幕府をつくれ、100年いや200年以上泰平の世になる大本を作りたい、家康は右腕と頼る崇伝に言った。

平塚在住の作家火坂雅志を読む8  平塚市図書館では火坂作品に赤く大きく「平塚在住の作家」とラベル表示している。

幻冬舎発行 火坂雅志著「黒衣の宰相」 530ページ 

京都の名刹、南禅寺禅僧金地院崇伝は、知略で徳川家康の右腕になった。
施薬院全宗は医学の知識、技術で秀吉の参謀になった。

法論

南禅寺は大徳寺から法論を挑まれた。
法論は宗論または問答と言う。
宗派間で教養の優劣、真偽を争う議論で、相手に言い負けるとその宗派は大きな打撃を蒙りり、逆に打ち負かせば勢力を増すことになる。
天正7年には織田信長の命による「安土宗論」=浄土宗と日蓮宗の法論が世に名高い。
崇伝は、南禅寺:5山派を代表し、新興勢力の大徳寺派の妙空と法論を行うこととなった。
長い法論の末、妙空に勝ち、宗教界でのデビューを果たす。
そしてこの法論を徳川家康家臣板倉勝重がその場に居合せ見聞きしていたことも幸運だった…


家康の信頼

澄光寺の建て直しに励む雌伏の時代を経て、ついに慶長4年、崇伝は家康の伏見城に登城する。
外交僧崇伝の誕生である。
本田正信からは九州行きを命じられ、オランダの難破船処理に当たる。
のち三浦按針となるオランダ人から世界の事情を学び吸収する。
そして関が原の合戦の翌年:慶長6年春、崇伝は家康から直接「幕府をつくれ、そのためにも朝廷を頼む」と命じられた。
天下の舵取りに関わる大仕事の拝命に崇伝の胸はたぎった。


朝廷の力をそげ

諜報機関を駆使した表と裏からの強烈な崇伝の朝廷工作により慶長8年、徳川家康は待望の征夷大将軍に任じられ、将軍として江戸に幕府を開く。
崇伝は家康から揺るぎない信頼を勝ち取る。


豊臣の力を削げ

方広寺の梵鐘に刻まれる銘文を見た崇伝は獲物を見つけた鷹になる。
国家安康と君臣豊楽の文字に豊臣叛意の証とする難癖の智謀。
本多正純もその知略に恐怖する。これが大阪の陣の口火になる。
家康本陣には6本槍の衆が並んだ。
僧:崇伝
僧:天海
後藤庄三郎(金銀改役)
茶屋四郎次郎(商人)
亀屋栄任(商人)
中井正清(大工)
表の武人と違う裏で兵糧、火薬、武器調達、そして水面下の交渉を担当した。
新しい戦の仕方である。

大阪城の力をそげ

大阪城を攻める前から水面下で実は交渉が行われていた。
隠密の交渉に応じない大阪首脳部に対し苦悩する家康に崇伝は言った、脅しをかけることです。
大筒が天守閣に打ち込まれた。
そして和睦を提案する。「侍達に咎めなし、秀頼、淀殿も身分は変わりなし、堀だけを埋めること。大阪方は提案に乗ってしまう。難攻不落の大阪城を裸にする秘策であった。
徳川と大阪の戦略の相違である



法治国家誕生へ

将軍徳川秀忠は伏見城に諸大名を集めた。
崇伝の読み上げる「武家諸法度」は家康の大御所政治に変わり秀忠の新しい治世が始まる宣言だった。
更に禁中並びに公家諸法度、諸宗諸本山法度を発令。
将軍の威令は朝廷、武家、寺社の隅々に及んだ。
秀吉のカリスマ性に頼った豊臣政権の失敗に学び、徳川は法による統治、法治国家を目指したのだ。法を定め、秩序を保ち、国を治める。崇伝は一つの国家を作り上げたという思いをあらためて深くした。


修羅の道こそ

野心を持って政権に入り込み、結果平和的法治国家形成に携わった崇伝。
僧侶でありながらら政治に深くかかわり、俗に生きた。
一方世俗にかかわらず一途に宗教の道を行く沢庵との対比。世間は崇伝を避難し沢庵を敬った。
崇伝が悪名と引き換えに築きあげた徳川300年:泰平の世作りはー今、パクス・トクガワーナと称され、海外の研究家に高い評価をされている。


法論でその頭脳を闘ったこの時代、必死に生き残るための教養合戦が戦われた。
今日平成20年1月9日、国会では福田首相と小沢民主党代表との党首討論が行われた。
おわびを連発する首相と、口べたを標榜する民主党党首による「法論闘い」とは決して言えない平和な討論だった。


今日の民法  自由国民社発行「口語民法」に学ぶ

第2章  人(自然人)


第6条「未成年者の営業の許可」

1種又は数種の営業を許可された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に耐えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第4編親族の規定に従い、その許可を取り消し、又は制限することができる。


解説

許可=法定代理人からの許可。成年と同様な資格を持つ。単独で有効にすることができる。
営業許可がなされてから、営業許可が取り消されるまでになした未成年者の行為は有効である。
営業を続けさせていくことが未成年者に不利となるような事態には、親族編の規定に従い営業の許可を取り消し、制限することができる。
取り消し、制限をするときはそのつど登記(商法15条)する必要がある。

今日の労働基準法 労務行政発行「労働基準法:労働法コンメンタール」に学ぶ

第6条「中間搾取の排除」

何人も、法律に許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。。

解説

明治時代初期、口入屋などの存在が労働関係を成立せしめていて、不当な賃金搾取が通常化し女工哀史を生む土壌にもなった。
戦後もそのような悪習が残り、我国労働関係の慣行にもなっていた。
本法本条と職業安定法の成立により、業として中間搾取を禁止したものである。
法律に許される場合の外とは、職業安定法のことである。
業として=同種の行為を反復継続すること。

労働者派遣法で定める労働者派遣=派遣元による労働者派遣は、第三者の介入ではない。

本条に違反した場合、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処せられる。(118条)


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