年金・医療・失業・労災困ったときの助かるブログ

アクセスカウンタ

help RSS 地域福祉活動と年金制度の係わり…民生委員・児童委員制度、生活保護制度、国民年金委員制度を概観

<<   作成日時 : 2009/11/21 21:44   >>

かわいい ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 0

5,000万件の消えた年金騒動から社会保険庁の解体、日本年金機構の発足、政権交代による年制度の根本的改革など今中央に耳目が集まっている。

そんな折、地域福祉活動と年金制度についての話す機会を与えられた。
大騒ぎの中央の動きに比べ、余りにも地味なテーマだ。
一体、どの位参加するか、恐らくいつもより少ない12〜3人かなと想定し資料つくりを始めた。
そうしたらなんと過去最高の参加数になったと事務局より資料追加の連絡が入った。
こんな時代だが地域をしっかり見つめてくれる社会保険労務士がこんなにもいらっしゃったか、非常にうれしかった。

平成21年11月19日(木) 午後2時から4時まで小田原市市民会館5階第一会議室で社会保険労務士会平塚支部小田原支部から構成された西湘ブロック年金研究会の研修会が開催された。
部屋は定員32人いっぱいだった。イスが消防法で32人分しかなく事務局さんは立ち見。当方も精一杯これに応え外の冷気を忘れ汗だくで講演を終えた。

テーマ「地域福祉活動と年金制度の係わり…民生委員・児童委員制度、生活保護制度、国民年金委員制度を概観する

講演要旨

>T、地域福祉活動と年金制度との係わり

…地域福祉の担い手として公共レベルでは、地域包括支援センターが存在し、民間レベルでは地域全体を視野にした社会福祉協議会と個々のケースに対応する民生委員・児童委員組織が歴史的経緯を持ち、それぞれ相互連携をしながら活動を展開している。

1、地域包括支援センター:根拠法令「介護保険法」

地域住民の保健福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マメジメントなどを総合的に行う公的機関である。各市町村ごとに設置されている。平塚市担当課は高齢福祉課 小田原市・秦野市 高齢介護課 伊勢原市 介護高齢福祉課, 市町村が福祉法や医療法人等に委託。
包括支援センターには、主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師等配置されている。

2005年の介護保険法改正で設置されたが、増え続ける医療、介護、福祉需要に対し厚生労働者は介護部分を切り出して介護保険制度を創設したり、それまではどちらかといえば対処療法な対応をとってきたが、団塊の世代が高齢者になる時代背景から、予防に軸足を置く政策に転換した。
要支援、要支援になる前の特定高齢者ハイリスクグループを継続的にマネジメントすることが包括支援センターの大きな役割となっていて、介護予防ケアプラン作成、成人後見人制度手続き、何でも悩み相談等、最近は高齢者の仲間つくり「サロン」活動に力を入れる。

2、社会福祉協議会:根拠法令「社会福祉法

平塚市には、中央の平塚市社会福祉協議会及びと23の地域社会福祉協議会がある。

@社会福祉協議会の役割、事業活動

・ひとり暮らしの高齢者の支援事業(公民館などで一人暮らしの方々を招いて給食会や茶話会等開催)
 ・ふれあい福祉相談(公民館などで相談事業を開催)
 ・子育て支援や障害者支援事業(公民館などで子育て支援や障害者支援事業を開催)
 ・世代間交流(ふれあい広場)開催
 ・地区社協だより発行(年数回、地区での活動等を季刊誌で発行)
 ・各種募金活動(日赤・賛助会費・赤い羽根・年末たすけあい・1円玉募金等)
 ・福祉施設との交流(地域の福祉施設との交流)
 ・社会を明るくする運動(社明運動)

A地区社協の構成は?


 地区社協は、地域内の福祉関係団体等を中心とした、様々な分野の団体や住民の皆さんにより構成されています。
(主な地区社協の構成団体)
 ・地区自治会組織(自治会連合会、町内会等)
 ・民生委員・児童委員
 ・地区ボランティアグループ
 ・婦人会、子供会、青少年指導員、PTA、保護司等
 ・老人クラブ
 ・学識経験者

B地区社協の活動の財源は?

