3時間待ち3分診療はだれが作った……「日本の医療を問い直す」ー医師からの提言を読んで

日本の医療は行政に管理され、3時間待ち、3分治療の現場を余儀なくされるのは医師も患者も同じである。
患者と医師の関係は父権温情主義であり、患者が主役に来るべきである。

ちくま書房発行 鈴木厚著 「日本の医療を問いなおす」を読んで

第1章 日本の医療は高いのか

医療費が高い、危機的状況と政府は宣伝している。この世論誘導により、医療費が足りないのは医師、病院が儲けているからという間違った理解が国民にあるのは誠に遺憾である。

OECD調査によると、1990年、一人当たり医療費は米国2566、独1486、日本1171ドルである。
医療費の対国民総生産比は、日本6.5%、米国12.1、独8.1。
入院費も総合的に見れば、対欧米比8倍の入院費用格差がある。
病院受診回数は、年平均日本人20回、欧米では5回、入院は日本48日、欧米10日


このように日本の医療費は決して高くない。世界有数の低水準である。この現実を多くの国民は知らない。

衣食住の費用:物価が日本がとても高いと言われますが、医療費は、圧倒的に安いのである。最高の優良生なのに、この状態で医療費抑制策が強化されるのは異常な事態である。

水と安全はタダという意識が底流にある。世界最高水準にある医療保険制度、医療の恩恵を過小評価している体質があるのではないか。それが無関心を生み出している。

米国では病気になり入院するとホームレスになると言われる、無保険の自由診療、金持ち優先医療制度なのです。
医療も国から束縛されない自由な制度となっている。自己責任の思想が浸透されている。
ホスピタルフィーとドクターフィーの2種類の請求書で請求される。


第2章 病院冬の時代


年間1800億円の赤字を生んだ国立病院が臨調の標的になった。
鉄道が赤字なのは乗客がいないから、病院には廊下に患者が溢れている。
病院経営は利益を上げるために医療の質を下げざるを得ない。医師法で営利を目的にしていない病院が、赤字になっているのは、経営努力の問題ではなく、医療政策の集約にあるという。

問題は民間病院が大多数であり、ここで危機的状況が発生していることである。
必要もないのにクスリ、検査…経営努力がこういうところに来てしまう。


医療の原点は献身である。
悩める患者に手を差し伸べることである。
私立病院の看護士は公的病院よりずっと少ない。給料もずっと低い。これだから看護士不足が生じてしまう。床面積も少ない。補助金によるコントロールが原因である。同じにするなら5兆円が必要。


第3章から第4章は健康保険制度:医療制度の問題点が述べられる

国民皆保険は、必要とされる医療を、いつでもどこでも国民が平等に受けられるという正に理想の制度である。
病院にとっても、治療費を保険組合が全額確実に保障すてくれるこれまた理想の制度でもある。
しかし国民健康保険の3分の2自治体が赤字、健康組合も6割が赤字、政管健保も5000億円の赤字となっています。
国と自治体がこの赤字を支えているが、この図式により、財務省から厚労省、保険組合、医療組合へと圧力が掛かってきます。診療請求書レセプト 審査という手段です。

行政指導、医療監査という手段によって医療機関が配下の仕組みが生じている。
診療報酬の料金は中央医療審議会によって決められます。この会は厚労省諮問機関であり、診療側もコントロール下に置かれることになっている。
これは正に統制経済そのものと言える。
この結果、医療周辺に厚く、医療現場に薄い医療費の分配になってしまっていると言う。
その最たる例が薬価。製薬会社への天下りは談合以上の官民癒着と著者は力説する。


第5章から6章は医療と文化:正しい理解として予防医学の効用、告知、移植そしてマスコミ論が語られる。

欧米の半分の費用で4倍働く医療現場の切実な声は、医療構造が不満を醸造しているのであり、患者を治したい、良くしたい気持ちは大きいものである。
閉塞状況に置かれた現場の実態を少しでも理解いただき、医療問題を正面から考えて欲しいと本書の目的を語りページは閉じられる


おわりへのメッセージ

ODA世界第1位、公共事業が欧米の3倍の国で、4倍働く医師の声には耳を傾けなくてはならないのではないだろうか。
国民一人ひとりが医療制度を正しく理解、認識して欲しいと訴えていますが、私も健康保険制度啓発テーマに講演ビジネスを展開しております。
世界最高水準の健康保険制度を誇りに思う。皆保険を生んだ昭和36年を誇れる年とも思っている。こんな制度を更に良いものに発展させることこそ昭和36年への恩返しであろう。
今後も普及促進、啓発活動を続けて行きたい。そうして少しでも著者へのエールになれればと願っている。


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