記録なし」
 つまり約290月不足であった。
 この方をどう期間満たせるか調査を開始:奮闘
 他の厚生年金記録:国民年金記録は全くないこと本人確認
会社勤務歴なく国民年金保険料納付記憶が全然ない申し出
 夫の厚生年金加入期間と対応した妻のカラ期間確認
=夫の数箇所勤務による妻のカラ期間28余月確認された
しかし妻自身の厚生年金期間と合算しても29余月となって余カ月不足  
事務所内ベテラン専門官等ミニカンファレンスし法制度見直し救済手段模索すれど無理を確認す。余月不足で年金が出ないこととなる。クリスマスプレゼントならず。
  こういう場合昭和16年4月1日前生まれの方なら、年金受給権なしと引き換えに厚生年金脱退手当金が支給されるがこれも厚生記録5年以上の制限あり該当しなかった。

②60歳代前半の女性

 通知には「厚生年金期間30月、国民年金期間230月」 不足40月
従って60歳の時社保庁からターンアラウンド様式の国民年金厚生年金老齢給付請求書が送られてこなかった方=こういう方は自分で水色の様式101号をもって請求する。

作戦1、カラ期間=結婚は昭和50年代始めで61年まで10年間超え、夫も厚生年金加入しておりカラ期間はOK。
作戦2、脱退手当金=金融関係にご自身が5年近く勤務しその期間が脱退手当金で処理ありこれも活用出来る
作戦3、国民年金任意加入=60歳以降不足する40月分を満たすべく任意に加入出来る
作戦4、厚生年金ある事業所に勤務し厚生年金で不足分40月を満たす
以上を説明する。本人は作戦3及び4は採用出来ない、年金を増加するには良いが経済状況、健康状況からやむなしとのこと、むしろ作戦1か作戦2を使い受給期間満たしたら即国民年金老齢基礎年金を繰り上げしたい意向あり。
結果脱退期間を活用し一部カラ期間で満たすこととする。

◎その際重要な事項発見
 脱退手当金で処理されていが、後に厚生年金期間が連続しており、こういう場合脱退手当期間は連続した期間が終了してから該当することとなっており、脱退期間を貰った期間と貰わない期間が不連続はありえないとのこと。従ってこの方については脱退手当期間を修正取り消しし脱退期間でない生きた厚生年金期間として生まれ変わった。本人に責任はなく社保庁の事務処理ミスであり、過誤返還金も時効となっている。
最高のクリスマスプレゼントとなった。

③…亡き父親の年金記録の件で60歳代の息子さんが来所.社保庁からの文書持参。

特別便で終戦直後の年金記録が判明した。それを統合し再裁定した。
しかし逆にこれを契機に「旧法では在職老齢年金制度はなく、年金受給中勤務し厚生年金加入したので厚生年金は即失権することとなっていた」にもかかわらず、父親の年金については社保庁が間違って失権させず支給を続けていた。
それで正しい処置手続きを今からしなければならない。
失権するのは勤務していた昭和5余年から5余年まで。これは返済する部分、でも時効で返却はないことになる。
昭和5余年からは退職されたので厚生年金は再度請求して受給したこととなる。
そこでこの5余年に戻って請求を行ったことにして欲しい旨の文書であった。これらの経過を来所された息子さんに説明する。
様式194号「厚生年金保険通算老齢年金請求書(旧法)」をお渡しする。
  妻の遺族年金の額も変化することとなる。見つかって再裁定したプラス部分と失権部分のマイナスは相殺される旨説明。
クリスマスプレゼントになるかどうか。微妙であった。 

◎ 5000万件の年金記録を探して本人に返すのは当然であるが、実際の局面では本件のようにかえって過去の処理をほじくり返してマイナスになる場合もあった。
中高齢20年みなしで計算されている方が見つかった記録を元に真の計算をすると低額になってしまうケースなど年金実務の難しい例も過去あった。

制作発信 社会保障・安全衛生コンシェルジェ 特定社会保険労務士 金丸亜紀雄



 ④昭和19年生まれは今年65歳になる。その世代の女性。

  通知には国民年金3余月。厚生年金17余月」 
  不足10余月である。現在厚生年金加入中。
記録を良く見ると厚生年金は全て35歳以上の年齢になってからの記録。
厚生年金には女性は35歳、男性40歳からの記録に対し中高年の特例があり、昭和26年生まれ以前者は、受給資格が25年300月でなく19年~15年となる。
昭和22年4月1日生まれ者は厚生年金期間15年180月で良い。従ってこの方はあと数月記録が伸びれば年金が受給出来る。その確認に来所の由。
間違いなく特例が使えること伝える。しかし65歳になり体がきついとのこと。
健康に留意しあと数月、がんばるよう励ます。クリスマスプレゼントは数月後。
⑤男性 60歳代前半者 通知には「国年150余月、厚生5余月」 不足9余月
 この日厚生記録が5余月見つかり、あと4余月不足まで追いつく。65歳まで任意に加入するとのこと。見つかった記録はクリスマスプレゼントになったが本当のプレゼントは任意の役割が終了したときまでお預けとなった。

⑥女性 通知には「厚生記録25余月」不足4余月。この方も脱退手当金期間が6余月確認され請求手続き助言。

⑦大正15年生まれ男性の件で妻来所。
記録正常を確認
 この記録がすごい。
 厚生年金保険が労働者年金保険法としてスタートした昭和17年6月1日その日から加入され、最後は平成余年まで実に58余月。440月長期特例どころでないロングラン。
今迄相談した人々の中で最高の長い記録だった。
16歳から勤務し、終戦直後数月空いただけで65歳まで厚生年金加入記録が続いいていた。平成余年に資格喪失されたが本人は70歳近くまで勤務されていた由。当時65歳までが厚生年金加入可能と法律上なっていた。
平成14年4月1日から70歳まで被保険者期間は引き上げられた。(厚生年金保険法第9条)
 正に超人の記録であった。奥様の受ける遺族厚生年金の額は生涯最高のプレゼントであり続けでしょう。見たことのない額であった。
 

年金記録確認通知は、このように様々な人生模様とともに記録の確認が悲喜こもごも。
しっかり人生を歩んだ来た方々へプレゼントとなるよう頼れる年金でありたいものだ。

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