 地区社協は任意の団体の為、税金が配分されません。地区社協の財源のほとんどは、賛助会費や赤い羽根募金、年末たすけあい募金の配分金や日本赤十字社増強運動(日赤)の協力費となっております。独自に、1円玉募金等を行い、地区社協の財源を確保している地区もあります。地域の活動の多くは、皆さんの善意(募金)で支えられています。
(地域での主な募金活動)
・日本赤十字社増強運動(4月から5月)春
・賛助会員会費(6月から8月)夏
・赤い羽根募金(10月)秋
・年末たすけあい募金(12月)冬
*四季を通じて、様々な募金活動が地域行われています


C市内の23地区社協と平塚市社協との関係は?
 それぞれの地区の福祉課題やニーズに対して主体的・自発的に取り組む地区社協に対して、市社協(平塚市社会福祉協議会)はそれらの地区社協の諸活動に必要な財政支援や情報提供、地区社協相互間及び市社協や行政との連絡調整などの支援をします。
また、一つの地区で対応、解決できない福祉問題や各地区が共通して抱える福祉問題は、全市的な福祉課題やニーズとして、市社協が地区社協と協力してゆきます。生活福祉資金。

3、民生委員・児童委員制度:根拠「民生委員法

@制度の概要

民生委員・児童委員は、民生委員法に基づき、市民の中から、市の民生委員推薦会によって選ばれ、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の特別職地方公務員です。
 地域住民の様々な悩みごとの相談受付や関係機関との橋わたし、要援護者の生活支援などを中心に、社会福祉の増進に努め、地域社会と行政のパイプ役として、広範囲な活動を行っています。また児童委員を兼任しており、子育て等に関する支援も行います。
 民生委員・児童委員には給料は支給されず、交通費等活動に必要な費用が支給されます。

△3つの基本姿勢
1 自主性
 常に住民の立場に立って、地域のボランティアとして自発的・主体的な活動を行ないます。
2 奉仕性
 地域住民との連帯感を持って、誠実に無報酬で活動を行なうとともに、関係行政機関の業務に協力します。
3 地域性
    担当地域を基盤として、適切な活動を行ないます。地域福祉のアンテナ。

  ☆任期、人数、選出
   ・3年任期:平塚市には4,000人の委員:地区の世帯数170〜360位に1人基準配置.
・地域ごと設置された民生委員推薦会により候補者を選考し、県知事に推薦する。

時代潮流としてなり手不足、職務の多様化から民生委員・児童委員不足が常態化。

☆歴史
大正6年(1917)岡山県にて民生委員・児童委員制度の源と言われる済世顧問制度が官選知事笠井信一の努力で発足。公共による基本的役割と民間地域力による補助的役割が連携し補足し合い充実した活動を行う公民協働の発端となった。
昭和23年(1948)民生委員法施行 法律198号

A 活動
△民生委員・児童委員活動3つの基本原則

1 住民性の原則
  自らも地域住民の一員である民生委員・児童委員は、住民にもっとも身近なところで、住民の立場にたった活動を行ないます。

2 継続性の原則
  福祉問題の解決は時間をかけて行なうことが必要です。民生委員・児童委員の交代が行なわれた場合でも、その活動は引き継がれ、常に継続した対応を行ないます。

3 包括・総合性の原則
     個々の福祉問題の解決を図ったり、地域社会全体の課題に対応していくために、その問題について包括的、総合的な視点に立った活動を行ないます。

具体的活動
  ◎低所得世帯や障害者世帯のための生活福祉資金の借受償還指導
  ◎日常生活のあらゆる心配ごとについての相談
   …家族関係、生活面、健康介護、子どものこと、住居、年金・医療費のこと
  ◎生活保護、心身障害者、母子家庭、老人、児童等について行政への協力
  ◎地域住民連帯の思いやりと助け合い運動
  ◎法令・通知等による協力事項に関する状況確認
  ◎福祉関連社会調査

※調査書の発行
(1)法令や通知などで証明を協力要請されているものについて調査書を発行いたします。
  (2)証明調査できるものとして、扶養の事実・無職の事実などがあります。
  (3)事実確認が困難なものや行政機関等で証明が出来るものに関しては取り扱わない

 
B 年金:健康保険等に関するアンケート調査 
調査日: 平成21年7月12日
調査対象:旭南地区民生委員児童委員協議会27名:回答:  21名 
   質問1「民生委員児童委員として地域で関わりある方からねんきん特別便あるいはねんき
ん定期便について問い合わせや相談を受けたことがありますか?」
ある 2名    ない  19名


質問2、「日頃の活動中、遺族年金、障害年金、老齢年金等について相談、問い合わせあるいは生計維持証明や実際の手続きなど支援を要請されたことはありますか?」
      ある3名      ない 18名

質問3「日頃の活動中、医療、健康保険、失業保険や労災などについて相談、問い合わせあるいは生計維持証明や実際の手続きなど支援を要請されたことはありますか?」
      ある3名      ない 18名

