労働者災害補償給付と厚生年金の併給調整と選択は?

質問

夫が労災で亡くなっています。現在、労災の遺族給付と遺族厚生年金を受給しています。私自身は働き厚生年金に加入しています。年齢で特別支給の老齢厚生年金を受給出来るようになりますが、調整されることとか選択性とか聞きます。どういう風になるのでしょうか?

回答   社会保障相談室45。

1、仕事中亡くなった夫に対する労災保険からと厚生年金保険からの遺族補償

労災で亡くなった場合、次の2種類の遺族補償給付のいずれかが支給されます。それぞれ支給要件が異なりますので選択とかではありません。

①遺族補償年金
受給資格者=生計維持関係ある妻→60歳以上夫→18歳未満子又は一定障害→60歳以上父母→18歳未満孫又は一定障害→60歳以上兄弟姉妹
金額=遺族一人は給付日額の153日分、2人は201日、3人は223日、4人は245日分
遺族とは上記生計維持関係ある受給資格者のこと。

②遺族補償一時金=遺族補償一時金は①の遺族補償年金の受給資格者がいない場合支給されます。
支給対象は、生計維持関係ない配偶者→生計維持関係ある子→父母、孫、祖父母→
生計維持ない子→父母、孫、祖父母→兄弟姉妹
額は給付日額の1,000日分

2、併給調整

同一の理由により、労働者災害補償保険の遺族補償年金と厚生年金保険の遺族厚生年金が支給される場合は、併給調整が行われ、遺族補償年金の額が調整されます。
遺族厚生年金は全額支給されます。

3、何故減額調整するか?


減額調整するのは、業務外の事由による年金受給者との均衡を考慮し、又国や事業主の二重の費用負担を避けるために行われるものです。

4、労災保険調整率

(遺族補償年金を受給している方の併給調整)
遺族厚生年金が支給される方=遺族厚生年金を満額支給し労災の遺族補償年金は
84%支給される。
国民年金の遺族基礎年金が支給される方=遺族基礎生年金を満額支給し労災の遺族補償年金は88%支給される。
遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方支給される方=遺族厚生年金と遺族基礎年金を満額支給し労災の遺族補償年金は80%支給される。
これらの調整に選択の余地はない。受給権者が選択するというものではありません。

5、同一の事由でない異なる事由の場合:例、遺族と老齢
例えば労災の遺族補償年金と老齢厚生年金あるいは老齢基礎年金とは異なる支給事由であることから、調整減額されることはなく老齢厚生年金あるいは国民年金の老齢基礎は全額支給されます。又父が労災による遺族補償年金と母の病死による遺族厚生年金は異なる支給事由ですから両j方とも満額支給されます。

6、遺族厚生年金選択から老齢厚生年金優先へ

遺族厚生年金と老齢厚生年金については、同じ厚生年金保険法の一人一年金の原則から調整され以前はいずれか片方の年金を選択することとなっていました。
しかし現在はこのように遺族厚生年金を受給中の者が60歳になり特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合、特別支給の老齢厚生年金を優先して支給します。
そして遺族厚生年金の額の方が高い場合は差額として遺族厚生年金が支給され、遺族
厚生年金額が保障されます。

7、何故?

遺族厚生年金は額にかかわらず無税です。しかも働いても支給停止はありません。
一方老齢厚生年金は税金が掛かります。又厚生年金加入中働いて得た収入額に応じて
支給停止されます。(在職老齢年金制度)。つまり少しでも年金額を少なく支給するべく制度設計がなされているように見えてしまいます。
しっかり政策を吟味し自分の幸せを実現してくれそうな政策選択をしなければ、いつまでのこのような厳しい制度が続くでしょう。
企業は人なり、国もまさに人なり。

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2 法定果実は、収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。


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第97条 「監督機関の職員等」

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者労働基準主管局の局長、都道府県労働局長及び労働基準監督署長には労働基準監督官をもってこれに充てる。
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厚生労働省に、政令で定めるところにより、労働基準監督官分限審議会を置くことが出来る。
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前2項に定めるもののほか、労働基準監督官分限審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。


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