孤独死ゼロ作戦の団地に起った痛ましい乳幼児3名焼死事件

高齢者孤独死ゼロ作戦の団地に起った乳幼児3名焼死事件

いつ、どこで、何が…その1

平成21年、正月気分がようやく覚めた1月6日午後4時頃、
千葉県松戸市の常盤平公団住宅で母子家庭Tさん宅から出火。
焼け跡から長男4歳、次男3歳、長女6カ月の3人の子どもの遺体が発見された。
現場は4階建ての共同住宅4階。
3人の乳幼児を家に残し、母親は男友達とパチンコに出かけていた留守中の惨事だった。

いつ、どこで、何が…その2

平成12年10月、千葉県松戸市の常盤平公団住宅で一人暮らしの59歳の男性が白骨死体で発見された。
死後3年たっていた。
死後も3年間、家賃、電気水道料は預金通帳から順調に(?)自動引き落とされ続いていた。
預金残高がなくなり滞納した家賃催促が発見のきっかけだった。
家賃だけでも3年間で約300万円引かれ続けられていた。
近所の話では「部屋はいつも夜も昼も電気が点いていた」「お声をかけてもずっと出てこなかった」とのことであった。

いつ、どこで、何が…その3

平成14年5月、千葉県松戸市常盤平公団住宅でひとり暮らし50歳の男性が亡くなっていたのが発見された。
向かいの方、お隣、階下の住人から変な臭いがする、ベランダに蝿はいっぱいととまっているなどの通報が相次いであったことが孤独死発見のきっかけだった。


4、高齢者孤独死事件と常盤平団地の対応

常盤平団地での連続孤独死事件は大きく世間を騒がした。
当時はまだ高齢者の一人住まい問題、それから発生する孤独死は日本中でも社会問題として認知されていなかった。
昭和47年国連が日本の高齢化開始を警告したのに、政治も行政も長く無視続けて来たつけが、徐々に進行し一挙にその痛みがこの松戸の事件で姿を現したのだ。
2008年広辞苑に初めて孤独死という言葉が登場した。
現代用語辞典でも孤独死の説明に松戸常盤平団地での事件を名指して記載したほどであった。


団地自治会、社会福祉協議会、民生委員児童委員会協議会はこの問題に正面から取り組む事になった。
以下紹介する機敏で的確な一連の取り組みは全国的に注目され、未来の介護のモデルケースとさえ言われた。



原展は冊子「常盤平団地孤独死ゼロ作戦に挑む」から。

①孤独死110番制度をさっそく発足させ「おかしい」と感じたら早く連絡:通報するよう団地住民に呼びかけた。

②それらの通報内容をを毎月1回発行する団地内広報誌「ときわだいら」に公開広報し情報の共有化を図った。

③団地住民を集め「孤独死を考えるシンポジュウム」を開催し、住民意識、地域福祉意識を啓発した。

④社会福祉協議会事務所と併用させた「まつど孤独死予防センター」を設置し、相談業務、安否確認機能を高めた。

⑤松戸商店街の一角に「いきいきサロン」を開設。交流、ふれあい、仲間つくりの場とした。
年間360日開催。参加費100円で有償ボランテア(時給200円)がお世話している。
このサロン活動はその後全国的に展開されていくがその魁であった。

⑥あんしん登録カード発行し緊急連絡先、通院病院等の情報登録しいざ入院など緊急時に備えた。

⑦自治会、社協、民児協の3者の理事クラスは3団体を兼務するなど連携を強め一体化を図り、上記の諸対策を総合的に「孤独死ゼロ作戦」と名づけ、挨拶運動とともに地域力の効果的展開に努めた。
根幹の社会福祉協議会には地域を構成するあらゆる団体が参加、組織の機能強化に努めた。

データ
平成16年東京都内での孤独死状況 男性2,101人、女性971人
平成19年度松戸市での孤独死状況 男性67人、女性34人


5、常盤台公団住宅…

①、千葉県松戸市常盤平7丁目常盤台公団住宅。
新京成線電鉄常盤平駅から南に約800m
昭和35年住宅都市整備公団・現都市再生機構が建設、国内最大級の大規模団地国内第1号であった。
当時の団地人口約2万人、現在は約9、000人。5360世帯、高齢化率30%、

2、常盤平公団住宅団地自治会会長 中沢卓実氏

23年間常盤平団地自治会長を続ける。
大家である巨大組織日本住宅都市公団に対し、家賃値上げ反対闘争、コミニテーを破壊する建て替え反対運動などで戦いを挑み成果を挙げてきた。
孤独死ゼロ作戦も強力に指導している。
産経新聞に勤務、50歳で退職後はタウン誌発行など手がける。
近所同士のあいさつがあれば孤独死なんてなくなる、生き方を変えようよと訴える。

③、高齢者対策と乳幼児と緊急・火災対策


常盤平団地の各部屋には以下の緊急時対応機器が備えてあったのに…

△火災報知機が各部屋に設置されていた。しかし警報は部屋の中しか聞こえず外では聞こえないタイプだった。

△緊急通報システムが各部屋にセットされている。非常時にボタンを押し通報する。しかし1メートル50の高さにセットされ、乳幼児3人にはとどかなかった。

▼これらの非常時緊急対策は弱いものを助ける目的を持つ。
確かに孤独死事件の連続を契機に対高齢者への視点は整えたが、乳幼児も弱い者である。
高齢者と同じ弱者乳幼児母子家庭への配慮が同じように欲しかった。
幼子を家に残しパチンコに興じて平気な母親も母親失格だが、国内マスコミばかりか海外メデアでもこの団地の安全対策は評価・報道されているはずであっただけにである。

▼常盤平団地地区社会福祉協議会発行の立派な冊子「常盤平団地孤独死ゼロ作戦に挑む」37ページには孤独死対策記事は満載だが母子家庭や乳幼児対策はどこにもなかった。残念である。


常盤平の桜まつり
今年39回目になる。


昭和62年に「日本の道100選」に指定され、八柱から五香まで全長約3kmにわたって桜のトンネルが続いています。
植樹40年を超える桜大木が約640本(桜の種類:ソメイヨシノ約470本、オオシマザクラ約170本)。

常盤平駅南口の駅前で 「常盤平さくら通り(日本の道100選)」 と 「常盤平けやき通り(新・日本街路樹百景)」 が、交差しており、希にみる景観となっている。


高度成長期に人口が急増し、住宅地が拡大した松戸郊外では、その頃植えられた桜並木が、各所でちょうどいい樹齢に育っています。

会場 常盤平さくら通り
(ゆりの木通り交差点から五香駅前まで)
アクセス 新京成電鉄「常盤平」「五香」駅
下車徒歩1分
内容 チャリティオークション、
各種パレード・イベント等
出店がたくさん出て歩行者天国になります


民生委員児童委員を仰せつかっている。私の住む旭地区にも大規模団地が数箇所存在する。
団地を担当する委員さんから時々悲鳴も聞こえる。
孤独死寸前の事故も起っている。
母子家庭も多い。
高齢社会、少子化、個人主義化、そんな時代を象徴するのが大規模団地。
細かいところに手の届く周囲の眼と手と足が必要だ。
映画「誰も知らない」は平塚市シルバー人材センター生きがい事業団も支援した映画だが、もうすこし挨拶や交流があれば救われた命が、危機がこのままでは見過ごされてしまう:他人事ではない。


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