   …本アンケート結果の評価:分析…
@包括支援センターや民生委員が対象とする方々は70歳代後半から80歳代等後期高齢者が多い。この年齢層は、年金について既に受給中であり、あらためて相談などの必要性が少ないのでは。A生活困窮者、高齢独居者などは、生活必要上、経済意識を持たざるを得ず、自身が生きていく上で必要な年金、医療保険の申請を単独でも社保事務所で行うなど実際の行動に出ている。その後体力の低下、悪化に伴い介護面等で支援センターや民生委員への相談をせざるを得ない状況が来る。

 C民生委員が厚生年金等社会保険諸制度に係わった事例集{平塚市民生委員活動事例集}


(1)明治生まれ人嫌いの独居老人に福祉電話をお世話した民生委員が、次に老人の腹部異常から入院を12月末にさせたところ老齢年金の更新手続きを依頼される。1月になり市役所で更新手続き済ませる。入院前は見せなかった喜ぶ顔が見られるようになった。「落ちぶれて袖に涙のかかるとき、人の心奥ぞ知られる」

(2)老婦人Aから訴え「同居する娘の夫に年金証書を取上げられている。出さなければ出て行けと言われている」
   民生委員が郵便局に確認「Aさんの年金は今月分確かに娘夫に支払い済み、Aさんが私以外に渡さないでと言っても印鑑と手帳がなければ渡せない」
案1 印鑑と手帳を返してと言ってみて=Aさんはとても言えないとのこと
案2 民生委員自身が娘とか夫に言う=Aさんの立場が悪くなる心配
案3 バス代とか弁当代位Aさんに持たせた方が家に始終いないので娘さんも良いのでは=民生委員と娘など親しいなら話せるが…
案4 やはり郵便局にAさん自身が受け取るので他の人に渡さないよう依頼、家で話し合いことにする
※年金の受領=振込通知書により口座に振り込まれるが、郵便局で年金を現金で年金送金通知書制度により受領出来る。裏面に委任欄があり家族でも受領可能

(3)Bは2児の子連れ女性Aと結婚したが女性Aは家出。2児を児童相談所に預け夫Bは就職し労災事故にあう。脊椎損傷で身障1級。休業災害補償金月額20万受給。昼間から飲酒に走る。児相から子どもが帰り父子家庭に。しかし子どもが父親を嫌がり行ったり来たり繰り返す。
民生委員、先生、大家、児相、福祉事務所が連携し子どもは結局施設入り。父親は新たな女性と新家庭を始めた。

(4)母子家庭。母親は工場に勤務していたが、腕の病気で休み傷病手当金受給。この母親が精神病で入院、民生委員は社会保険事務所に行き最終の傷病手当金受け取り、その足で職安へ、雇用保険から傷病手当金を6月間受給の手続きをとる。この傷病手当金受給が終わり生活保護受給。精神の病での障害年金受給の手続きを行う。障害年金の受給も決定し保護から自立。腕の病気からの不安が大きく精神的にダメージを受けた例。

{月刊社会保険労務士誌から}
事例1
平成15年9月号投稿欄「25年前の遺族厚生年金の裁定請求」高知会 有光 功先生


(1)事実
大正15年生まれ77歳の女性から25年前の遺族厚生年金の裁定請求を頼まれた事案。
昭和21年結婚、同33年夫は友人の連帯保証人になったことから債権者より弁済を強く迫られ、家族安全の為協議離婚。でも生計維持関係は続いていた。やがて夫は収入増を図るため大阪の会社へ勤務。別居。昭和52年12月夫在職のまま病死。
遺族厚生年金を社保事務所で相談も離婚し別居していることから請求が出来なかった。
その後社保、町役場、法律相談にも行くが同じ同様な回答。しかし25年後このままでは妻は死んでもしにきれない気持ちで再度請求したいと平成14年正月に相談あり。

(2)裁定請求準備

ポイントは生計維持関係にあった。そこで証拠資料を下記により収集に全力で当る。@夫死亡当時の地区民生委員から生計維持関係証明書を得ること
A当時の妻の近隣者の証言を得ること
B夫からの送金等生計維持関係を証明する資料収集
C葬儀を喪主として元妻行った証拠記録、その後の法事、供養の証拠記録
D離婚せざるをえなかった、また別居せざるを得なかった状況申立書
E裁定請求が大幅に遅延した理由書
@については、町役場の協力により夫死亡時の地区民生委員氏名が判明し、民生委員から証明を得ることが出来た。
Aも近隣者から証言を得られ証明書を記入いただいた
Bについては送金を行った趣旨の手紙が保管されていた。土地建物の所有権を移転し賃貸料で家族生活費に充当させていた事実が登記簿や親類の話から得られた。

