医師は患者を断れない…医師法第19条応召義務はどうした=奈良で妊婦が救急搬送先探し11病院拒否

医師法  昭和23・7・30制定 法律201号 

第19条 
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

歯科医師法  昭和23・7・30・法律202号  

第19条 診療に従事する歯科医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。



朝日新聞2007年8月30日 39面  11病院拒否  県外へ40キロ移動も死産
 〃      31日 34面  搬送探し都市で難航  医師不足負担重く

              3面  社説「救急網に穴が多すぎる」 

奈良県で38歳の妊婦が救急搬送に11病院が拒否し、死産となった。午前2時44分119通報から午後5時46分にようやく大阪府高槻病院に収容された。

昨年8月にも19病院に拒否された事例が発生している。医師不足と広域連携が不十分でこのままでは第3の悲劇の発生が間違いなく予測されている。


医療法により日本の医療は公益事業で、収益は全て医療器具等医療向上に使用することと法で定められている。
また医師は医師法で患者を断れないと定められている。そう研修を受けたのだが……この記事を読み事態を検証してみる。


教えてGOO資料を参考に見る。
質問
日本は医師法第19条第1項により医師に応召義務を強制しています。
この法律により医師は診察料を払わない、時間外であるといった理由により診療行為の提供を拒否する事はできません。
しかし日本国憲法第13条には【すべて国民は、個人として尊重される】 第18条には【何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない】とうたっています。それなのに医師個人の‘この患者には医療は提供しない‘という意思が尊重されず‘いかなる場合も医療の提供を強制するのは‘奴隷的拘束‘にあたるのではないのでしょうか?

回答

誤解が有るようなので・・・。
医師の応召の義務は
第19条 の規定によります。
この「診療に従事する医師」と言うのは、その時点で勤務状態にある医師と言う事で、例えば、診療時間が9時から17時とすると、その間に来た患者は断らないで、診療しなさいと言う事です。

病院は24時間医師を置かなければならないので、医師が不在と言う事はなく、何時でも診なさいと言う事です。診療所は、診療時間外に医師を置く義務はないので、「不在です」だから診れないと言う事は有ります。

また、この「正当な事由」とは、専門外であるとか、医師が病気であるとか、他の重患を診ているとか、手術中で手が離せないとか等が有ります。
勤務時間以外の医師は患者を診る義務は有りません。

日本国憲法第18条とは全く関係有りません。
勤務時間内に仕事である患者を診るのは当たり前の事です。
但し、医療費未払いの患者をそれを理由に断れないのは問題ですが、他に取る方法も有りますし・・・・。
患者自体を診るのが嫌なら臨床医を辞めるべきです。

応招義務

 現行医師法では「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」とし、いわゆる「応招義務」を定めている。
 「診療に従事する医師」とは「自宅開業の医師、病院勤務の医師等公衆又は特定多数人に対して診療に従事することを明示している医師」をいうとされており、「応招義務」は、診療場所とは密接に関係するが、医師身分に付随する義務ではない。
 医師は診療可能な場合、特に緊急性のある場合には、できるだけ診療を引き受けることが必要である。しかし、「正当な事由」があれば拒むことも出来る。これには、専門外診療、時間外診療、過去の診療報酬不払いなどが考えられるが、その状況はそれぞれ異なるので、医師は良識に基づき適宜判断しなければならない。

(解説)
 診療拒否の「正当な事由」に当たるか否かが問題になる事例として、「専門外診療」、「時間外診療」、「過去の診療報酬不払い」などがある。前二者はしばしば同時に発生する。ある医療施設(医師)が、診療時間中であればもちろんのこと、診療時間外でも診療可能な場合には、できるだけ診療を引き受けることが相当である。これに対して専門医が不在で緊急性のない場合には、専門医のいる施設の受診を勧めるべきである。
 しかし、患者の状態が緊急性がある場合には、出来る限り診療に応じ、専門医不在の折りでも求められれば、専門医不在である旨を十分告げた上で、救急処置をするべきである。

しかし応招義務は、医師が特定の患者に対して負う義務ではなくて、公法上の義務であるともいわれている。
 アメリカ医師会の考え方は、日本の医師法とは対極的である。アメリカ医師会倫理綱領は「医師には患者を選ぶ権利がある。しかし救急処置が決定的な意味をもつ緊急時には、能力の最善を尽くさなければならない。また医師は、一旦引き受けた患者を遺棄してはならない」、「医師は、患者関係に入るか否かを選択する職業上の特権を有し、それに従って患者に治療を提供する責務を果たし続けなければならない」としている。ドイツでも同じ考え方であり、契約関係がある場合の問題と救急業務の問題を明確に分けている。


