なぜ女性専用? 年金の加算シリーズ最終回 遺族年金の加算の不思議 

なぜ女性専用? 年金の加算シリーズ最終回 遺族年金の加算の不思議 

遺族年金の加算

1、遺族基礎年金は、子どもの加算

遺族基礎年金は国民年金の被保険者である男性が死亡したとき、または60歳以上65歳未満の被保険者であった男性が死亡したとき、被保険者期間の3分の2以上納付済みまたは免除期間を有するときまたは死亡前前月までの1年間に未納がない場合、18歳に達する日の属する年度末以前の子ある妻または子に支給されます。妻限定で夫にはない制度。
子一人につき227,500円 3人目から75,900円の加算がつきます。
せっかく少子化対策に協力しても3人目から減額、国家的政策少子化対策の不思議丸特

2、遺族厚生年金の加算は、子のない妻への中高齢寡婦加算

遺族厚生年金につく加算は、子のない妻につく中高齢寡婦加算です。
子のある配偶者で妻の場合は遺族厚生年金と遺族基礎年金が併給されます。
子のない妻には遺族基礎年金が支給されない代わりにこの中高齢寡婦加算がつくのです。
額は定額で、594,200円です。



遺族厚生年金の対象は、遺族基礎年金と大幅に異なり、生計維持されていた配偶者と子、
父母、孫、祖父母となります。
子と孫は満18歳に達した日の属する年度末以前の子か孫、
夫、父母、祖父母は55歳以上であることが要件です。
しかも実際に遺族厚生年金が支給されるのは60歳からになります。

加算がつく対象
夫死亡時、40歳以上65歳未満の子のない妻
子どもがあって基礎年金を受給していて、その子どもが全て18歳にたっする年度末を迎えたとき40歳以上65歳未満の妻(寡婦)

加算の条件
中高齢寡婦加算は、
夫が在職中の死亡 、死亡した夫が厚生年金の被保険者
夫が退職後5年以内の死亡
障害年金の1級、2級の状態にある夫の死亡
厚生年金を20年以上(40歳以降15年以上)掛けていた夫の死亡のとき



不思議①
妻の遺族基礎年金には加算は必ずつきます。加算がつかない状態では妻への遺族基礎年金自体がつかなくなります。妻でなく子に支給される遺族基礎年金は、子自身が一人でも加算はつかないけれど遺族年金本体が支給されます。

不思議②
寡婦だけ何故?中高齢寡婦加算
子のない妻へは遺族基礎年金は支給されず、遺族厚生年金だけが支給されます。こうなると、中高齢の妻(寡婦)の収入が極めて低水準であることになり、生活保障措置として設けられたのです。

なぜ女性限定か、それはシングルインカムシステムによるもの

日本の社会保障制度と雇用制度、人事制度がシングルインカムシステムと呼ばれる企業と女性の内助の功中心の成り立ちによります。

企業に夫が勤務、妻は家庭内福祉を担当という雇用と賃金のスタイル(年功序列、終身雇用)によるものなのです。
家族を含めた世帯生活費を男性に支給し、主婦の働きはパートとして補助的な収入と位置づけられています。これが男性中心のシングルインカムシステムと言われている我国独自のシステムなのです。

スエーデンなど欧米先進国、ILO中心の世界の流れはこれと違いダブルインカムシステムです。
米国の年金は最初から夫婦2分割されています。ダブルインカムシステムの思想からです。

我国はその方向とは全く違う発想で、独自の年齢、勤続年数、学歴、性別など属人的要素を重んじて年功序列、終身雇用制度を確立させ、大きな成果を挙げてきました。これはこれで一定の評価をすべくでしょう。しかし時代の潮流はこれを許さない状況にもなって来ました。
そこで雇用環境、労務環境、社会保障環境など大きな変革期に遭遇して、混乱も生じて来ています。そういう視点で遺族基礎年金の女性限定も捉えるべきです。

男性中心のシングルインカムシステムにおいては、その妻の(つまりサブの収入担当)死亡は生計に核心の影響を与えない発想で、男性が死亡した時は、世帯の収入の核心シングルインカムが消滅した訳ですので、遺族基礎年金が残された妻や子供に限定され支給されるのです。

故に夫が死亡した場合、残された妻へのカバーはそれなりに工夫されています。あくまで働く夫、専業主婦という型への制度カバーとなっているといわれています。自営業、無職者には厳しい=国の姿勢、力=制度という一面があります。

中高齢寡婦加算が65歳から経過的寡婦加算になる方もいる
65歳になると、自分自身に老齢基礎年金が受給出来ることから中高齢寡婦加算はなくなります。しかし、昭和31年4月1日以前生まれ者(昭和61年4月1日に30歳以上の方)の65歳以降には経過的寡婦加算が遺族厚生年金に加算されます。

不思議③
それは国民年金の納付期間が短いために中高齢寡婦加算より老齢基礎年金が低額となることから救済措置として生年月日に応じた経過的寡婦加算を行うものなのです。
昭和2年4月1日以前生まれ=596,000円
昭和22年4月2日~23年4月1日=178,900円
昭和30年4月2日~31年4月1日=20,000円
昭和31年4月2日以降生まれ者=なし
つまり、生年月日が後になれば昭和61年4月から60歳に達するまでの国民年金の保険料納付済み期間も長期化し老齢基礎年金も高額となることによるものです。


不思議④

経過的寡婦加算がつく場合の一つに、その権利を取得当時65歳以上の者が含まれます。

不思議⑤
遺族基礎年金が子ある妻に限定されますが、遺族厚生年金は遺族の範囲がなぜ広い?
それは国民年金が個人を単位とした給付システムですが、被用者年金制度は世帯単位の給付を前提にしているからです。さらに言えば、日本の社会保障制度が企業に頼るところが重大な制度になっていることにもよります。(「最後の社会主義国日本の苦悩」参照)企業が大きな部分を受け持っているから厚生年金保険、健康保険、雇用保険、労災保険等社会保障制度が充実していました。国が直接担当した国民年金、国民健康保険はそれらに比べ極めて不十分な制度となっています。本来国が国家機能として担当し充実しなければならないところが満足レベルでなく、企業に肩代わりさせている部分はそれなりのレベルで、それ以外が不十分な構図となっています。社会保障の充実こそ我国活性化の秘薬なのですが。残念です。

日本の社会保障制度の不思議は企業と女性の犠牲上に成り立っていたわけですが、自営業としてはどういう対策をとるべきか

1、小規模企業共済
まず自営業者の退職金制度である「小規模企業共済」に加入することです。この小規模企業共済は、自営業を廃業、事業譲渡時に共済金という名の退職金が支給される他、死亡時にも共済金が支払われることになります。掛金は全額所得控除になりますし、掛金の範囲内で借入もできます。

2、法人化
また、Aさんは自営業者であるかぎり、厚生年金には加入できません。しかし、Aさんの事業を法人化して、Aさんが役員になることで厚生年金に加入するという手段も考えられます。

3、国民年金基金
都道府県ごとの設置されている国民年金基金への加入をお勧めします。これはまた詳しくお伝えします。

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