(3)有光社労士を代理人とした委任状を受け,平成14年2月[遺族厚生年金]裁定請求
平成14年11月14日 決定通知(遡及5年間分の承諾書提出)遺族厚生年金 804、200円 加給金154、200円 計958、400円
平成8年11月までの分は時効により不支給
同12月より平成14年12月までの分5、715、067円を12月15日支給

  ◎25年前の遺族厚生年金はこうして認められた。依頼人から25年間の念願がかなった、夫に最高の供養が出来たとお礼を何回も言われ感謝され、強く社労士の存在意義を認識されたと言う。有光先生談「再審査請求」を覚悟していたとのこと。
    依頼は知り合いの弁護士を通じてあった。依頼人は高知市から50キロ離れた過疎地である本山町在。人口4,000人ほどで出入り少なく隣近所の関係は密度濃い土地柄が幸いした。町役場で25年前の地区民生委員を調べでいただき、幸い民生委員さんは健在で当時を心良く証明してくださった。
   その他の資料として、妻が行った葬儀・法事等の写真、墓石を建て供養した写真、在職中大阪から家族に送った送金書留写し、夫死亡当時の近所の方の証言を収集。

参考  旧遺族厚生年金の計算式
定額部分
3,047円×240月=731、280円…@
報酬比例部分
255,027円×10/1000×240月=612、064円…A
支給額
@+A =671、672円 →最低保障額 804、200円
 2
加給金    154、200円
合計支給額  958、400円 
※今迄受給していた老齢基礎年金603,900円は併給される。

※遺族年金制度の経緯

昭和23年8月寡婦年金創設。50歳以上の妻。16歳未満子持つ50歳未満妻。
昭和29年4月改正で遺族年金へ。40歳以上妻に引き下げ。18歳子に引き上げ。
昭和40年改正 妻の年齢制限なくなる。
昭和51年通算遺族年金創設 (通算老齢年金受給の夫死亡に対する妻への措置)                        
  昭和61年改正:遺族基礎年金、遺族厚生年金制度に。
※新旧対比…旧の寡婦加算より新の中高齢寡婦加算が高い
旧の最低保障制度は新ではなくなる
算出方法の違い
      旧国民年金の母子年金は妻が加入条件、新は夫の加入が条件
      総合的には旧遺族年金の方が新遺族厚生年金より有利だった

事例2
平成19年5月号社会保険審査会採決事例(遺族厚生年金給付平成15年8月採決)


@事実と背景
叔父の先妻が死亡し子どもを養育するため一族の長が叔父と姪の関係にあった二人を事実上結婚させた。叔父と姪は法的に結婚できないため、二人は内縁関係(事実婚=婚姻届は未届け)の夫婦でした。二人が暮していた奈良県の山地の農村では後継者確保のための親族間結婚は珍しくはなく、二人は周囲にもごく普通の家族として受け入れられていました。
二人の間には子供が3人もいました。42年間、夫婦としての暮らしを続けてきた姪のKさんは夫(叔父)が亡くなったあと、社会保険庁に遺族厚生年金の受給を求めた。
奈良社会保険事務所はこの請求に対し支給しない決定を行った。
そしてこの処分に対しての審査請求が出された。


A審査請求の裁決
…亡夫と請求人は叔父姪の関係にあり、婚姻は民法第734条に違反し、長年内縁関係にあったとしても法第3条第2項に規定する「事実上婚姻関係と同様の事情」と認めることは出来ない。遺族厚生年金を不支給とした原処分は妥当、再審査請求を棄却する。
平成15年8月29日裁決   奈良社会保険事務局社会保険審査官
[根拠]
昭和55年5月16日 庁保発第15号 事実婚関係の通達「合意と存在」
内縁関係とは、婚姻の届出を欠くが、社会通念上、夫婦としての共同生活と認められる事実関係をいい、その要件として@当事者間に社会通念上夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意が存在すること、A当事者間に、社会通念上夫婦として共同生活と認められる事実関係が存在すること。

※前記要件を満たしている場合であっても、当該内縁関係が反倫理的な内縁関係であった場合、すなわち民法734条近親婚の制限、735条直系婚族間の婚姻禁止、736条養親子関係者間婚姻禁止の規定のいずれかに違反するような内縁関係にある者については、これを事実婚関係にあるものとは認定しないものとする…内閣法制局見解