(医学教育でのひとりごとより)

医師法第19条 この条文が、産科医師不足に悩む市民病院の、市長による、止むに止まれぬ措置「市内在住か、実家などへの里帰り先が市内にある人などを優先」について、大きな問題となってきました。

佐久市立浅間総合病院:産婦人科、医師減員へ 来年4月から地域限定も /長野

 佐久市立浅間総合病院の産婦人科の医師が、今年度いっぱいで3人から2人に減員することになることが16日、分かった。三浦大助市長は「市民の分娩を断らざるを得なくなるようなら、地域限定措置を取らなければならない」としている。新たな産科医の確保ができない場合、「市民以外のお産お断り」ともなりかねず、出産を迎える妊婦たちに波紋を広げそうだ。

 産婦人科では大学から3人の医師の派遣を受けているが、そのうちの1人が来年3月で医局に戻ることになった。同病院は昨年1年間で521人の分娩を扱い、市内在住者は48%の249人。4月から2人体制になった場合、交代で当直することになり、医師の負担は3人体制時と比較にならないほど増える。

 そのため、同病院は従来通りに分娩を扱うのは不可能と判断。分娩を来年4月以降、1カ月に24人に制限することを決めた。予約枠を超えた分は周辺病院に依頼する態勢を取っている。産科医が補充できた場合は分娩制限は解除するが、4月の予約はすでに27件と定員を超えているという。

 三浦市長は市議会で「予約がいっぱいだからといって市民の分娩を断るのは大きな問題。市立病院は市民の税金で成り立っている以上、市民を優先せざるを得ない。好ましいことではないが仕方のない措置」と答弁。市内在住か、実家などへの里帰り先が市内にある人などを優先する考えを示した。

厚生労働省医事課では「望ましいことではないが、地域を掲げて予約段階で制限すること自体は義務違反とはいえない。しかし、急患は『市外だから』といって断ることはできない」としている。


医療は公益事業…これは社会保障が国家の基本機能であり国家に責任があるからである。

医療法 第42条の2   医療は非営利の公共事業で、利益の追求は医の倫理になじまない

その収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める業務(以下「収益業務」という。)を行うことができる。


伝統的に「医は仁術」と言われるように、公益サービスを提供しているというところがあって、株式会社などはそもそも医療になじまないという意識が強く、だからこそ、医療法人は配当も禁止されているし、剰余金の分配等もすべて禁じられ、営利目的ではないのだという。また、特定・特別医療法人制度をつくって、持分までなくして、公益性を高めて、特定医療法人については法人税も軽減する。そういうことをずっと行ってきた歴史があります。


医師資格と憲法に規定

およそ物事には「公益的」なものと「私益的」なものがある。医療は「人の命と健康にかかわる」という点で、万国共通に「公益性」がある。しかしその公益性を、法律と制度がどう定めるのかは、各国まちまちだ。現にアメリカなどは、本来ある医療の公益性を、市場原理のもとで弱めている。日本の場合は逆で、法律と制度が本来医療が持っている公益性をより強化し、極めて高いレベルの「公益医療」を実現している。
 
まず、医師法第一条では、「医師は医療を掌る」とされている。これは、医師による医療の独占とも言える規定で、医師という職業に対して、極めて高い信頼を法律が与えているということ。このような信頼を法律が与えたのは国家試験制度による「医師資格」の二つの側面を信頼したから。
第一に、この資格が「高度の専門性」の証であること。
第二に、「経験からくる高い倫理性を保持している。または備わる」と位置づけたから。しかも、この医師法第1条の規定は、憲法25条の生存権保障と直結しており、「医療を掌るだけでなく、基本的人権の担い手である」との立場も与えられている。

 さらに、1961年の国民健康保険法制定による国民皆保険の確立で、医療は社会保障として、政府の財政支出で担われるようになった。つまり、日本の医療は法的には先生方の任務を定める医師法と、憲法、国民健康保険法が一体となって支えており、政府が公的に責任を持つ「社会保障としての医療」を、医師である先生方に「預けた」ということになっている。そしてそれに基づき、経営も含めて医師が担うことで、医療の公益性の保持が図られている


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この記事へのコメント

鈴木操
2019年07月30日 15:18
本日、沼津市内の耳鼻科医院で診療時間内09:00~12:00内に受信を求めたが休憩時間が迫っていたのか断られた。時間内であっても受け付けると自分達の休憩時間が少なくなってしまうため「受けられません」と理由をはっきり言って欲しかった。

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