国民年金生みの苦労、育ての苦労を知ってから年金行政批判を…国民年金の歴史を社労士大先輩が語った

6月23日(火)平塚市中央公民館にて神奈川県社会保険労務士会西湘ブロック年金研究会が開催された。当日の研修報告

テーマ  国民年金の歴史

講師   社会保険労務士 渡辺俊之先生(ミスター歩く国民年金

渡辺先生=川崎市に勤務された先生の最初で生涯の担当業務が年金だった。
市役所就職試験面接で市の仕事で何が興味あると質問され「始まったばかりの国民年金など興味あります」これで先生の生涯仕事が決まった。
「国民年金が歩いている」と言われる渡辺先生は70歳超えとは見えない位あらゆる世間の事象に詳しい。
駄洒落、機知:ユーモラスに富む。
この日も国民年金の歴史を愛着一杯にお話になった。
ジャーナリズム、政治家などから年金が、社会保険庁が、年金関係者が悪者になっているが、長い年金の歴史と歩みには多くの関係者が懸命必死に努力されて来ていることを力説された。

ハイライトは…

平成14年4月1日から、国民年金法第92条改正があり、保険料徴収事務を市町村から国が一元的に実施することになった。
それまで国民年金は国民年金印紙を被保険者が購入し、その印紙を国民年金手帳に貼り付け、住所地の区市町村長の検印を受け、納付を確認うする方法が採られていた。
国民年金担当課には徴収員が配属されていた。自転車で「これから年金保険料もらいに行きますよ」と声を掛け徴収していた。

この徴収は市町村が功を争った。各市町村で創意工夫もされた。
言わば毛細血管の働きだった。

以下市町村での収入印紙による徴収を概観する

国民年金印紙の売りさばきに関する省令
(昭和三十六年四月十二日厚生省令第十五号)
最終改正年月日:平成12年10月20日厚生省令第一二七号


国民年金法(昭和34年法律第百四十一号)第百十条及び印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和23三年法律第百四十二号)第三条第二項の規定に基づき、国民年金印紙の売りさばきに関する省令を次のように定める。

(売りさばき業務の委託)
第一条
 厚生労働大臣は、国民年金印紙(以下「印紙」という。)の売りさばきに関する業務を市町村(特別区を含む。以下同じ。)に委託することができる。
(申込み)
第二条
 市町村は、印紙の売りさばきに関する業務を行なおうとするときは、国民年金印紙売りさばき人申込書(様式第一号)を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(通知)
第三条
 厚生労働大臣は、前条の規定による申込書を受理したときは、国民年金印紙売りさばき業務委託通知書(様式第二号)を当該市町村に送付するものとする。

○平成14年一大転機
保険料徴収が市町村から国に…これが地方分権か…


国民年金法に基づく市町村長の機関委任事務
 市町村における社会保険関係事務である国民年金法に基づく市町村長の機関委任事務については、①市町村における国民年金保険料の徴収手続の実態が印紙による収納手続ではなくなっているにもかかわらず、形式的には依然として印紙による収納手続が維持されていること、

②現況届に伴う受給者の生存証明は、受給者である高齢者本人にとって負担であるばかりか、市町村の事務量も大きいこと、

③被保険者からの資格取得の届出が市町村の窓口でなされた後、社会保険事務所への報告、社会保険事務所が作成した年金手帳の受領、受領した年金手帳の被保険者への交付など市町村における年金手帳の交付に伴う事務手続が繁雑なこと、さらに

④法令上の位置づけが不明確なまま、未適用者に対するいわゆる適用促進事務、現年度保険料の納付案内書の送付の事務等が行われている等の問題もあり、市町村の定員管理にとっても大きな負担となっているため(職員数約12,000人、他に専任徴収員約2,000人)、平成11年度に行われる予定の年金制度改革の際に、個人情報保護及び市町村事務の簡素効率化に十分配慮し、次のとおり見直すこととする。

① 現在市町村において行われている国民年金印紙の検認の事務及びこれに伴う現年度保険料の納付案内書の送付の事務は廃止する。

② 国民年金手帳及び年金証書は国が直接被保険者に交付することとし、市町村の交付事務は廃止する

③ 年金受給者の現況届に係る市町村の生存証明事務は廃止する。

④ 現在市町村において行われている未適用者に対するいわゆる適用促進事務は、国における20歳到達者を把握するための仕組みの検討を踏まえ、廃止する。

⑤ 被保険者、受給権者等から資格の取得及び喪失並びに種別の変更等、任意脱退、任意加入、老齢基礎年金等を受ける権利の裁定、障害基礎年金の額の改定、保険料の免除等に関する届出、承認の申請、申出、請求、申請等を受理し、これらに係る事実を審査する事務(国民年金法12条、105条、同法施行令2条)等は、市町村の法定受託事務とする。(メルクマール(7))
 なお、これらの事務については、できる限り市町村の事務負担を軽減する方向で見直すこととする。