=審査請求に提出した資料
資料1〜4までは戸籍謄本、住民票関係
資料5民生委員による証明がなされた「生計同一・維持申立書」14年7月24日付

B裁判へ  平成19年3月8日 最高裁判所第一小法廷
「叔父と姪の関係に遺族厚生年金の支給を認める」
{判決要旨}
『我が国では、かつて、農業後継者の確保等の要請から親族間の結婚が少なからず行なわれていたことは公知の事実であり、前記事実関係によれば、上告人の周囲でも、前記のような地域的特性から親族間の結婚が比較的多く行なわれるとともに、おじと姪との間の内縁も散見されたというのであって、そのような関係が地域社会や親族内において抵抗感なく受け入れられている例も存在したことがうかがわれるのである。
このような社会的、時代的背景の下に形成された三親等の傍系血族間の内縁関係についていては、それが形成されるに至った経緯、周囲や地域社会の受け止め方、共同生活期間の長短、子の有無、夫婦生活の安定性等に照らし、反倫理性、反公益性が婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に著しく低いと認められる場合には、上記近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという法の目的を優先させるべき特段の事情があるというべきである。
したがって、このような事情が認められる場合、その内縁関係が民法により婚姻が禁止
される近親間におけるものであるという一事をもって遺族厚生年金の受給権を否定することは許されず、上記内縁関係の当事者は法3条2項にいう「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当すると解するのが相当である』

{解説}
内縁関係が形成されるに至った経緯(おじの子の養育を主たる目的で関係が形成)、周囲や地域社会の受け止め方(親戚間、地域、職場等にも認知されている)、共同生活期間の長短(42年間)、子の有無(2人)、夫婦生活の安定度(円満な夫婦生活を安定的に継続)などの照らし反倫理性、反公益性が婚姻法秩序維持の観点から問題とする必要がない程度に著しく低いと認められる場合には、遺族厚生年金の受給出来る配偶者とする例外中の例外の判断と見ることが出来る。


C裁判・判例の影響

平成20年8月号 近親婚者への遺族厚生年金不支給処分取消し 東京会三宅明彦先生

(1)平成18年11月 年金相談会で同居していた夫が死亡したのに遺族厚生年金が支給されないとの相談。過疎地域で56年間事実上夫婦として4人の子どもを育てた。
(2)生計維持関係あるが叔父姪の関係とのことから社保庁通達:内閣法制局見解を踏まえ除外の範囲に当るとして受給出来ない旨説明
※健康保険は扶養であり第3号被保険者扱いだった。
(3)4カ月後上記最高裁で近親婚でも例外的な場合事実婚と同様の事情にあるもととする新たな見解が示された。
(4)これにより平成19年3月再度本人に会い遺族厚生年金受給の可能性説明
(5)民生委員に証明してもらった生計維持同一申立書等資料を整える。
(6)平成19年7月裁定請求
(7)〃7月30日 遺族厚生年金を請求出来る遺族の範囲ではないとして「不支給処分」
(8)即審査請求→〃19年11月審査請求は棄却される→平成20年1月再審査請求、代理人として出席→平成20年4月裁決書送付さる「支給しない処分を取り消す」
   理由…禁止の公益性より遺族の生活と福祉向上に寄与する厚生年金制度の目的優先

生計維持関係の認定基準
  平成6年11月9日庁文発3235通知「生計維持関係等の認定基準及び認定の取り
扱いについて」
【通ちょう】
(1)国民年金法等の遺族基礎年金等の生計維持の認定に係る厚生労働大臣が定める金額 
について 平成6年11月9日庁保発36
…遺族基礎年金等の生計維持の認定に係る厚生労働大臣が定める金額=年額850万円

(2)生計維持・生計同一関係に係る認定基準及びその取り扱いについて

  ○生計同一に関する認定要件
生計維持認定対象者(遺族基礎受給権者、遺族厚生〃、振替加算対象、障害基礎加算、寡婦年金受給権者、老齢・障害厚生の加給対象)に係る生計同一関係の認定にあたっては、次に該当する者は生計を同じくしていた者又は生計を同じくする者に該当するものとする。これらの事実の認定については、受給権者から別表1の書類の提出を求め行うものとする。

(ア)生計維持認定対象者が配偶者又は子である場合  (内は提出書類)

@住民票上同一世帯に属しているとき   (住民票世帯全員写)
A住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき(各住民票、別世帯理由書)
B住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき

(ア)現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を1つにしていると認められるとき (各住民票、同居申立書、民生委員等第三者証明、別世帯理由書)

