これぞ地方自治, 国民年金制度発足前に地域で発足させた年金制度

これぞ地方自治
昭和36年 国民年金制度発足前に、こんな地域の年金制度も

地方記者の原稿録7

地方記者の原稿録」シリーズは、一朝日新聞地方記者が、送稿続けた戦前:戦中:戦後の地方発ニュ-ス原稿を今あらためて読み直し、平和を願い平和を壊され、しかし確実に生きていく地方の市民生活の一コマを少しでも窺うことが出来ればと発信するものです。

6 昭和28年5月~33年7月  福島県平通信局時代 

昭和33年 朝日新聞 福島版 


農民にも養老年金  双葉郡大久村で1月から実施

双葉郡大久村では、農業者相互養老年金制度を設け、16日開いた村議会で明年1月から実施すると決めた。

この農業者相互養老年金給付に関する条例は3年以上村に住み、農業又は林業を経営している者とその従事者を対象にしている。

毎年1月1日現在①65歳以上69歳までの者に年額2千円、②70歳以上79歳までの者に3千円、③80歳以上の者に4千円を1月と7月の2回に分け支給し、高齢者の福祉増進を図り老後を楽しんでもらう。
この条例の恩恵に預かる者は村で210とのこと。65万円の予算を計上する。思いがけないプレゼントに村中の年寄りは喜んでいる。

水野村長談「公務員や会社員は一定年限勤めれば年金が出る。しかし農林業にいくら働いても老後を救う制度はない。なんとかして農林業者の老後を考えようと「農業者相互養老年金制度」を設けることにした。議会も賛同いただきこれで来年1月から実施出来る様になった。成功させたい」


ジャンガラ念仏コンクール

昭和29年、ローカル色豊かに平の夏を彩るジャンガラ念仏コンクールが8月9日夜6時半から市内大通り公園で開かれた。
21組300余名が参加、ヤグラ舞台を取り巻く観衆は約1万人の人手、かってない盛況だった。石城の若衆たち各組とも伝統の技術を傾けたカネの音色、タイコの仕舞、念仏踊りの調子を揃えた熱演を競った。
優勝は内郷御台境組が占め本社優勝旗と商工会議所杯を獲得した。
平市長谷川教育長は「太鼓打ちの体のこなし、足の運び、手の振り方、力の入れようが3人そろい一人の打つ音のようにそろうまで相当の練習が必要。12人の組全体が一心同体に調和しなければならない。農村青年の娯楽、スポーツ、伝統継承として大変意義あると解説された。

平事件判決公判開く 騒乱罪成立せず

昭和24年6月30日午後、数百人の群集が8時間に渡り、平市警察署を占拠、人民警察の成立を叫んだ平事件で、騒乱罪、建造物進入罪、職務強要などの罪で起訴されていた153被告のうち主流102被告に対する判決言い渡しが18日午前10時から福島地裁平支部特設大法廷で開始された。
山田裁判長による判決文総論の朗読が行われ注目の騒乱罪を構成しないこととなった。
同裁判長は、平警察署不法占拠の共同謀議、共同の意思は認められず、暴行、脅迫は偶発的な一部の人の行為として騒乱罪は成立しないものと断定した。78被告は無罪、23被告が公務執行妨害、建造物侵入などの罪で懲役3年から2月の有罪を言い渡した。
群集による警察署不法占拠、暴行、脅迫した事件であるが、典型的な騒乱罪であると主張した警察、検察側の全面的な敗北に終わった。

コメット号参上

世界一の最新鋭報道設備機器を満載した朝日新聞ニュースカーコメット号が7日勿来町に到着。たちまち5千人の人々に囲まれた。
大事件の発生とともに直ちに直行、前線本部となる。短波無線電信電話で原稿と写真を電送送信。車上の電光掲示板から最新ニュースが見られる。舞台では腹話術や歌謡曲、クイズなどの催しも披露、呉羽化学従業員慰問を手始めに磐城各地の中心街や地元中学、高校を慰問する。

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