国民年金印紙の売りさばきに関する省令を廃止する省令
(平成十四年三月二十六日厚生労働省令第三十三号)


 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第八十七号)の一部の施行に伴い、国民年金印紙の売りさばきに関する省令を廃止する省令を次のように定める。

 国民年金印紙の売りさばきに関する省令(昭和三十六年厚生省令第十五号)は、廃止する。
昭和三六年四月から保険料納付が始まつた拠出制国民年金にとつては、この一年はまさに嵐の一年であつたといつてよい。

昭和36年貧しさから生まれた究極の助け合い=国民年金歴史談

1 35年7月に全市町村において、全住民を対象として行なつた世帯調査の結果によれば、拠出制国民年金の強制適用を受ける者の数は、全国で、2、204万9,305人、任意加入の意思表示をした者の数は259万4、531人で、合計2、464万3、836人となつたが、実際一10月から適用届が始まつても、これだけの多人数を一定の行政のルートにのせることはなかなか容易でなかつた。

厚生年金保険制度や共済組合制度のように職場を通して被保険者をは握できない国民年金制度にとつて、一人一人の被保険者を追求していくには、なによりもまず市町村の努力が必要なのであるが、適用開始時期がたまたま総選挙の時期にあたり、あるいは、農繁期とからみ、じゆうぶんな広報活動ができなかつたため、適用実績は当初のうちは著しく低調であることを免れがたかつた。

これに加えて、三五年夏ごろからの社会党、総評、社会保障推進協議会を中心とする拠出制国民年金の実施に対する反対または実施延期の運動は、給付額が低すぎること、保険料が高すぎること、拠出期間が長きに失することなどをあげて、適用開始時期を中心に激しい動きを示し、大都市においては、地域住民が地域行政とのつながりをほとんど失つていることとからみあつて、ことに激しく、制度の実施に暗い影を投げかけた。

適用業務は、こうした困難な事態を乗り越えて続けられてきた。
その結果、本年四月の完全実施に際しては、強制適用者数は、1、502万70人、任意適用者数は217万4、827人にのぼり、その後も少しずつ伸びており、まずまず順調な発足をみた。

もちろん、いまだ相当数の人々が適用届を提出していないことを見のがすわけにはいかない。
全国民をあげての制度に対する協力と理解が必要なことはいうまでもないが、適用業務にたずさわる各種行政機関の一層の努力が望まれるわけである。適用促進における最も大きな問題として、大都市における適用問題がある。36年9月30日現在の六大都市における適用状況は、第二-六表のとおりかなり低調で今後一層の向上が特に期待されている。

適用業務の困難さが、いわば「生みの苦しみ」であるとすれば、保険料納付業務の困難さは、「育ての苦しみ」といつてよいであろう。

拠出制国民年金には、被用者年金のように事業所で保険料にあたる金額を給与の中から差し引くというやり方は到底期待できない。
一人一人の被保険者を追求していつて保険料を納付してもらわなければならない。
これに要する業務量なり、経費というものは、膨大なものにならざるをえない。拠出制国民年金は、このために一つの制度を作りだした。

すなわち、保険料を印紙で納付するという方式である。
国は、市町村あるいは国民年金印紙売りさばき人に印紙を売り渡し、市町村あるいは国民年金印紙売りさばき人は、さらに被保険者にこれを売り渡す。

被保険者は、前もつて交付されていた国民年金手帳の所定の欄に印紙をちよう付して、納期(一月、四月、七月、一〇月)までに市町村に提出し、印紙の検認を受け、はじめて保険料を納付したことになるというやり方である。
印紙の市町村に対する売りさばき状況は、36年9月現在でおよそ六四億円に上り、おおむね順調な推移をみせている。

買い受け資金の関係上延納措置をとらなければならない市町村については、このための措置が講ぜられており、延納総額は、36年9月現在では、7億円近くに上つているが、問題は、市町村あるいは国民年金印紙売りさばき人が個々の被保険者に対してどの程度印紙を売りさばき、検認を行なつているかということである。制度発足当初のことであり正確な数字はつかみ難いが、相当の困難さを伴うものであるということは予想するにかたくない。

