遺族厚生年金受給中ですが老齢厚生年金との選択はいつからですか

女性経営者…喜びと苦しみ

夫とともに中小零細企業を営み苦闘され又成功されている女性も多いものです。
そして起業後の人生をともにして来た夫の死亡。
経営の手腕は残された妻の一手にかかって来ます。
普通の主婦と同じ様に育児も家事も大変です、更に勤務者にはない経営の苦労。
相談にもこのような女性経営者が訪れます。緊張し気合も入ります。なんとか力になりたい。
経営環境の激変に対する会社の先行きと従業員への配慮に並々ならぬ御後努力と神経を払っていらしゃいました。そこで自身のことも大切ですよと話を変えたら出てきたのが遺族年金の話題。


社会保障相談室65 

遺族厚生年金受給中ですが老齢厚生年金との選択はいつからですか。


回答


そうですね、遺族年金は十分留意し有利な選択をするのが夫への恩返しにもなります。
ねんきん特別便の記録はぜひもれがないよう注視し確認してください。

では最近の遺族厚生年金法改正を紹介します。

Ⅰ、平成19年4月前の遺族厚生年金

①60歳から65歳

夫の遺族厚生年金か妻自身の老齢厚生年金のどちらか一つ選択

②65歳以降

次の3つからどれか一つ選択
A、夫の遺族厚生年金+妻自身の老齢基礎年金
B、妻自身の老齢厚生年金+妻自身の老齢基礎年金
C,夫の遺族厚生年金の3分の2の額+妻自身のの老齢厚生年金+
妻自身の老齢基礎年金


Ⅱ、平成19年4月からからの遺族厚生年金

①60歳から65歳

夫の遺族厚生年金か妻自身の老齢厚生年金のどちらか一つ選択

>②65歳以降


厚生年金に加入歴のある65歳以上の妻に対する年金給付を
妻自身の老齢厚生年金を全額支給した上で、現行水準との差額を遺族厚生年金として給付することとなった。


遺族厚生年金は、所得税法上、非課税所得とされています
妻自身の老齢厚生年金は課税対象となり又在職老齢年金の支給停止制度もある。
老齢年金も、税金面でのある程度の優遇はあるものの、完全な非課税であった遺族年金とは比べようがありません。また、このことは、単に所得税だけの問題では済まず、住民税や国民健康保険料まで影響を受ける可能性もあるのです。

19年改正の理由は、妻自身が納めた保険料を年金額に反映させるためとされた。改正により非課税の夫からの遺族厚生年金は妻自身の老齢厚生年金に相当する額が支給停止されたのである。

既に65歳以上で今まで遺族厚生年金を受給していた方の遺族年金は従前通りの選択制で継続される。ご安心を。

遺族年金の指摘される課題

1、男女格差

①遺族基礎年金は子ある妻のみ支給される。男性が妻に先立たれ父子家庭になっても遺族基礎年金制度は適用されない

②中高齢寡婦加算は、40歳以上65歳未満の子のいない寡婦に対して遺族厚生年金に加算される。加算額594,200円。
更に65歳以降にも昭和31年4月1日以前生まれ者に引き続き経過的加算として生年月日に応じた額で継続される。

2、共働き世帯と片働き世帯との間の不均衡

  例えば、世帯全体での賃金の合計額が36万円であり、共働き世帯の場合、夫と妻がそれぞれ22万円、14万円の賃金を有するとした場合、片働き世帯と共働き世帯で保険料は同一であり(労使合わせて6.2万円)、老齢年金額も同一である(老齢基礎年金も含め、世帯全体で24万円)。

しかしながら、夫が死亡した場合の遺族年金について見ると、片働き世帯では、妻の老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金(=夫の老齢厚生年金の3/4)を受給することになり、合計15万円の年金を受給することとなる。

これに対して、共働き世帯では、妻の老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金の2/3と自らの老齢厚生年金の1/2(=夫と自分の老齢厚生年金の合計額の1/2)を受給することにより、合計12万円の年金を受給することになり、片働き世帯と共働き世帯の間で、現役時代の世帯全体での賃金の合計額が同一であるにもかかわらず、高齢期の遺族年金は同一とならないこととなる。

3、離婚時の年金分割と遺族年金の関係

高齢期での離婚と再婚による夫死亡後の生活保障と遺族給付受給権者の正当性妥当性の整理。



遺族年金:60歳、65歳での注意

60歳になる前から遺族年金を受給していた人で「60歳到達時で、遺族年金の方が多い」との理由で

自分の老齢年金の請求手続きを行わない人はいませんか?

60歳到達時点で、既に遺族年金を受給している人に自分の老齢厚生年金の受給権が発生した場合、

原則、遺族年金と老齢年金のどちらか(給付額の高い方)を選択するようになります。


また65歳到達時には、自身の老齢基礎年金の受給権が生じることや“中高齢寡婦加算”が“経過的寡婦加算”に変更(減額)する等により、受給額に大きな変動が起こる場合も少なくありません。

こうした受給額の変動があった場合、先述した60歳時点と同様に原則、最も有利なモノが選択されるのですが、あくまで申請主義です。

「貰い損ね」など無いよう、確認の意味も含めて、老齢年金の裁定請求を済ませておくことをお勧めします。

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