緊急記者会見マニュアル:記者席と会社席は同じ高さで。背広とワイシャツに注意。細かい柄は避け白で。

オーエス出版社発行 篠崎良一著
「会社を守る!もしものときのメディア対応策」207ページ



危機管理の目的は、リスクを想定し、事前に防止すること、それでも万一発生したら、損害を出来るだけ少なくする。ダメージコントロールの2つにある。
一人の死者も出てないのに上場企業が事件発生3カ月で会社消滅に至った。余りにも危機管理意識が低かった結果である。5章に渡り特にマスコミ対応中心に危機管理の要諦が綴られる。

1、緊急記者会見マニュアル


①会場設営

◎案内した人数の2~3倍の収容力ある会場をセット
◎記者席と会社席は同じ平面、高さで。
◎会社席は壁側に。会社席の背後にカメラ入れさせないこと
◎会社席の足元は見えない工夫を
◎記者席と会社席の間はカメラ入れる空間あってもよい
◎出口入口が二つ以上ある会場が望ましい


② 会見実際


◎想定問答を頭に叩き込む
◎背広とワイシャツの柄に注意。細かい柄は避ける
◎派手なネクタイ、タイピン、高価な時計類も避ける
◎靴下はダーク系で長目に
◎時間が長くなる覚悟でトイレ済ます
◎誠意ある態度で質問は切らない。最後まで聞く
◎ハンカチを拭く、眼鏡はずす、マイク触るなどせず落ち着いて動かない
◎早口厳禁、専門用語厳禁、腕組厳禁
◎定刻に始め、終了は被害対応があるのでとか申し訳ないが‥という態度で締める。
◎ホワイトボードに会社出席者名張り出し
◎お詫び、事実の詳細情報開示、原因究明、事態収拾:再発防止について説明
◎責任の取り方
◎分からなくてもノーコメントはだめ、後日正確な回答お届けとする
◎記者の姿が消えるまで気を抜かない
③会見でマスコミ側から臨まれる事項

◎事実の5W、経緯、現状、対処内容、責任者
◎原因、背景
◎被害内容、規模、影響
◎責任の取り方
◎再発防止、対処策

④会見の目的

社会からシンパシーを得る。2度と誤りを起さない決意をあらわし、社会の理解を求める。

⑤秘策

事前に「時間通り始めますが、皆様の知りたい資料、必要な資料を出来るだけ提供したいので、どのようなものが必要でしょうか?」と聞き出し、想定問答を同時に作成してしまう。
日頃から緊急事態想定準備の一環として記者会見対応も用意しておく。
いやな質問、都合の悪い質問など想像力の勝負となる。これが危機に対して会社を救う


2、長期化させない短期収縮の決め手

問題が起きた→一時的に大きく報道されるのはしかたない→絶対に長期にさせない=報道短縮がダメージを軽くする。(人の記憶は短期間原則)
だが幕引きが出来てないと長期化、何か隠してないか疑惑がある、次々に新規の問題発生、これでは報道が終わらない。ダメージ拡大。
率直な謝罪、経過詳細公開、具体的再発防止策、原因究明、責任表明の5つがキイである。
逆に絶対避けるべきリスク増大要素=うそ、ごまかし、言い訳の3つ。

3、メディア・トレーニング

記者には農耕型記者と狩猟型記者がいる。
政治、経済記者は農耕型で発表記事を中心にフォロー取材。
しかし社会部記者は狩猟型。事件で飛び出し獲物に食いつき離さない。会見中の追及は厳しい。会社首脳部はこのタイプと付き合ってない。慣れてない。そこで驚き我を失い思わぬ失言をしてしまう。「私は寝てない」「部下がやった、自分は知らない」