しかし、七月末現在の国民年金特別会計の歳入実績をながめてみると印紙売りさばき収入五七億三、〇〇〇万円、前納保険料六億九、〇〇〇万円、合計六四億二、〇〇〇万円で、三六年度の予算額二三一億円に対し、二七・八%の比率を示しており、他の公租公課の徴収状況に比べて決してみおとりするものではなく、おおむね順調に推移しているものと思われる。

適用事務は、いわば一回限りの仕事であるが、保険料収納事務は限りなくくりかえされる仕事である。
仕事の流れを止めないためには、単に被保険者の善意と理解にまつているだけではじゆうぶんでない。
日常生活の合い間をぬつて市町村役場にきて印紙を買い、検認してもらうことの煩わしさが、とかく保険料の納入を渋りがちにすることはだれにでも容易に想像できるだろう。

こうした不便さを解決することが、保険料収納状況の向上をもたらすかぎとなるのである。
現在、全国の市町村では、いろいろの納付組織を育成し、被保険者の煩わしさを取り除こうとしている。
七月末現在二一万五、九三六(組織加入被保険者数九五二万四、六七三名)の納付組織が全国で整備されている。このうち最も多いのが納税組合または納税貯蓄組合を利用するものであり、次には、婦人会、未亡人会、青年団に集金を委託する方法が多い。

町内会、部落会、自治会、区長といつた市町村の最小行政単位を利用する方法も少なくないが、新たに国民年金保険料納入のための組合を作つた市町村もある。このほか、民生委員、国民年金委員を利用したり、農協を利用する場合がある。こうした民間組織による保険料納付の促進活動をさらに推進するため、大多数の市町村で奨励的な意味での交付金、補助金などを出しているが、国としてもその育成対策を一段と強化する必要
国民年金印紙(こくみんねんきんいんし)は、国民年金の保険料の納付に使用されていた印紙。

平成14年3月31日以前、国民年金法(昭和34年法律141号)は、その第92条で、
1.保険料を納期限前に納付するには、厚生労働省令で定める場合を除いて、国民年金印紙による納付の方法によらなければならない。四月から翌年の二月までの各月の保険料を納期限の経過後における最初の四月三十日までの間に納付するときも、同様とする。
2.略
3.国民年金印紙による保険料の納付は、国民年金手帳の所定欄に国民年金印紙をはり付け、これを市町村長に提出し、その検認を受けることによつて、行うものとする。
4.略
と規定し、国民年金印紙が発行されていた。国民年金印紙の形式(昭和52年大蔵省告示20号)では、10円、100円、1,000円、5,000円、1万円、5万円、10万円、50万円、100万円、200万円の10種類が定められていた。地方分権一括法により国民年金印紙による納付制度は廃止され、使用されなくなった。

国民年金印紙
 国民年金の保険料は、「国民年金印紙」を被保険者が購入し、その印紙を国民年金手帳に貼り付け、住所地の区市町村長の検印を受けて、納付を確認してもらう方法が、とられていました。
しかし、昭和45年頃から、区市町村の発行する「納付書」で、金融機関から納付する形式に変わってきました。区市町村では、前月に、被保険者が納付した分の「国民年金印紙」を社会保険事務所から購入し、「検認台紙」に貼り付け、検認を行うことになります。これにより、被保険者が印紙を購入するのと、同じように保険料が国庫に納入されることになります。
ただし、翌年度の5月1日以降は、この印紙による方法で保険料を納付することができなくなります。その後、2年の時効期限以内であれば、直接、国庫に納付書で納付することができます。
【国民年金法 第92条第1項~第3項】
 
国民年金印紙売捌手数料

厚生大臣と区市町村との委託契約に基づいて、被保険者に国民年金印紙を売りさばくための経費を手数料として、支払われています。
「印紙売りさばき手数料」は、引き渡した印紙にかかる代金が、納付された後、社会保険事務所の資金前渡官吏から区市町村の収入役に対して、支払われます。
区市町村においては、保険料を徴収するための経費をこの手数料収入をもって当てる。納付書等の作成・送付、口座振替の取扱い手数料等の経費を賄うものです。
【国民年金法 第92条第3項、
国民年金法施行規則 第69条の2】


神奈川県社会保険労務士会西湘ブロック年金研究会

社会保険保険労務士会平塚支部及び小田原支部のメンバー63名から構成されている。
県会の実施する年金相談員研修を履行すれば加入出来る。
資質向上、相談業務実施を目的とする。月1回研修会を実施するハード軍団。年会費2,000円。




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