失業給付と年金の両方貰える…場合もある

社会保障相談室78

質問

失業手当と年金は両方貰えないと聞いていました。
しかしわが社の退職仲間で両方受給している方がいます。
私は金額を確認し失業手当だけです。皆そのようですが、何故両方受給できる方がいるのですか?

回答

失業手当と年金の関係については当ブログでも2007年7月27日付けで発信したところですが、再度概略を解説します。

1、平成10年の雇用保険法改正により両方受給出来なくなった…


平成10年の改正までは60歳で会社を定年後雇用保険の基本手当(失業したときに再就職までの生活保障として受給できる給付)を受給しながら老齢厚生年金(ただしくは特別支給の老齢厚生年金)を受給できました。

すなわち、2つとも受給できたのです。
しかし、平成10年4月以降はできなくなりました。
基本手当が優先されます。
老後の所得保障である老齢厚生年金と再就職の意志をもった人への生活保障、趣旨の違う保障を同時に受給するのはおかしい考え方からです。

2、選択なら失業手当が高い傾向…

どちらが多額:一般的には基本手当の方が高いと思います。
それは一生の稼ぎ額平均が計算基礎の年金に対し、基本手当は退職直前の給与が基礎になるからです。

ぜひ両方の額を、職安と社会保険事務所へ行き額の確認をしてください。

3、税対応

なお、基本手当は非課税、厚生年金は課税扱いです。
翌年の所得税、住民税が大いに違います。
総合的な判断が必要です。この場面でも非課税の位置づけは大きいですね。

4、両方受給出来るレアケース:66歳直前の退職の場合には

失業手当(基本手当)を受ける時点で65歳に達していると、60歳代後半の年金と失業給付は調整されず両方支給される。
ですから退職の仕方としては、65歳の誕生日2日前までに辞めれば、64歳の退職となり、最高150日の基本手当が受けられる。


あなたの友人は、退職は64歳の時ですが、失業手当の申請を65歳になってから行った。
失業手当の時効は1年間ですから64歳であえてか知らずにか分かりませんがとにかく職安に行かず、65歳になってから申請したのですね。

すると「退職は64歳ですから失業手当を受給出来、現在65歳ですから年金は満額受給出来るものです」これが65歳退職なら手当制度はなきなり一時金となる。
勿論年金と合わせて受給となります。でも一時金ですので後述しますが最高50日分。さりとて64歳退職で即失業手当を申請してしまえば年金は支給停止となってしまいます。

64歳退職=55歳失業手当(基本手当という)受給最高150日:年金は支給停止
65歳退職=失業一時金(高年齢求職者給付金という)最高50日分受給:年金は満額支給


64歳退職、65歳になり失業手当受給=年金は65歳なので満額受給となる

…失業手当は時効1年あるので65歳になって受給する作戦が功を奏する(64歳は年金支給停止、65歳は満額)
64歳までの年金と、65歳からの年金は別な年金であることからこのようなことが発生する。
(特別支給の老齢厚生年金):(本来の老齢厚生年金)


年金が支給停止となる期間は、求職の申込みを行った日の翌月から失業給付の受給期間が終了した月または所定給付日数分の支給が終了した月までです。
 この調整が行われるのは、特別支給の老齢厚生年金(65歳未満の老齢厚生年金)と失業給付(基本手当)となります。
 したがって、失業給付(基本手当)を受給中に65歳に到達した場合は、その翌月から支給の調整は行われませんので、年金は全額支給されることになります。

 なお、この支給停止期間の中で「失業給付を受けたとみなされる日」や「これに準ずる日(「待期期間」「給付制限期間」等)が1日もない月がある場合は、その月は老齢厚生年金が支給されます。

 また、失業給付(基本手当)の受給が終了した時点で、次の式で計算した結果が1以上であるときは、その月数分の老齢厚生年金の支給停止が解除となります。
 支給停止解月数=年金停止月数-(失業給付の支給対象日数/30)
 失業給付(基本手当)も年金も両方受け取るには、65歳に到達する前(おおよそ3ヶ月前くらいから65歳の誕生日の前日までの間)に退職をするのがよいでしょう。

 例えば10月10日に65歳になる方が、7月15日に自己都合退職し、7月に求職の申込みを行うと、年金は8月から支給停止となります。
自己都合退職のため失業給付は3ヶ月の給付制限があり、実際の支給は10月となります。
その間(8.9月)の年金は後に支給停止が解除されることになります。
そして、10月に65歳に到達するため10月分の年金より、失業手当との調整が行われなくなります。
 したがって、このようなケースの場合は、失業給付も年金もまるまる受けることができます。
 なお、65歳以降に退職する場合は、失業給付は高年齢求職者給付金という一時金となりますが、この場合は、年金との調整はありません。

5、65歳以降の退職と失業手当

○65歳以上の方が退職した場合=
失業手当は支給されず、一時金(高年齢求職者給付金)が支給されます。
一時金の額は、離職の日以前の被保険者期間により、算定基礎期間が1年以上なら基本手当の日額の50日分、1年未満なら30日分となります。

●65歳以上の方の雇用保険について
(1)65歳に達した日以後に雇用されるものは雇用保険の適用から除外されます。
(2)65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用される者は高年齢継続被保険者となる。

※4月1日において満64歳以上の高年齢労働者を免除対象高年齢労働者と言い、雇用保険料について労使とも負担が免除される。

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