今月から新たに「労働契約法」が施行された.何故労働基準法があるのに?判例を法制化し周知を図るため

今月から新たに「労働契約法」が施行された.

労働基準法が存在するが、紛争の解決に当り根拠となる諸判例を法制化し労働者、経営者両者に周知を図るため新たな法律とした。労働環境の整備が狙い。

平成20年3月13日 神奈川県社会保険労務士会平塚支部研修会が平塚市勤労会館で開催された。
講師=平塚労働基準監督署 木瀬克徳署長(2年間御勤務されている。異動時期の由)
テーマ=労働契約法施行ほか


内容

1、地域産業保健センターについて

①、4月から市内東豊田の新しい保健センター(医師会)に移転する。
②、いつでも、平日、夜間、休日でも相談に応じている。
③、労働安全衛生法改正により4月からは50人未満の小規模事業所も対象になる。
④、長時間労働=100時間超え、疲労蓄積した労働者から申し出があったら、30日以内に医師の面接・指導を受けさせなければならない。義務化。
⑤、上記の義務を果たしてないことから、民事上の損害賠償の恐れも出てくる。

2、定期健康診断等の健診項目改正


①、メタボリックシンドローム(脂質異常)、生活習慣病所見者の改善目的
②、腹囲の検査追加、血中脂質のうち低比重リポ蛋白(LDL)悪玉コレストロール追加
③、予備軍と該当者は保健指導で追跡

3、最低賃金法改正  平成19年11月改正、12月交付、施行は今年7月頃か


①、下回る時は、最低賃金の減額の特例許可制度を受けること
②、地域別裁定賃金=生活保護制度との整合性配慮し都府県ごと決定
   不払いの罰金が今まで2万円、これからは50万円に拡大
④、産業別賃金=罰金はない、任意的なところから民事的意味合いがある。
   基準法24条全額支払い違反が適用される。ノバの例
⑤、派遣労働者は地域では労働する地域での制度が適用。静岡から派遣神奈川で働けば神奈川の最賃。神奈川県=736円。静岡=697円。東京=739円

4、パートタイム労働法の改正


①、雇い入れの際、労働条件の文書明示義務化
②、契約期間、場所、内容、始業時間終業時間、時間外労働有無、休日休暇、賃金の他、新たに昇給有無、退職手当有無、賞与有無を文書で明示義務。
③、過料は10万円
④、正規職員と職務内容(業務内容と責任程度)、人材活用の仕組みと運用、契約期間の3要件が同じかどうかにより、賃金、教育訓練、福利厚生など待遇取り扱い規定の整備を。
※労働監督官が担当する業務の記載ない。時代か?  周知程度しかない。
※次の契約法も同様。あまり元気に監督官に仕事やられると使用者もお困りか?
  
5、労働契約法について


①、平成20年3月1日施行
②、意義=京都大学教授 村中孝史氏
 裁判規範という観点から見ると、新たなルール形成という意義はさほど認められない。
  むしろ、法律家以外余りなじみのない判例法理を制定法にすることで、ルールを広く国民に知ってもらい、社会に浸透を図る意義が大きい。
③、趣旨、背景
ルールが判例しかなかったが契約法になった。判決根拠に契約法が使われる予想。
  判例法理が労働者も使用者にも十分知られてなかった。個別労働紛争に対応した民事的ルール体系をしてまとめられた。
④、経営者側は解雇の金銭解決など要請していたが含まれず、不満が残った。
⑤、17条(有期契約)
  期間の定めのある労働契約―やむを得ない事由でしか契約期間中は解雇出来ない
⑥、14条(出向)と15条(懲戒)、16条(解雇)
権利の濫用は許されない。  在籍出向の必要性、選定事情等、客観的合理的社会通念の認められること。
⑦、5条(安全配慮)
  安全確保と配慮

第2章は労働契約  6条から13条
第7条=就業規則と労働契約
第9条=合意ない就業規則の不利益変更は出来ない
第10条=規則変更と有利性、不利益性

◎最近の割り増し賃金についての告訴事例の話あり。黙示の契約の難しさ。
◎平塚署では6人の監督官が活躍している。健全な労働環境になるようがんばっていく。

以上各法律改正の要点、留意事項について解説、説明がありました。これから横浜の神奈川労働局に出向くようでした。異動内示とのこと。そのような季節でしたか。


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自由国民社発行「口語民法」に学ぶ

第3章  法人

第70条「法人についての破産手続きの開始」

法人がその債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には、裁判所は、理事若しくは債権者の申し立てにより又は職権で、破産手続き開始の決定をする。
2 前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続き開始の申し立てをしなければならない。

解説
債務を完済できない状態にあるのに、理事が破産手続き開始の申し立てを怠ると過料に処せられる。


労働基準法 労務行政発行「労働基準法:労働法コンメンタール」に学ぶ

第8章   災害補償

第77条「障害補償」

労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治った場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて、平均賃金に別表第二に定める日数を乗じて得た金額の障害補償を行わなければならない。


解説
障害の等級は14等級に区分される。
最高平均賃金の1,340日分、最低50日分の一時金支給しなければならない。
治った場合とは、全治ではなく、症状が固定した場合である。それ以上の医療効果が期待できない状態。

本条の規定に違反して障害補償を行わない使用者は、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる。

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