寡婦年金のうれしさと悲しさ…ねんきん特別便対応から

寡婦年金のうれしさと悲しさ…ねんきん特別便対応から

質問 


A夫人「ねんきん特別便が来ました。私の年金記録が記載されていますが、記憶に余りないのですが、ここにない所では半年ほど小さい所ですが勤めました。残っている資料はないのですが…」

回答  社会保障相談室51

まず、超混雑するねんきん特別便の対応システム現場の流れは以下の通り実施されているので紹介します。

1、事務所に入る

一番最初に受け付けるのが総合窓口。ねんきん特別便か一般年金申請等か2分類されます。それぞれの番号札を渡される。ねんきん特別便は500番から始まる。特別便関係者はここで渡される緑色の申出書に年金番号、氏名、住所、生年月日等記載し、総合窓口に提出。それから椅子に座り待機。長い一日が始まる。
…ここで緑色の申出書を提出せず間違って手元に置いたままの方がおられる。これでは事務所内が動かない。「書き終わったら必ずここに提出」と聞いてもお年寄りですからままならない。時々緑色の申出書を提出しましたかと全員に声を掛ける必要あり。

2、個人情報打ち出し
提出された緑色の申出書に従い事務所内では年金給付担当職員のパソコンがうなり個人の年金記録詳細が打ち出される。順番に整理されて置かれる。

3、待機していたところ、ねんきん特別便窓口から呼ばれる。ここは社会保険労務士が担当している。
ねんきん特別便に記載されている厚生年金記録と国民年金記録:勤務先と期間を注視。
事務所内から打ち出された個人の年金記録詳細と合わせ点検、疑問点、もれ、間違いの確認、間違いないこと、疑問点が了解されればここでお引取りいただく。回答票回収。

4、瞬時に的確に資料分析する専門官:瞬時に聞きださなければならない私

両方の資料の見方、短い時間で要点を把握し説明する能力が要請される。
話し方もある。ソフトに明確に。
自分はこれらの打ち出し資料の見方がまだ未熟であり、事務所内の専門官の手助を仰ぐ。
専門官は打ち出しを一覧し更に必要な画面を追加する。
ここで先ほどの夫人の例があった。1枚~3枚の資料を見てすぐ現在の状況、過去、これからを描き出す。それではどうこの夫人を助けるか。それほど選択肢はないが、計算をし、最善を搾り出した。お手並みには感嘆した。

4、画面調査ブース

明らかに間違いある、記録もれ、調査希望等ある方々はパソコンブースでの対応になる。ここの待ち時間は長い。もれた記録が確認され繋がった方など帰り際社会保険労務士コーナーにお礼の声が掛かる時もある。

5、次にこのA夫人の例で寡婦年金を今回はテーマとする。
寡婦年金は、国民年金独自の制度。
第一号被保険者であった夫が、老齢基礎年金を受給することなく死亡した場合、その妻が60歳から65歳の間最大で5年間支給される有期年金。(国民年金法第49条)

寡婦年金の額は=老齢基礎年金の額の4分の3に相当する額(同50条)
夫の被保険者期間の長短で額が影響される。
夫の死亡当時60歳未満だった妻には60歳に達してから支給。
〃     65歳以上の妻には支給されません。65歳になると権利は失権してしまいます。(同51条)

支給要件(同49条)
①死亡した夫が第一号被保険者として保険料納付済み期間及び免除期間を合算して25年以上あること。つまり貰えるのに貰わずに死亡したので替わって妻が5年間だけ受給する制度。
②死亡当時夫との関係:妻は婚姻期間が10年間なくてならない。又生計を維持されていなければならない。

6、選択肢

さてくだんのA夫人の打ち出し資料を見て、自身の老齢厚生年金について浮いた記録が戻っていくら増加するか、自身の寡婦年金との比較を専門官は瞬時に画面で確認した。今受給の寡婦年金を受給続けるのが一番徳。そして自身の厚生年金額を見てためいき。少ない。色々事情があったのでしょうが。額が少ないとのためいきではない。つまり寡婦年金は5年有期。これでなんとかつないでいるが、元に戻ると自身の老齢厚生年金か受給に。これが寡婦年金より大分少ないのである。制度、法律、自身の職歴等の事実であるからしょうがないが…。

何故5年有期なのか

これは老齢基礎年金を65歳から自身が受給出来るからとなっている。
厚生年金被保険者だった夫が死亡した場合、妻に一生プレゼントとして遺族厚生年金を残す。(20歳代妻のみは5年有期だが)
しかし、国民年金被保険者はこの寡婦年金5年有期の小さいプレゼントだのである。
65歳から老齢基礎年金を受給する同じ年齢でも、夫が厚生年金と国民年金という境遇違いでその後の年金収入は大違いなのである。


特別便コーナーではこれを本人に説明しつつなんとか過去の記憶を辿って更に職歴がないか懸命に聞き出す。少しでもこの夫人に年金増加の材料はないか。
こういう作業を一日に30人以上こなさなければならない。3人で受け付ける。
連日、100人前後の特別便客が来る。我々は交代である。しかし事務所の職員は連日不休で当たっている。自ら蒔いた種だろうが、敬服する限りである。

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自由国民社発行「口語民法」に学ぶ

第5章  法律行為

第115条 「無権代理の相手方の取消権」

代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。
ただし、契約のときにおいて代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りではない。

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