(イ)単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは
   起居を共にし、消費生活上の家計を1つにすると認められるとき
・生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
・定期的に音信、訪問が行われていること
(各住民票、民生委員等第三者証明書、別居理由書)

(イ)生計維持認定対象者が死亡した者の父母、孫又は祖父母である場合

@住民票上同一世帯 (住民票世帯全員写)
A住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき(各住民票)
B住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき

(ア)現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を1つにしていると認められるとき  (各住民票、同居申立書、民生委員等第三者証明書)

(イ)生活費、療養費等について生計の基盤となる経済的な援助が行われていると認められるとき (各住民票、民生委員等第三者証明書)

●収入に関する認定要件

生計維持認定対象者に係る収入に関する認定にあたっては、次のいずれかに該当する者は、厚生労働大臣が定める金額(年額850万円)以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外に該当する者とする。
ア、前年の収入が年額850万円未満であること《前年未確定は前々年》
イ、前年の所得が年額655.5万円未満であること《前年未確定は前々年》
ウ、一時的な所得があるときは、これを除いた後、上記ア又はイに該当すること
エ、上記ア、イ又はウに該当しないが、定年退職等の事情により近い将来収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること

※提出書類
  上記ア又はイに該当する者=前年又は前々年の源泉徴収票、課税証明書、確定申告書等収入額及び所得額を確認できる書類。
  ウ又はエに該当する者=前年又は前々年の源泉徴収票、課税証明書並びに当該事情を証する書類等。
  第三者証明に代わる書類=健康保険扶養者は健康保険被保険者証等の写、扶養手当対象者は給与簿又は賃金台帳写、税法扶養親族は源泉徴収票又は課税台帳写、定期的送金は現金封筒、預金通帳等写、その他の場合はその事実を証する書類
                
>U 生活保護制度

@、生活保護制度の概要と現状
○保護世帯数=平塚市1,711世帯、9.38‰:秦野市974世帯、7.70‰ 伊勢原市662世帯6.56‰、小田原市1,683世帯、11.7‰ 神奈川県11‰ 国12‰

○社会福祉主事(ケースワーカー)体制=平塚市19人、小田原市15人

○生活保護予算  国費4分の3、残る4分の1を市費ないし県費 
19年度平塚市 38億1、860万円

○根拠法令  憲法25条(生存権)、13条(幸福追求権),生活保護法

○ 生活保護法の沿革
昭和21年9月 旧生活保護法議決:勅令で保護基準、実務は民生委員、請求権なし
昭和25年5月 現生活保護法制定:憲法の生存権、実務は社会福祉主事、申請主義

○ 基準額  夫33歳、妻29歳、子4歳の3人世帯
生活扶助 154、870円
教育扶助 小学校 2,770円、給食費3,700円
住宅扶助 神奈川県 59,800円
    免除:医療費、税、国民年金保険料、保育料、上下水道使用料、放送受信料
  〇 収入認定◎就労収入−勤労控除(基礎控除+新規就労控除+未成年控除+特別控除)+必要経費
=収入認定額@
基礎控除の例 月額就労収入8万円=20、730円
      特別控除年間152,400円(月12、700円)
      新規及び未成年者控除も約1万円
◎扶養義務者からの仕送り額=収入認定額A
◎老齢基礎年金:老齢厚生年金等年金額=収入認定額B
◎生活保護基準額−収入認定額@+A+B=保護支給額

 ◎生活保護法第1条 目的
「この法律は、日本国憲法第25条の規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」
第2条
無差別平等
  「すべての国民は、この法律に定める要件を満たす限り、この法律を無差別平等に受けることができる」

A生活保護の要件…他法優先の原則  生活保護法第4条

保護要件として資産・能力の活用と扶養義務等他法他制度を優先させる
従って国民年金、厚生年金等社会保険・労働保険などが受給出来れば優先させる
それでもなおかつ生活困窮する状態で初めて保護が開始される
※市町村が窓口であり、その町の住民であること、住居が定まっていることも要件。

B他法他制度の受給が決定された場合、受給までの間保護を継続させ、その後保護法第63条を適用させ保護費の支給を遡及適用させる。支給済みの保護費は返還させる。
第63条適用させ保護費返還の事例
…入院して保護受給中のケースに対し障害厚生年金の申請を指導した。申請の時点で63条設定。裁定され障害厚生年金5年分約500万円受給振込み確定により63条設定時点(申請時点)からの保護費を返還し、保護廃止。年金の消費状況と今後の年金額と保護費を比べ必要に応じ保護が再開される。
 
