格差是正こそ。租税による所得再分配機能について政治力により機能強化を図るべきである。

月刊社会保険労務士平成20年2月号には大変貴重な記事が掲載されている。紹介したい。
①、2ページ~3ページ 所得再分配と社会保障  土田武史早稲田大学教授  
②、2ページ~7ページ 適用開始まじか、知っておきたい後期高齢者医療の概要
③、14ページ~15ページ 枡添厚生労働大臣が社会保険労務士会連合会に要請
の3記事である。



今日は①の所得再分配と社会保障  土田武史早稲田大学教授を紹介する

2005年所得再配分調査結果が昨年9月厚生労働省から発表された。
3年ごとの調査である。
当初所得(労働等の収入)と実際の収入(税と社会保障による再分配収入)との比較比率の調査。

国民の所得格差はジニ係数で示される。低いほど格差が少ない。当初所得のジニ係数は¨
1962年のジニ係数=0.39
1981年のジニ係数=0.34
1987年のジニ係数=0.4
以後1年ごとに0.01ポイント上昇を続けた。ついに
2005年のジニ係数は=0.53となった。初めて0.5を超えたのだ。
格差が確実に広がっていることを証明している。
要因は高齢社会が進んだためと言われるが、それだけでは説明がつかない


再分配所得を見てみよう。
日本の再分配は優れて機能していて、当初所得の格差拡大を大きく是正する役目を果たしている。

再分配所得のジニ係数は¨
1981年は0.314  当初所得に対する改善度は26.4%と過去最高を示した。
以後も0.3台を維持してきた。
2005年では0.387となる。これは1962年以降最も大きい。再分配所得でも格差が拡大していることを示す。

次に60歳以降の当初所得と再分配所得の関係を見る。
59歳までは当初所得が再分配所得より上位にいる。ないし並行している。
60歳以降は急速に当初所得が減少し、再分配所得が大きく上回るようになる。
所得再分配機能が働き、高齢者世帯の可処分所得を大幅に引き上げている。
高齢者世帯当初所得 84.4万円:再分配所得 370.7万円 係数は337%。
当初ジニは0.82、再分配ジニは0.41、改善度49.8%である。
極めて再分配所得機能が大きく作用していることが分かる。

この改善度であるが、
租税改善は、3%にとどまり、社会保障改善度が1993年12.7%、1999年16.8%、2005年は24%となっている。

その要因は、まず所得税累進税率緩和措置が大きい。
個人所得への最高税率が88%から65%に引き下げられた。
同時に65%最高税率が2500万円から3600万円に引き上げられた。

社会保障の部門では高齢社会により年金医療など給付費が拡大し、介護保険も導入された。
これらが再分配に大きな影響を与えている。

全世帯平均で当初所所得465万円に対し、税拠出45万円、社会保障拠出52万円
拠出合計は97万円、
受給額は年金99万円、医療62万円、介護12万円で受給計181万円となっている。

最近社会保険料負担増に関連し、所得再分配機能を再考し緩和させるべきとの論調もあるが、これらの所得再分配実態を見ての議論か疑う。
むしろ検討すべきは、租税の再分配機能について見直し、政治力により機能強化を図るべく出ないか。その上で社会保障再分配機能との調整こそ必要である。


明日は②の適用開始まじか、知っておきたい後期高齢者医療の概要を紹介したい。

ブログランキング
http://jobranking.net/44/ranklink.cgi?id=1346





今日の民法  自由国民社発行「口語民法」に学ぶ

第3章  法人

第50条「法人の住所」

法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

労働基準法 労務行政発行「労働基準法:労働法コンメンタール」に学ぶ

第6章 年少者

第57条「未成年者の労働契約」

親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約をしてはならない。
親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認められる場合においては、将来に向かってこれを解除することができる。

解説

親権の濫用を規定してる。
民法824条は親権者の未成年者の財産に関する法律行為について、その子を代表することが定められているが、この条項は親権の労働契約についての濫用を防止している。
本条違反は、30万円以下の罰金に処せられる。

















この記事へのコメント

この記事へのトラックバック