欧米企業トップのメディア・トレーニングは必須事項。基礎トレと危機トレを訓練している。

4、危機管理の時代背景

◎内部告発=終身雇用、年功序列崩壊からくる忠実、忠誠、運命共同体意識喪失
◎行政が徐々にスタンスを消費者にシフト化しつつあること
◎ダメージの巨大化
◎顧客が決定する前に棚からいち早くなくす、株価急落など株式マーケットや流通チャンネルによる生命線の流れ強まる。



最近の記者会見から実例検証:茨城県国民健康保険連合10億円着服事件 


事件発生
茨城県国民健康保険団体連合会(水戸市)に勤務する会計課の元主任(34)=22日付で懲戒免職=が、市町村から集めた保険料約10億円を着服していた問題で、同連合会の石塚仁太郎・理事長は22日に記者会見し、現金の出し入れを元主任に任せきりにしていた実態を明らかにした。
元主任は約3年間に同連合会の銀行口座から何度も引き出していたが、元主任が自主申告するまで、巨額着服を把握できなかったとしている。
元主任は4月1日付で別の部署に異動。会計業務が別の担当者になったことから、着服を隠せなくなったと思い、上司に手紙で着服の事実を伝えた。元主任は「全額を競艇に使った」と説明している。


記者会見

理事長以下12名が記者会見に臨んだ。12名とは多すぎでないか。2列だったが1列6名程度で良いのでは。
服装は濃紺一色で地味、これは合格。
出席者の表示がなかった。
具体的質問に次長クラスが対応していたが、当然質問が予測された「管理体制」と「当人の犯行手順」についての回答説明がチグハグ。
他の次長に聞いたり、把握してない実態を露呈していた。
どうして見抜けなかったか、管理点検の流れなど図で説明しなければならない。
準備期間はあったが想定問答の訓練が全くなされていなかったのであろう。
真剣深刻そのものというより嘆き笑い顔も見せてしまい、他人事的なシーンさえ見られた。

会見を見た印象は?他のブログから抜粋 

理事長、副理事長以下幹部がテレビでただ頭を下げている姿は白々しいにも程がある。
本人を信頼していたと言うが、実態は理事長以下幹部は部下にまかせきりでなにも仕事をしていなかったとしか思えない。
多分役人からの天下りなのであろう。朝きて新聞読んでポケ~ッとして夜帰るだけで多額の給料もらっているのだろう。職員になめられているのだ。
職員全員給料カットで穴埋めするのは当然だし、特に役職は大幅カットすべきだし、責任を取って辞任は当然だろう。
後期高齢者医療制度で国民が怒っている時にこんな不祥事とんでも無い。


他山の石:他の事案からの学習がなされてない

去る10月31日に、青森県住宅供給公社(理事長山口副知事)は同公社経理職員を横領容疑で告訴しました。
報道によれば、同職員は94年度から01年度までの8年間で121回にわたり、総額約14億2,000万円を着服していたと言うことである。怒りと驚きを覚える。

事件が発覚したのは、仙台国税局が同公社を税務調査したことによるもので、外部調査が無ければ発見できなかったことについては、二重の怒りと驚きである。

内部チェック体制と監査及び県の監査とチェックに甘さがあったと言わざるを得ない
犯人は懲役14年の刑で服役している。

公社そのものは、結局犯人の友人チリ女性アニータからたった8000万円しか回収できなくて3年後には、解散することになった。

両事件に共通しているのはOB公務員が組織のトップないし中枢を占めていることである。
ここから学ぶポイントが見える。
しかしこの事実がむしろ残念ながら同種事案を発生させている根本原因でもある。


ブログランキング
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自由国民社発行「口語民法」に学ぶ

第5章  法律行為

第112条 「代理権消滅後の表権代理」

代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。
ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りではない。

労働基準法 労務行政発行「労働基準法:労働法コンメンタール」に学ぶ

第13章   罰則

第121条 「両罰規定」   

次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業員である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を処する。ただし、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りではない。
事業主が、違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかった場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかった場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

労働基準法 労務行政発行「労働基準法:労働法コンメンタール」下巻終了

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