C 生活保護法第24条第1項 保護の実施機関は、保護の開始の申請があったときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対して文書をもって、これを通知しなければならない。 第1項の通知は、申請のあった日から14日以内にしなければならない。ただし、扶養義務者の資産状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、これを30日まで延ばすことができる。この場合には、同項の書面にはその理由を明示しなければならない。

D申請:受理:却下取下げ
  国全体で約21万件年間申請数:却下は8千、取下げ1万1千、受理19万1千。
E支給日は毎月5日、振込みがほとんど。

F、月刊社会保険労務士平成19年10月号 投稿欄「生活保護法を別表第一に加えよ」
東京会 金網久夫先生

最低賃金が生活保護より低いのは問題だとの議論もあり最低賃金が引き上げられた。
最低賃金法は社会保険労務士法別表第9号にあるが、生活保護法はない。
保護は申請主義(7条)をとり、要保護者、扶養義務者、又は同居の親族の申請に基づき開始される。第2条には要件を満たす限り無差別平等に受けることが出来ると定められている。
代理人による申請は「弁護士法第3条、行政書士法第1条の3に限り可能となっている。
社会保険労務士は国民のセイフティーネットである雇用保険法、労働者災害補償保険法、健康保険法、厚生年金保険法など取り扱いその円滑な運用に寄与している。
生活保護法は正にセイフティーネット最後の砦である。国民の為の士業として更に社会貢献出来るために具体的は生保代理申請が可能なように、社会保険労務士法別表に生活保護法を加えるべきである…。

G保険料の法定免除
質問 月刊社会保険労務士平成19年12月号 神奈川会 東条寛先生
…私は50歳ですが、20歳から国民年金加入歴がありません。 15年前から生活保護を受けています。法定免除を遡って受けられますか?

回答=国民年金発足時の昭和35年9月21日年国発48通ちょう
「強制適用被保険者は、法定要件に該当した日に被保険者の資格を取得するものであり、市町村長が資格取得届を受理したことにより被保険者の資格を取得するものでない」
「資格取得時において、法定免除の要件を満たしているときは、資格取得届の提出を怠っていても、遡って保険料は免除される」
…法定免除の効果は要件に該当すれば届出の有無にかかわらず発生するという考え方
○実務対応=まず市町村に行き、資格取得時を20歳に遡った年金手帳の交付を受ける。
基礎年金番号を確定させ、届出コード621「国民年金保険料免除理由該当届」により
15年遡った法定免除の手続を行う。届出の有無にかかわらずというのは法解釈であり、具体的権利関係の確認は届出が必要である。
※ 社会保険研究所発行{年金相談の手引き}P22に「生活保護法による生活扶助を受けているときは、届け出れば、その間の保険料が免除される(法89条)

H民生委員が対応した厚生年金担保での融資が問題になった事例

生活保護の独居老人が年金担保で融資を受けていたが、返済残金があるのに2回目の融資手続きをとった(滞納家賃の返済に充当)ことで、生活保護が取り消され、生活困窮で食事も取れず、近所の人や民生委員に救済を依頼された事例がありました。
この時は福祉部長のレベルまで訴え、人道上生死の問題と担保融資の是非論に発展した。
施設入所を勧められ食事の保障と引き換えに自由を束縛されることで本人が拒否した事例があります。
本人は食事よりも競輪に凝っており生活態度上問題が多くて指導してもムダの感じでした。
その後は本人の生死に関わる問題が発生しないことを祈って見守ることにしました。
I民生委員は生きがい事業団勤務会員であったので彼の日当を得るために海岸清掃の仕事を紹介し、当人は数日間働いたが食事を余り取らずに体力不足で辞めてしまった。※独立行政法人福祉医療機構は法律上唯一認められた公的年金担保融資制度を持つ。
医療、住居費、冠婚葬祭など生活上必要な一時的支出に対応したもの。しかし、ここから融資を受けた結果生活費が困窮し生活保護受給に至ったケースが全国で2007年4月〜12月に3403件あったと厚生労働省が発表した。本制度の見直し論が出ている。
 
I生活保護を巡る最近の動き

◎母子加算…生活保護受給中の母子家庭について、母子加算として月額20,000円(都市部23,000円)支給されていましたが、05年度から段階的に削減され、今年4月に全廃された。しかし新政権による見直しから、この12月から再び支給されることとなった。
財源は予備費から4カ月分60億円。22年度分は約180億円。
同加算は昭和24年母子家庭には保護費の他追加的な栄養が必要との理由から創設された。2004年生活保護費全般に見直し作業により、母子加算を加えた保護費は保護を受けていない一般母子家庭の食費、光熱水費、被服費等の平均的な消費額を上回っていることが分かり、一律に廃止ではなく、生活保護制度の目的である自立支援に立ち返り、就労援助費(3万円以上収入あれば1万円援助)と教育援助費(高等学校就学費月額15,000円)の給付に転換させていた。

◎ハローワーク窓口で生活保護申請
…10月23日政府雇用対策本部は「緊急雇用対策として職業紹介に加え、住まい相談とともに生活保護申請手続きをハローワーク窓口のワンストップサービスの一環として11月から大都市部で試験的に実施する」こととした。

◎無料低額宿泊施設で保護費ピンハネ:貧困ビジネスの問題…
NPO法人や任意団体が管理する施設に入所した生活保護者に対して、保護費が振り込まれる通帳を施設側が管理し、食費や住居費運営名目で大部分を引き落とされ、保護者の手元にはほんの僅かしか残らない事件が連続発生した。ホームレスなど住居がない状態では保護が受けれない、そこで声を掛けられ施設に入所し住居要件をクリアし保護を受けたもの。無料低額宿泊施設は社会福祉法に基づき路上生活者らに無料又は極く低額で宿泊用部屋を提供する施設。都道府県への届出で設置出来る。明確な運営基準は現在の時点でない。

※英国の保護率24,7% 4軒に1軒:日本2,2%, 50軒に1軒゛ 

補足率=英国 87%   日本 14% 英国「保護制度は普通の制度」日本では゛特別゛
 「ハリーポッターと賢者の石」をJ・K・ローリングが著作しているとき彼女は母子家庭で生活保護を受給していた。貧しさや絶望からうつ病にもなった。しかし保護制度によりインカムサポートを受け、心機一転、好きな小説を書くことに挑戦。
  やがて小説は空前の大ヒット、映画は世界中で興行記録を更新。彼女は巨万の富を得る。J・K・ローリングは今年収1億2500ポンド、歴史上最も多くの報酬を得た作家となった。そして英国政府は…支援した金額より遙かに大きな税収入を彼女から得ている。お互い困ったときはサポートし、自立を支えられ、その恩は倍返しする…社会保障は経営であり、それを機能させる英国流生活保護制度の実例である。

>V 国民年金委員から年金委員に

 1、国民年金委員
  通知15.5.22「国民年金委員設置要綱」
○職務</span
・国民年金制度の周知、広報に関すること
・地域住民に対する国民年金の各種届出手続きの指導、相談に関すること
…自治会にお願いし年金啓発チラシの配布・回覧や掲示板等にお知らせ等を掲示
○設置

地域における国民年金制度の草の根的な周知広報活動を推進するため小学校区ごとに複数名設置するとしている。
全国で13、000余名が委嘱されている

平成20年11月現在 神奈川県国民年金委員会(副会長 牧嶋務先生)
           県内87名 平塚社保区域11名
        
2、年金委員



社会保険庁の廃止、日本年金機構の発足に伴い、社会保険庁長官が委嘱する国民年金委員は、厚生労働大臣が委嘱する民間協力員「年金委員」に委嘱替えとなる。

  ※現在の国民年金委員委嘱状
平成20年11月1日 社会保険庁長官委嘱 任期 平成23年10月30日
 
@年金委員設置の目的(日本年金機構法第30条)
    政府管掌年金事業の適用、給付、保険料その他の事項について積極的に啓発、
相談、助言その他の活動を行い、理解を高め、その円滑な運営を図ること。


A年金委員の区分と設置、要件、任期等
○職域型…厚生年金保険の適用事業所事業主が推薦する者
       300人未満の事業所に1名、以上は2名
       被用者保険に関する事務を担当し相当期間経験を有する者
       任期は規定しない

〇地域型…市町村長または団体が推薦する者
      小学校区ごと複数名:目標全国で5万人
      年金制度に理解が深く、福祉向上に熱意があり、奉仕の精神に富む者
      任期3年
        
   









テーマ

注目テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
かわいい

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
■買えば買うほど、虐待された子を救える本
●『日本一醜い親への手紙 厳選版100通』の刊行について ...続きを見る
■Social Good News 君は...
2010/01/10 17:47

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
地域福祉活動と年金制度の係わり…民生委員・児童委員制度、生活保護制度、国民年金委員制度を概観 年金・医療・失業・労災困ったときの助かるブログ/BIGLOBEウェブリブログ
[ ]